剣をおさめ、一礼する。
武器コンテストが終わりを告げ、観客もいなくなった。
しかし、武器商人と騎士たちは帰らない。
これから、商談の時間が始まるからだ。
「ふへ~、やっと終わったな、でもさあ、なんかドン引きされてし買ってくれる人いるのかな~? 」
モンドは、そんなことを言うと
「ちょっと、やりすぎたかもしれんな……」
シュヴがそう答える。
「あの、フェール商会の方々がこちらに来てるんですが……」
スレイがそう言うと
フェール商会の連中がこちらに向かって歩いてくる。
負け惜しみでも言いに来たのか……
モンドがそんなことを考えていると
「あの時は、すまなかった」
フェール商会のリーダー格はそう言って頭を下げた。
「お、おう」
モンドは戸惑いながら、そう答える
シュヴたちも、戸惑いを隠しきれていない。
「我々、フェール商会はナシオン集合国で一番の武器屋だ、などと言われ調子に乗りすぎていた……がしかし、上には上がいる、今回はそれを思い知らされたよ……」
フェール商会のリーダー格がそう言う
「フッ……、でも俺たちは、『最強の剣』は作れるかも知れない……でもな、『いい剣をたくさん』作ることはできない、今回は風吹くままにが勝った、けどやっぱり、フェール商会はナシオン集合国で一番の武器屋だと、俺は思うな」
モンドがそう言うと
「確かに、数が揃えられないんじゃあ、武器屋としては致命的だな」
シュヴは、そう続けていった。
「そうか……ありがとう、よし! お前らこれからもっともっと技術を磨いていくぞ! 」
フェール商会のリーダー格は部下に向かってそう言うと
「「「おおぉーー!! 」」」
部下たちはそう大声で言う
「あ、あと、コンテスト中に差し上げると約束した1200万ウェイト分のお金です」
フェール商会のリーダー格はそう言って一枚の紙をわたしてくる。
「お手数だと思いますが、その紙を銀行にわたしてください」
商談もせず、若い兵士に紙を渡した後に、どこかへ消えていった。
「さすがに、立ち直りが早いな」
モンドがフェール商会を見ながら、そう言うと
「そうですね、ご主人様」
イブがそう返した
「あの……こんどは、騎士の方々がいらしゃっています……」
スレイがそう言うと
「お話の中、申し訳ありませんが、ちょっとよろしいですか? 」
そうキャーナルが、モンドたちに話しかけてきた
「あ、なにかごようで? 」
シュヴが、そう答える。
「いえ、あなた方の商品……武器を見せていただきませんか? 」
キャーナルはそう言うと
「では、旅車までついてきてください」
シュヴがそう言って、歩き出すと
モンドたちと、キャーナル、騎士と思われる何人かがシュヴのあとを追う
しばらく歩いて、旅車にたどり着き、シュヴは作った武器を全て外に出す。
「ほうほう」
「ふむふむ」
「これは、これは」
騎士たちは、思い思いに武器を手に取り、思い思いの方法で
一つ、200万から600万ウェイトの武器の性能を見ている。
そんな中、キャーナルは今ある武器には目もくれず
「あの、私は少し変わった武器を使いますので、専用に作っていただけることはできませんか? 」
そう、シュヴに相談する
「専用品ですか……、お高いですよ? 」
シュヴがそう言うと
「いえ……構いませんよ」
キャーナルはそう返す。
「そうですか……どのような武器を作って欲しいですか? 」
シュヴがそう言うと
「はい……重量の操作ができる、私の背丈ほどの大きさがある大剣です」
キャーナルがそう返すと
「重量の操作……『落ち着きのない天秤』で作られた大剣か……」
シュヴがそう言う。
『落ち着きのない天秤』とは、重さをコントロールできる素材で、作るのが非常に難しい物だ。
「できますか? 」
キャーナルがそう聞くと
「おそらくですが……出来ます。」
シュヴはそう答えた
「そうですか、ではどのぐらいの値段で売っていただけますか」
キャーナルがそう言う
シュヴは
4000万ウェイトぐらいがちょうどいいかな、とりあえず最初は高めにってこちらが譲歩したように見せよう。
そう考えて
「そうですね……1億ウェイト、でいかがですか? 」
そう言うと
「はい、わかりました」
キャーナルは即答した。
「そうですか、でしたら完成しだい代金を支払う、という形でいかがですか? 」
シュヴは、1億ウェイトというアホみたいに高い金額をポンッと出したキャーナルに驚ろいたものの、顔色をまったく変えずににそう言った。
「はい、わかりました」
キャーナルはそう言う
「では、契約書にサインしてください」
シュヴはそう言って紙をわたすと
「はい」
キャーナルは契約書をしっかり読んだ後、わかりやすい綺麗な字でサインを書いた。
「商談成立ですね」
シュヴがそう言うと
「ええ、しかし、あの素晴らしい武器を作ったのは、あなたですか? 」
キャーナルがそう言うと
「まぁ、一応は、でも素材は別の人が作りました」
シュヴがそう言うと
「優秀な錬成魔法の使い手ですね、ぜひお会いしたいです」
キャーナルがそう言うと
「ああ、でしたら今からここに、こさせましょうか? 」
シュヴがそう言うと
「え! よろしいんですか!? 」
キャーナルはそう返した。
「ええ、いいですよ、少し待っていてください」
シュヴそう言うとモンドのもとに行く
客の相手をイブとスレイにまかせっきりにしボーッと立っていたモンドに
「おい、モンドどうせ暇だろ、ついてこい」
シュヴがモンドにそう言うと
「いや~、今は、ボーッとしているのに忙しいんだよね」
モンドがそう返すと
「そうか、じゃあ忙しいところ悪いが、キャーナルがお前に会いたいだってさ」
シュヴがそう言う
「ふ~ん、じゃあ暇だし会ってみるか」
モンドがそう返すと
「やっぱ、暇だったじゃねーか」
シュヴはそう言う
「そう、怒んなって」
モンドがそう返す
「はぁ、とりあいず行くぞ」
シュヴはそう言って、モンドをキャーナルのもとへ案内する
「あ、どうも、素材作り担当のモンドです」
モンドはキャーナルにそう言う
「あなたが、素材を作った方ですか……」
キャーナルは自分の考えが決定的に違っていたことを知る。
そもそも、魔法の強さや、正確さは、『魔力の量』と『魔力のコントロール』で決まる。
『魔力のコントロール』は、人や魔法によって得意と不得意があり、才能もあるが努力しだいでいくらでも伸びる。
しかし
『魔力の量』は、完全に才能の世界で、人や魔法によって得意も不得意もない。
キャーナルはモンドをその目で見るまで
『魔力の量』はある程度あるだろうが、錬成魔法の『魔力のコントロール』が天才的に得意な『優秀な錬成魔法の使い手』だと考えていた。
だが、そんな生易しいものではなかった。
『キャーナル・ソヴァジュ』という存在である私の目の前に立つ『モンド』という存在は、圧倒的いや……『イカれている程の化物じみた魔力量の塊』だった。
おそらく、このモンドという男に殺意を向けられただけで、私は小便を漏らし、腰を抜かして歩けなくなるだろう……
自他ともに認める、この世界でも十本の指に入るほどの強者であり、どんな強敵にも決して逃げ出さなかった、キャーナル・ソヴァジュがそう思ってしまうほど
モンド・ムッボシは天才的いや『天災的』な強さであった。
「俺の顔に、なにかついてます? 」
キャーナルに見られていたような気がする、モンドがそんな事を聞くと
「いえ、何でもありません」
キャーナルはそう答える
「そうですか」
モンドがそう答えると
「ええ、私はこれで失礼してよろしいでしょうか」
キャーナルがそう言うと
「ああ、お引き止めしてすみません」
シュヴがそう言うと
「いえ、私に都合ですので……」
キャーナルは、そう答え、街方向へ消えていった。
「なんの、話をしてたの? シュヴ? 」
モンドがそんな事を聞くと
「一億ウェイトの武器を作る話だよ」
シュヴが上機嫌になりながら答えると。
「ほえ~、そりゃあ、また、すごいなぁ~」
モンドは、マヌケけそうな声で驚いた。
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キャーナル・ソヴァジュは街にある自分の館に向いながら考え事をする。
おそらく、一体でナシオン集合国の総戦力に匹敵するであろう、神話級の魔物『ニャルラトテップ』が、先月二体の襲来し、そしてわずか数分で消えた事があった。
ノルテ州の州長であるマルスコイ・ボーブルは原因不明と発表した。
州民は、あまりに奇妙すぎる出来事に批判の声よりも、様々な自分の考えを、言いあうほうが盛りあがったほどだ。
だが私は、原因がわかった
あの、モンドという男が
ニャルラトテップを数分で倒した。
報告は……
する必要はないな……
圧倒的に強大な神とまで言われるほどの最上、神話級
その、神話級が小さく、儚いものに見えるほどの存在
そんなもの、上層部が信じるはずはない
現に、私は今でも信じきれていないのだから……。




