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無職は転生してフリーターに進化した!  作者: 鋏と電灯
第二章~これからどうする?~
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刃と刃の打ち合い

モンドたちが参加した、武器コンテストが行われている会場の中は、コンテストの司会(しかい)の大声で埋(う)め尽(つ)くされていた

 

 「レェデェーーエーーンーージェントルエーーーン!! 今ここに数多(あまた)の武器商人たちが己(おのれ)の技術と誇(ほこ)りがつまった魂の、と言っても過言(かごん)ではない! 武器が競い合う! このコンテストにお集まりいただき誠(まこと)にありがとーございます! ! 」


 司会の、その言葉の後


「「「「オオオオオォォォォーーーーー!!!! 」」」」


 大勢の観客が大声でそう叫んだ。


「え~、司会進行と実況はワタクシ、『ソリデレ・ポモドーロ』が務めさせていただきます、そして解説(かいせつ)には、われらがザイダニエ街の誇(ほこ)り! 『キャーナル・ソヴァジュ』様におこししていただけました! 」


 司会のソリデレ・ポモドーロが、そう言いうと


「「「「キャアアアァァーーー!! キャーナル様~~!! 」」」」


 黄色い声援(せいえん)が会場内を支配する。


  キャーナル・ソヴァジュ、その強さはもちろんのこと、短く切りそろえた金色のサラサラな髪、見る人を蕩(とろ)けさせるような甘いマスク、そしてなにより、不正を許さず、弱き者を助ける人柄(ひとがら)で、圧倒的な女性人気がある。


「皆様(みなさま)、今回は私が主催(しゅさい)した当(とう)コンテストにおこしいただき誠(まこと)にありがとうございます、また、今回参加していただいた22組の武器商人にの方々(かたがた)には正々堂々(せいせいどうどう)と誇(ほこ)りある戦いを見せていただきたいと思います」


 キャーナルは、そう挨拶(あいさつ)する。


「なんか、緊張してきた……」


 モンドがそう言うと


「大丈夫だオレたちならかならず優勝できる」


 シュヴがそう返すと


「いや、そういうことじゃなくて、人が多いと無条件で緊張するんだ、俺」


 モンドが、さらにそう返す


「はぁ、そうか」

 

 シュヴは呆(あき)れた顔をして、モンドにそう言った。


 そうこう、しているうちに


「それでは~! エントリナンバー1! 刀縁会(とうえんかい)の皆様に自分の武器をアピールしていただきます」


 司会がそう言って、コンテストを進めた。


 切れ味をアピールするもの。


 壊れにくさをアピールするもの。


 軽さをアピールするもの。


 さまざまな武器商人たちの、思い思いのアピール終わり


 ついに残るは二組となった。


「次は~! エントリナンバー21! フェール商会の皆様に自分の武器をアピールしていただきます」


 そう司会が言うと


 モンドたちに


 実力を見せてやる


 そういうふうな、視線をおくったのち


「エントリーナンバー21! フェール商会の武器をご評価ください」


 そう、リーダー格と思われる人物は言った。


「あいつ、ボクたちに絡(から)んできた奴ですよ、ご主人様」


 イブがモンドにそう言うと


「ああ、そうだな」


 と、だけモンドはイブに返した。




「ふっふっふ……まずは、これを見事(みごと)一発で真っ二つにしましょうか」


 フェール商会はそう言って、高さが大人の男よりも、高い骨つきの肉を持ってきた 


 ざわざわ


 ざわざわ


 会場が騒(さわ)がしくなる。


 あんなもの、切れるわけないと


 しかし、フェール商会はさらに言葉を続ける


「ふむ、自分たちで用意(ようい)したものを、自分たちの武器で、自分たちが切ってもおもしろくありませんな……お~い! そこの兵士さん、お手数(てすう)ですが、この肉に仕掛(しか)けがないか調べるていただけませんか? 」


 フェール商会がそう言うと


 何人かの兵士が入念(にゅうねん)に調査すると


「仕掛(しか)けなどは、ありません! 」


 肉を調べた、兵士の中でも一番、若そうな男がそう言った


「ふむ、ではあなたが切ってくれませんか」


 フェール商会がそう言うと


「え、ええええぇぇーーー!! む、む、無理です!! 」


 若い兵士は戸惑(とまど)いながら、そう言う。


「そう言わずに」

 

 フェール商会は食い下がる


「い、いや、ですが」


 若い兵士は後ずさりながら、そう言う


 「そうですか、なら見事断(た)ち切(き)っていただけましたら、お礼として600万ウェイトを差(さ)しあげましょう」


 フェール商会はそう言う


「600万! 」


 若い兵士は驚く


 無理もない、自分の一年分の給料と同じ額(がく)がもらえるのだから。


「や、やります! 」


 若い兵士は、欲望ギラついた目で、そう言う


「ではこれを、お使いください」


 フェール商会はそう言って、両刃(りょうば)の両手剣(りょうてけん)をわたす。


「はい! 」


 若い兵士は、その剣を受(う)け取(と)り、肉のすぐそばに置いてある台に立ち


 そして


「スウウゥゥゥ~、ハアアァァァ~、スウウゥゥゥ~」


 深呼吸をし、呼吸を整(とと)え


「デェア゛!!! 」


 大きな声で短く叫び、巨大な肉塊(にくかい)めがけて振(ふ)りおろす。


 すると


 見事(みごと)に肉塊(にくかい)は綺麗に真っ二つになった。


「「「「オオオオオォォォォーーーーー!!!! 」」」」


 会場は観客の興奮に包(つつ)まれた。


 「おぉっとぉ~~! ! ! フェール商会! まさか本当に切ったぁ~! 」


 司会がそう言うと


 「まさか一兵士があそこまで巨大な肉を一回で切り離すとは、フェール商会、ナシオン集合(しゅうごう)国で一番の武器屋と言われるのに、恥じぬものです」


 続けて、キャーナルはそう言った。


 アピールの終わった、フェール商会はモンドたちを小馬鹿にした顔で見ながら、元いた場所に戻ていった。


 「最後に! エントリナンバー22! 風吹くままにの皆様に自分の武器をアピールしていただきます」


 司会がそう言とモンドたちは、立ち上がり歩き出す。


「それじゃあ、武器アピールします! 」


 シュヴがそう言うが


 会場の雰囲気は冷めたものだ


 それも、そうだろう


 ナシオン集合(しゅうごう)国で一番の武器屋があれだけのことをやったのだ。


 無名の、若者だけの、小さな、武器商人が勝てるわけがない。


 会場の観客にとってもはや、モンドたちの風吹くままにはただの消化試合でしかない。


 そんな中、モンドたちは誰ひとり悲観的(ひかんてき)な顔などしていなかった


 なぜなら


 モンドたちは勝利を確信(かくしん)していたからだ。


「それじゃあ、オレたちが切るのは……これだぜ」


 シュヴがそう言って、持ってきたのは


 子供の身長ぐらいの直径(ちょっけい)がある


 丸い


 鉄の塊(かたまり)だった。


 会場の雰囲気がさらに静(しず)まりかえる


 変なのが、紛(まぎ)れこんできたな……


 観客はそんな感じだ。


「お~い、さっき肉切った人! ちょっといいかな! 」


 シュヴがそう言うと


「あ、はい」


 若い兵士は重い足取(あしど)りで歩いてきた。


「仕掛(しか)けとか、ないか調べてくれ」


 シュヴがそう言うと


「あ、はい」


 若い兵士は簡単に調べると


「仕掛(しか)けはないっすね」


 若い兵士はそう言った。


「じゃあ、これで切ってくれ」


 シュヴはそう言って、両刃(りょうば)の細身(ほそみ)の片手剣を渡した。


「え、まあ、はい」


 若い兵士はそう言って


 どうせ切れるわけないし、切れなくても誰も何も言わないだろろ。


 若い兵士はそう思いながら、受け取る。


「あ、そうだ、お~い! フェール商会のやつら~! 、この鉄塊(てっかい)を真っ二つにしたら、この兵士とオレたちに1200万ウェイトづつくれないか~! 」


 シュヴがそう、大声で言うと


「ふぶっ! ゲハハハハハァ~! いいだろう」


 フェール商会のリーダー格は笑いながら、そう言った。


「だってさ」


 シュヴが若い兵士にそう言うと


「は、はあ」


若い兵士はそう言って返した。


「じゃあ、遠慮(えんりょ)なくやってくれ」


 シュヴがそう言うと


「は、はい」


 若い兵士は、一応(いちおう)、本気で剣を振(ふ)りおろろす。


 すると


 鉄塊(てっかい)は真っ二つになってしまった。


 会場が今まで一番、静寂(せいじゃく)に支配される。


 この会場にいる、モンドたち以外の全員が、目を見開(みひら)く以外のことは何もできない。


 それほどまでに、モンドが素材を作り、シュヴが形作った剣は、異常なことをしたのだ。


 その、永遠とも思える静寂(せいじゃく)を破(やぶ)ったのは


「こ、これは、仕掛けがアルゥぅぅ!! 」


 と言う、フェール商会のリーダー格の声だった。


「なら、思う存分(ぞんぶん)、調べな」


 シュヴがそう言うと


 兵士、フェール商会、が入念(にゅうねん)に調査する。


「た、タダの鉄塊(てっかい)です……」


 兵士がそう言い


「こちらも、同じ結論です……」


 続けて、フェール商会はそう言った。


 すると


「ま、魔法を使ったんだ……」


 フェール商会のリーダー格が消えそうな声でそう言うと


「なら、聞いてみるか『星の観測石(シュテルセンソル)』にな」


 『星の観測石(シュテルセンソル)』とは『錬成(れんせい)魔法』で作った、魔法を感知する石だ。


「お~い、ソリデレさ~ん、魔法感知できた? 」


 シュヴがそう聞くと


「い、いえ、反応はありませんでした」


 と司会のソリデレは答える 


「だってさ」


 シュヴがそう言うと


「ぐ、ぐ、ぐ、は! そうだ、この武器は硬いから切れ味がいい、だがそれは脆(もろ)いということだぁ~! 」


 フェール商会のリーダー格がそう言うと


「そうかな、そんなに脆(もろ)いなら、鉄塊(てっかい)にぶつけた時に砕(くだ)けると思うが? 」


 そう言ってシュヴは傷一つ、ついてない剣を、床(ゆか)に突(つ)き刺(さ)す


「ぐ、偶然だ! 」


 フェール商会のリーダー格がそう言うと


「なら、お前の剣で試してみろ、なんなら魔法を使ってもいいぞ」


 シュヴが意地の悪い顔でそう言うと


「ぐ、ぐっそォォォォーー!! 」


 フェール商会のリーダー格がそう叫んだあと


 聖なる言葉を唱えた後


「強力歌(フォルティトゥド)!! 」


 と言い、力を上げ


 フェール商会の両手剣で、風吹くままにの片手剣を、何度も、何度も、甲高(かんだか)い金属音を響(ひび)かせ、打(う)ち付(つ)ける


 しかし


 フェール商会の両手剣がボロボロになっただけであった。


「はあ……はあ……」


 フェール商会のリーダー格は疲れたような息をしながら、元の場所へ戻っていった。


「え、え~、参加した全員のアピールが終わったので、審査(しんさ)にうつります」


 司会はそう言った。






 当然、優勝したのはモンドたち、『風吹くままに』であった


 しかし、歓声(かんせい)は起きず


 現実感のないまま、閑静(かんせい)にコンテストは終わった。


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