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無職は転生してフリーターに進化した!  作者: 鋏と電灯
第二章~これからどうする?~
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剣をおさめ、一礼する。

 武器コンテストが終わりを告(つ)げ、観客もいなくなった。


 しかし、武器商人と騎士たちは帰らない。


 これから、商談の時間が始まるからだ。



「ふへ~、やっと終わったな、でもさあ、なんかドン引きされてし買ってくれる人いるのかな~? 」


 モンドは、そんなことを言うと


「ちょっと、やりすぎたかもしれんな……」


 シュヴがそう答える。


「あの、フェール商会の方々がこちらに来てるんですが……」


 スレイがそう言うと


 フェール商会の連中がこちらに向かって歩いてくる。


 負け惜(お)しみでも言いに来たのか……


 モンドがそんなことを考えていると


「あの時は、すまなかった」


 フェール商会のリーダー格はそう言って頭を下げた。


「お、おう」


 モンドは戸惑(とまど)いながら、そう答える


 シュヴたちも、戸惑(とまど)いを隠しきれていない。


「我々(われわれ)、フェール商会はナシオン集合(しゅうごう)国で一番の武器屋だ、などと言われ調子に乗りすぎていた……がしかし、上には上がいる、今回はそれを思い知らされたよ……」


 フェール商会のリーダー格(かく)がそう言う


「フッ……、でも俺たちは、『最強(さいきょう)の剣』は作れるかも知れない……でもな、『いい剣をたくさん』作ることはできない、今回は風吹(かぜふ)くままにが勝った、けどやっぱり、フェール商会はナシオン集合(しゅうごう)国で一番の武器屋だと、俺は思うな」


 モンドがそう言うと


「確かに、数が揃(そろ)えられないんじゃあ、武器屋としては致命的(ちめいてき)だな」


 シュヴは、そう続けていった。


「そうか……ありがとう、よし! お前らこれからもっともっと技術を磨(みが)いていくぞ! 」


 フェール商会のリーダー格は部下に向かってそう言うと


「「「おおぉーー!! 」」」


 部下たちはそう大声で言う


「あ、あと、コンテスト中に差し上げると約束した1200万ウェイト分(ぶん)のお金です」


 フェール商会のリーダー格はそう言って一枚の紙をわたしてくる。


「お手数(てすう)だと思いますが、その紙を銀行にわたしてください」


 商談(しょうだん)もせず、若い兵士に紙を渡した後に、どこかへ消えていった。


「さすがに、立ち直りが早いな」


 モンドがフェール商会を見ながら、そう言うと


「そうですね、ご主人様」


 イブがそう返した


「あの……こんどは、騎士の方々がいらしゃっています……」


 スレイがそう言うと


「お話の中、申し訳ありませんが、ちょっとよろしいですか? 」


 そうキャーナルが、モンドたちに話しかけてきた


「あ、なにかごようで? 」


 シュヴが、そう答える。


「いえ、あなた方の商品……武器を見せていただきませんか? 」

 

 キャーナルはそう言うと


「では、旅車(りょしゃ)までついてきてください」


 シュヴがそう言って、歩き出すと


 モンドたちと、キャーナル、騎士と思われる何人かがシュヴのあとを追(お)う




 しばらく歩いて、旅車(りょしゃ)にたどり着き、シュヴは作った武器を全て外に出す。


「ほうほう」


「ふむふむ」


「これは、これは」


 騎士たちは、思い思いに武器を手に取り、思い思いの方法で


 一つ、200万から600万ウェイトの武器の性能を見ている。


 そんな中、キャーナルは今ある武器には目もくれず


「あの、私は少し変わった武器を使いますので、専用に作っていただけることはできませんか? 」


 そう、シュヴに相談する


「専用品ですか……、お高いですよ? 」


 シュヴがそう言うと


「いえ……構(かま)いませんよ」


 キャーナルはそう返す。


「そうですか……どのような武器を作って欲しいですか? 」


 シュヴがそう言うと


「はい……重量の操作ができる、私の背丈(せたけ)ほどの大きさがある大剣です」


 キャーナルがそう返すと


「重量の操作……『落ち着きのない天秤(シュレムゲウィヒト)』で作られた大剣か……」


 シュヴがそう言う。

 

 『落ち着きのない天秤(シュレムゲウィヒト)』とは、重さをコントロールできる素材で、作るのが非常に難しい物だ。


「できますか? 」


 キャーナルがそう聞くと


「おそらくですが……出来ます。」


 シュヴはそう答えた


「そうですか、ではどのぐらいの値段で売っていただけますか」


 キャーナルがそう言う


 シュヴは


 4000万ウェイトぐらいがちょうどいいかな、とりあえず最初は高めにってこちらが譲歩(じょうほ)したように見せよう。


 そう考えて


「そうですね……1億ウェイト、でいかがですか? 」


 そう言うと


「はい、わかりました」


 キャーナルは即答(そくとう)した。


「そうですか、でしたら完成しだい代金を支払(しはら)う、という形(かたち)でいかがですか? 」


 シュヴは、1億ウェイトというアホみたいに高い金額をポンッと出したキャーナルに驚ろいたものの、顔色(かおいろ)をまったく変えずににそう言った。


「はい、わかりました」


 キャーナルはそう言う


「では、契約書にサインしてください」


 シュヴはそう言って紙をわたすと


「はい」


 キャーナルは契約書をしっかり読んだ後、わかりやすい綺麗な字でサインを書いた。


 「商談成立ですね」


 シュヴがそう言うと


「ええ、しかし、あの素晴らしい武器を作ったのは、あなたですか? 」


 キャーナルがそう言うと


「まぁ、一応は、でも素材は別の人が作りました」


 シュヴがそう言うと


「優秀な錬成(れんせい)魔法の使い手ですね、ぜひお会いしたいです」


 キャーナルがそう言うと


「ああ、でしたら今からここに、こさせましょうか? 」


 シュヴがそう言うと


「え! よろしいんですか!? 」


 キャーナルはそう返した。


「ええ、いいですよ、少し待っていてください」


 シュヴそう言うとモンドのもとに行く


 客の相手をイブとスレイにまかせっきりにしボーッと立っていたモンドに


「おい、モンドどうせ暇(ひま)だろ、ついてこい」


 シュヴがモンドにそう言うと


「いや~、今は、ボーッとしているのに忙(いそが)しいんだよね」


 モンドがそう返すと


「そうか、じゃあ忙(いそが)しいところ悪いが、キャーナルがお前に会いたいだってさ」


 シュヴがそう言う


「ふ~ん、じゃあ暇(ひま)だし会ってみるか」

 

 モンドがそう返すと


「やっぱ、暇(ひま)だったじゃねーか」


 シュヴはそう言う


「そう、怒んなって」


 モンドがそう返す


「はぁ、とりあいず行くぞ」


 シュヴはそう言って、モンドをキャーナルのもとへ案内する



「あ、どうも、素材作り担当のモンドです」


 モンドはキャーナルにそう言う


「あなたが、素材を作った方ですか……」


 キャーナルは自分の考えが決定的に違っていたことを知る。


 そもそも、魔法の強さや、正確(せいかく)さは、『魔力の量』と『魔力のコントロール』で決まる。


 『魔力のコントロール』は、人や魔法によって得意と不得意があり、才能もあるが努力しだいでいくらでも伸(の)びる。


 しかし


 『魔力の量』は、完全に才能の世界(せかい)で、人や魔法によって得意も不得意もない。


 キャーナルはモンドをその目で見るまで


 『魔力の量』はある程度あるだろうが、錬成(れんせい)魔法の『魔力のコントロール』が天才的に得意な『優秀な錬成(れんせい)魔法の使い手』だと考えていた。


 だが、そんな生易(なまやさ)しいものではなかった。


 『キャーナル・ソヴァジュ』という存在である私の目の前に立つ『モンド』という存在は、圧倒的いや……『イカれている程(ほど)の化物(ばけもの)じみた魔力量の塊(かたまり)』だった。


 おそらく、このモンドという男に殺意を向けられただけで、私は小便(しょうべん)を漏(も)らし、腰を抜かして歩けなくなるだろう……


 自他(じた)ともに認める、この世界でも十本の指に入るほどの強者(つわもの)であり、どんな強敵(きょうてき)にも決して逃げ出さなかった、キャーナル・ソヴァジュがそう思ってしまうほど


 モンド・ムッボシは天才的(てんさいてき)いや『天災的(てんさてき)』な強さであった。


「俺の顔に、なにかついてます? 」


 キャーナルに見られていたような気がする、モンドがそんな事を聞くと


「いえ、何でもありません」


 キャーナルはそう答える


「そうですか」


 モンドがそう答えると


「ええ、私はこれで失礼してよろしいでしょうか」


 キャーナルがそう言うと


「ああ、お引き止めしてすみません」


 シュヴがそう言うと


「いえ、私に都合ですので……」


 キャーナルは、そう答え、街方向へ消えていった。


「なんの、話をしてたの? シュヴ? 」


 モンドがそんな事を聞くと


「一億ウェイトの武器を作る話だよ」


 シュヴが上機嫌(じょうきげん)になりながら答えると。


「ほえ~、そりゃあ、また、すごいなぁ~」


 モンドは、マヌケけそうな声で驚いた。





......................................................


 キャーナル・ソヴァジュは街にある自分の館(やかた)に向いながら考え事をする。


 おそらく、一体でナシオン集合(しゅうごう)国の総戦力に匹敵(ひってき)するであろう、神話級(ミートドマレ)の魔物(ヴィス)『ニャルラトテップ』が、先月二体の襲来(しゅうらい)し、そしてわずか数分で消えた事があった。


 ノルテ州(しゅう)の州長(しゅうちょう)であるマルスコイ・ボーブルは原因不明と発表した。


 州民(しゅうみん)は、あまりに奇妙(きみょう)すぎる出来事に批判(ひはん)の声よりも、様々(さまざま)な自分の考えを、言いあうほうが盛りあがったほどだ。


 だが私は、原因がわかった


 あの、モンドという男が


 ニャルラトテップを数分で倒した。


 報告は……


 する必要はないな……


 圧倒的に強大な神とまで言われるほどの最上(さいじょう)、神話級(ミートドマレ)


 その、神話級(ミートドマレ)が小さく、儚(はかな)いものに見えるほどの存在


 そんなもの、上層部が信じるはずはない


 現(げん)に、私は今でも信じきれていないのだから……。

 

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