勇者さんと、新しい町
水の町、レインディア。
「え、キミ男の子なの?」
「可愛い」
「クロワッサン食べる?」
三人の女性に囲まれ
「さすが、俺。どこへ行ってもモテモテ」
ご満悦のゼファー。
「信じらんないっ、あんなデリカシーのない男に」
「仕方ありません。勇者さんは、見た目だけならロリです」
それが、実は男。
「女性には、おいしい設定なのでは?」
冷静に分析するクロード。
「わたしの趣味じゃないわ……ど、どうせならソフィアさんのような」
ソフィアのことを思い出しながら、頬を赤らめるアリアを見て
(アリアさん、少し百合入ってますよね……)
しかし、ゼファーが女性に現を抜かす状況はマズイ。
この状況が続けば
「俺、ハーレム作って城を建てる」
とか、言い出して勇者辞めるかもしれない。
「そ、そんなことになったら……」
落ち込むクロードを見て
(腹黒のクセに、ゼファーが勇者やめられると困るみたいなのよね)
アリアは紅茶を一口飲むと
「考えすぎじゃない?」
あれ、見なさいよと、ゼファーたちのいる方にクロードの視線を促す。
「お前らを、俺のハーレムの一員にしてやろう」
ゼファーの言葉に、女性三人は目を丸くする。
「大人のお姉さんを、からかっちゃダメよ」
「もう少し、大きくなったらね」
「一人で帰れる?」
そう言って去って行った。
「あ、あう……」
ショックのあまり、ゼファーはテーブルの上に伏せる。
「現実なんて、あんなものよ」
「女性なんかに現を抜かしているから、こうなるんですよ」
「なんか、とはなんだ!!」
つーか、男のクセに女に興味ないって
「お前、ホモかよ」
ゼファーがクロードを睨むと
「ホモ……ホモとは確か男同士の「わああああっ、説明はいらん」
辞書のような説明をしようとしたので、大声で阻止。
「ねぇ、さっきそこの書店で全国のダンジョン地図買ったんだけど」
近くにダンジョンあるから攻略に付き合いなさい、とアリアが言う。
「けっ、レアアイテムに興味ないし」
女性にふられた影響で、ゼファーは拗ねてしまった。
「そう言わずに、聖剣は私たちがもらいました。ここは、アリアさんにお礼をする形で……」
そして、クロードは悪知恵を働かせ
「レアアイテムの番人、胸の大きい女の子かもしれませんね」
「し、仕方がない。行ってもいい」
子供は、単純である。
「あんな嘘、言っていいわけ?」
アリアに聞かれ
「ダンジョンクリアする頃には、人見知りの勇者さんに戻ってますよ」
勘ですが、とクロードは続ける。
(盗賊が言うのもアレだけど……大人って汚いわ)




