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アクアリウム女子と5匹の美少魚  作者: めんだCoda


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第11話 答え合わせ

「あらっ、せいか〜い!」


 フィレシアは持っている杖で宙に円を描くと、金色の粉が円状に舞ったあと、パッと散った。


「彼女の体調も、すぐ良くなるようにしておいたわ。元気な姿でそのうちこっちに来るでしょうね。それじゃ、次の美少魚もよろしくね」


 フィレシアはまた杖を振ると、その場から姿が消えた。


「正解……良かったあ〜……」


 サクラは一気に肩の力が抜けると、リビングの椅子にドサッと座り込んだ。


「そっか、オレンジちゃんはプラティ……」


 そのままテーブルに突っ伏して、サクラは眠り込んでしまった。




「おい、おい、起きろ。ベッドで寝た方がいいぞ」


 肩をゆすられて、サクラは腕の中から顔を上げると、リュックを肩持ちしたタキと目があった。


「あれ…タキ、お帰り…」


「おい、もう夜の0時を回ってるぞ。なんで、こんな所で寝てるんだ」


「さっきね、フィレシアが来てね…」


 サクラは椅子から勢いよく立ち上がると、タキの両腕を掴む。


「そうなの!正体が当たったの!私、オレンジちゃんがプラティって分かったよ!」


「おー、そうか、プラティであってたんだな。それにしても、金魚のヒントを出したが、それでもよくあの数ある中から正解を絞り出せたな」


「ううん、タキのヒントのおかげだよ。それでも、いくつの候補の魚の中から選ぶのは大変だったけどね。でも、正解に辿り着けた最大のポイントは、あそこ」


 サクラは、壁にかかっている時計の方を指差す。


「時計か?」


「ううん、その隣の温湿度計」


 サクラはタキを見上げて、得意げに微笑む。


「アクアリウムの本で、魚たちを見てたら気が付いたの。それぞれ適応できる水温が違うって。まあ、今は人間になってるから水温は関係ないけど、もしかしたら代わりに気温に対応してるんじゃないかって」


「なるほど」


「今は暑過ぎず寒過ぎずの気候で、そのおかげかリビングは特にちょうどいい温度だから、もしかしたらそのくらいの水温で暮らすのを好むお魚なのかなって。そして、決め手になったのは、オレンジちゃんの眠っているときの様子なんだ。オレンジちゃんは、布団を何枚も重ねて寝てたの」


「寒かったってことか」


「そう!実はオレンジちゃんに貸してた部屋は、北側で日当たりが良くないんだよね。だから、同じ家の中でも、あそこは他の部屋と比べると少し冷えちゃうの。つまり、オレンジちゃんは寒さに弱い。寒さに弱いので浮かぶのは、熱帯魚!熱帯魚で金魚に似てるってなったらぁ〜…」


「なるほど、プラティとなったわけか」


「そう!…って、タキはそれでプラティだって分かったんじゃないの?」


「俺は違う」


「じゃあ、何で分かったの?」


 サクラは眉をひそめて、タキの顔を見上げる。


「何って、最初に問題として出すなら、そんな難しい魚はもってこないと思ったんだよ。食欲旺盛で転覆しやすいのは、金魚や似た魚によく見られる。そこから更に絞れたのは、彼女が言っていた寿命が短く、何度も何度も出産するってところだ。金魚は寿命は長い」


「なるほどぉ」


「それに、髪の毛がオレンジだしな。プラティといえば、オレンジだ」


「やっぱり色も関係するかな!?」


「さあな。だが、今回はヒントにはなっていたな」


「あの…」


 サクラとタキが振り返ると、オレンジちゃんがリビングに静かに立っていた。

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