3-3 闇に落ちた先で
誰かに強く腕を引かれた反動でよろけてしまう
そんな私をその人は強く抱きしめた。
「━もう十分だ。これ以上の、誰にも触れさせない。」
低く、怒りを含んだような声。
なのに震えている。
この声をわたしは知っている。
顔を上げると、そこには……
ヴァロンが静かに涙を流して私を抱きしめていた
街は崩れ、瓦礫が散乱している。
不意にクイッと服を引かれた。
『主……主をこんな目に合わせたやつは誰だい……』
ミーサは怒りで毛を逆立てている。
2人ともボロボロだ。
たくさん土埃が付いている。
こんなになるまで、私を探してくれたのか……
ヴァロンなんか、まだ2回しか会ったことないのに。
でも、なんだか、涙が出てきた。
「フフッ……ハハッ……アハハハハハハハハハ!!!」
それなのに、笑いが止まらない。
そんな私をヴァロンはずっと抱きしめてくれ、ミーサはずっとそばにいてくれた。
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しばらくして落ち着いたわたしは、ポツポツと話し始めた。
障害のこと、両親のこと、同級生のこと
ギルドで何を言われ、どう思ったか
涙がずっと止まらない。
だけど、ゆっくりゆっくりと話す
「私ね、元の世界でそれでも仲良くしてくれた子がいたの。でも、2年くらい疎遠なっちゃってさ、久しぶりに連絡したら気づいてなかったーってかまだ居たの?って言われたの。それでもう生きていたくなくなって、気づいたらこの世界にいた」
2人は黙る。
そして、何も言わずそばにいる。
わたしには、もう、この二人しかいない
2人だけでいい。
ほかは何もいらない。
「ねぇ、ミーサ。ヴァロンを私たちの家に連れてってもい?」
『いいぞ。』
「いいのか?」
「『もちろん』」
私たちは、家に帰った。
「これは……すごいな……」
「畑、大きいでしょ。」
「あぁ。すごく。」
ヴァロンが最初に驚いたのは畑の大きさだった。
「これは……ラビットビートか?」
「ねえ、その妙にダサいネーミングは誰がつけたの」
「……やはりダサいか」
真顔で聞いてこられましても……
「うん、すんごいダサい」
「レナはなんと呼んでいるんだ?」
「にんじんって言ってるけど。」
「にんじん?なぜ?」
なぜって、、、
なんでだろ?わかんないや
「わかんない。でも、元の世界ではそう呼んでた」
「そうなのか。」
「うん。」
沈黙が続く。
小鳥の鳴き声が耳を撫でる
「レナ。」
「ん?」
「一目惚れしたんだ、初めて会った時」
「……はい?」
唐突、ものすごく唐突。
でも、凄く嬉しい。
「聞き返すな。」
「だって突然だったから。」
「返事は」
「なんの?」
お互い沈黙が続く
「あぁもう、俺はレナ。お前に一目惚れしたんだ。だから、ずっと一緒にいて欲しい。その為なら男爵なんて地位も捨ててやる」
…………ん?男爵?
「ちょとまて、ヴァロンって男爵だったの?」
「言ってなかったか?」
またまた沈黙。
「ヴァロン、ステイ。過去から今まで全部話して。とりあえず全て余すことなく。」
「はい……」




