第5話 オレンジちゃんが元気がない…?
次の日も、オレンジちゃんは元気がなかった。
サクラは用意した朝ごはんを、テーブルに置くと、オレンジちゃんの顔を見る。
「…どこか具合悪い?」
サクラは心配そうに尋ねる。
「大丈夫です…。ご飯あるので、いただきますね…」
オレンジちゃんは、サクラが作った大盛りのご飯を食べ始める。
ただ、オレンジちゃんは何口か食べると、少しぼーっとして休憩し、何口か食べると、またぼーっとして、を繰り返す。
(なんかいつもと様子違うなぁ。いつもだったら、パクパク食べ続けるのに)
サクラは心配そうに、オレンジちゃんを見つめる。
オレンジちゃんはいつもの2倍ほどの時間をかけて、なんとか完食した。
「ごちそうさまでした…」
オレンジちゃんは食べたあと、すぐに立ち上がりトイレに向かって歩き出す。その足取りは、またフラフラで左右に足取りも体も揺れていて危なっかしい。
数分後、トイレから出てきたオレンジちゃんは、少し屈んだ体勢で、お腹をさすっている。
「お腹の調子が悪い…?」
「はい…実は…ちょっと…」
そう言うオレンジちゃんの顔は、頬の辺りがげっそりとしている。
サクラは、オレンジちゃんの全身を舐めるように見る。
「あれ…?おかしい…」
サクラは違和感を覚える。
(あんなに毎日大量にご飯を食べ続けているのに、体全体がなんだか細く…というより、横から見たときの厚みがなくて、むしろ薄っぺらくなってる…!?)
サクラが観察している間に、オレンジちゃんはフラフラしながら歩いて行くと、また寝室にこもってしまった。
「どうしよう…治療法…病院へ連れて行った方がいのかな…あ…でも本来はお魚だから、人間の病院はダメなのかも…?」
サクラはテーブルの前を行ったり来たりして、ぶつぶつ呟く。
「ちがう…そうじゃない、気にするのはそこじゃないんだ…!ファリシアとの約束は、美少魚達を元気に帰すことだったはず…それなのに、私ってばオレンジちゃんについて何も聞かず、ただ一緒にご飯を食べて過ごして…何のお魚なのか知ろうともしてない私のせいだ…!」
サクラは自室に早足で向かうと、本棚に手を這わす。
「そう、これをもっと早くに読まなきゃだったのに」
サクラが取った本は、フィリシアが帰ったあと勝手に落ちてきた、あのアクアリウムの本だった。
「この中に、オレンジちゃんの正体のヒントに繋がるものは…」
本をペラペラと捲り、それぞれのページにザッと目を通していくサクラ。
「ん〜…あぁ〜…分からない…だめだ、これを読んでいても、オレンジちゃんがどのお魚さんなのか全然分からない……。情報が少なすぎる…もう、こうなったら…!」
サクラは鍵を持って自室から出ると、オレンジちゃんの部屋の前で呟く。
「元気な姿に戻してあげるから…ちょっと待っててね…!」
サクラは家を出て鍵をかけると、全速力で走り出す。
「あいつのところは嫌だけど、仕方ないわ…!」




