表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
34/36

5「娘、英雄の弱さを知る」

 夜が更ける前に、エルはルキを抱き上げてマグダラ協会宿舎に戻った。

 いつものようにルキを風呂に入れ、髪を乾かしてやり、自分も手早く風呂を済ませてから、待っていたルキに添い寝してやる。


「約束どおり、教えて」


 ベッドに入るやいなや、ルキがぎゅっと抱きついてきた。逃さない、とでも言わんばかりだ。


「な、何の話だったっけ?」

「とぼけないで。エルがルキのお母さんを……殺したことを、話してくれなかった理由。どうして?」

「…………からだよ」


 エルはごにょごにょと答える。


「なんて?」

「怖かったからだよ!」

「何が怖いの? エル、巨人にだって立ち向かえるのに」

「お前がだっ、ルキ」

「ルキが?」

「お前に嫌われるのが、怖かったんだ」

「……? なんで?」

「なんでってお前、娘に嫌われて平気な男親なんているか! ルキに嫌われちまったら、俺はもう生きていけない」

「ふふふっ、エルは怖がりなんだね」


 男の矜持に関わることだったが、


「……そうだ」


 エルは正直に認めた。ルキを納得させ、安心させるために、だ。


「じゃあこれからは、ルキがエルを守ってあげるね」

「いや、それはさすがにおかしいだろ」

「おかしくないもんっ」

「もんって」

「好き」


 ルキが再び、エルに抱きついてきた。


「大好きだよ、エル」


 その言い方にはなんだか妙な包容力があって、エルは戸惑った。


「俺も大好きだよ、ルキ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ