勇者さん、並ぶ
「青のダンジョンに挑戦される方は、一列にならんでください」
「ただいま、四時間待ちです」
アトラクション並みに混んでいた。
「これだけ混んでいると、レアアイテムは回収されているのでは?」
クロードに聞かれ
「その考えは、素人ね」
アリアは、得意気に言う。
「人気のあるダンジョンの内部とレアアイテムは、ランダムで変化するの」
つまり、クリアさえ出来ればハズレを引くことはない。
「……ずいぶんと、親切設計ですね」
「お姉さん、綺麗ですね」
ゼファーは、後ろに並んだ冒険者の女性に声を掛ける。
「あらあら、甘えん坊ね」
「うちの従者の土地は、枯れています。お姉さん、なぐさめてください」
そう言って、ゼファーが豊満な胸へとダイブしようとした時
「何やってるのよ」
アリアは、ゼファーを引き戻すと
「迷子になったら、保護者の責任になるの。大人しくして」
「うるせー、この絶壁」
「な、なんですってぇ」
言い合う二人を見て
「ここは、ダンジョンと言うよりテーマパークでは?」
クロードは、呆れてため息をつく。
ドン、と横を通り過ぎた青年と肩ぶつける。
「失礼、よそ見をしていました」
「いえ、オレの方こそ……」
クロードと、赤毛の魔法使いの青年は顔を見合わせ
((あれ、どこかで見たような))
互いに同じ事を考えていた。
「おい、クロード。胸の大きな美女には、まだ会えないのか」
並ぶことに飽きてきたゼファーに聞かれ
「勇者さん、時には待つことも大切ですよ」
「ちっ、面倒だなー」
ゼファーの顔を見るなり、赤毛の魔法使いは目を大きく見開く。
「よくぞ、ご無事で!!」
そして、思いっきり抱きついた。




