表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
劇場版 超機械生命体アストライア 〜火星人と入れ替わりの秘密〜  作者: 獅子王子(元桂ヒナギク)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/17

1.入れ替わった世界

「な、なんだこれぇぇぇ!?」

『どうした?』

 アストライアは驚いている。

『おい、返事をしないか』

「返事どころじゃない!」

 青年は慌てて自分の腕を見回す。

 巨大な白銀の腕。

 巨大な脚。

 そして眼下には、果てしなく広がる火星の大地。

「なんだこの体は!?」

『お前は何を言っているんだ?』

「ていうか、さっきから誰もいないのに声がするんですけどお!?」

『戦いすぎてついに頭がイカれたか』

「イカれてねえよ!」

『かなりおかしいぞ』

「おかしくなんかない!」

『では聞くが……』

 脳裏の声が少し間を置き。

『お前は誰だ?』

「……え?」

 アストライアは自分が火星の地下にある研究所の研究員であることを説明した。

『なに? それでは体が入れ替わってしまったと』

「ああ」

『ガハハハ。これは傑作だ。まさかアリスが別の人物と入れ替わってしまうとはな』

「笑い事じゃねえ! お前のなんだ? アリス? とかいうやつが来てからこうなってしまったんだぞ! どう責任取ってくれるんだ!?」

『入れ替わりは私の責任ではない。貴様が研究していたものが原因だろう? 大方、目の前のクレーターに埋もれてる装置のようなものがそれじゃないのか?』

「俺はこれからどうすればいいんだよ!」

『装置を直して元に戻るしかないな。そのためには、アリスを捜さねばならん』

「そんな簡単に言わないでくれ」

 その時だった。

 クレーターの奥。

 黒煙の向こうで、赤い光が点滅する。

『む?』

「……?」

 煙の中から巨大な影が現れる。

 青年は目を凝らした。

「……は?」

 赤く光る二つの眼。

 黒い装甲。

 白銀ではない巨体。

 だが、その姿には見覚えがあった。

 腕。

 脚。

 体の構造。

 頭部の形。

『……』

 アストライアが沈黙する。

「……おい」

『……』

「おい!」

 数秒。

 脳裏の声が呟いた。

『……なぜ、私がいる』

「な、なんだあれは……」

 青年は思わず後ずさろうとして——動きを止めた。

「待て。俺、今後ろに下がったらどうなるんだ?」

『知らん』

「知らんじゃねえ!」

 巨大な身体をどう動かせばいいのかもわからない。

 腕を上げれば砂嵐が巻き起こる。

 一歩動けば地面が揺れる。

 人間の感覚とは何もかも違う。

 その間にも黒い巨人はゆっくりと前進していた。

 ドン。

 ドン。

 ドン。

 足音のたびに砂が舞い上がる。

 やがて煙を抜け、その全貌が姿を現した。

「うわ……」

 青年は息を呑む。

 黒い。

 全身が黒い装甲で覆われていた。

 しかし、それだけではない。

 肩部。

 腕部。

 脚部。

 細部の形状は違うものの、その姿はアストライアと酷似していた。

『……』

 脳裏の声が再び黙り込む。

「おい、どうした」

『わからん』

「は?」

『私にもわからん』

 数秒の沈黙。

『だが、あれは危険だ』

「なんでわかるんだよ!?」

『本能だ』

「そんな曖昧な理由あるか!」

 次の瞬間。

 黒い巨人の双眼が赤く輝いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ