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よくわからないけどトントン拍子っす!

『てメえさっき聞きたいことが腐るほどあルみてえなこと言っておいて、いざ話せる状況になったラそレか!? はあ……てメえの小猿崇拝はもうこの際どうでもいいかラ、さっさと移動の交渉しやがレ!』


うひゃ! すんませんっす! 小さいお方と話せるかもと思ったらつい……。

でもそうっすね、会えなければお話することもできないっすもんね!


「ど、どうもっす! この度は助けていただきありがとうございますっす!」


まずはお礼っす、どのような意図であれ助けていただいたお礼は伝えなくてはいけないっす。

自分の言葉に反応してウーパールーパーさんが口を開いたっす。


「くぷくぷぷ。わあ。急に言葉がわかるようになった。ふしぎ。くぷくぷ」


驚いて……いるんすかね?? のんびりとした口調で、のんびりとこちらを見て、のんびりと不思議がってるっす。

でも、言葉は通じたっす! ならこのまま不躾っすけどお願いをするっす!


そう意気込んだのも束の間、ウーパールーパーさんが再度言葉をかけてきたっす。


「くぷくぷくぷ。君はだあれ。なんで海にいたの。泳げないの。ならなんで海にいたの。とてもとても怖いものはもういないよ。ここは安全。」


のんびりしてるのに質問が矢継ぎ早に来たっす!?

一つの質問に答えると、更にそこから二つ三つと質問が増えていき、気がついたら夜になってたっす……。


つ、疲れたっす……。結局質問に答えるだけでお願いができなかったっす……。


『あンなもン適当に流して本題だけちゃちゃっと頼みゃあいいものを』


駄目っすよ輪っかさん。コミュニケーションは大切っす。

なにかお願いするのにしても、全く知らない人と言葉を交わしたことのある人なら、後者の方が間違いなく受けてくれる確率が高いっす。

お願いばっかりする人は愛想尽かされて人が離れていってしまうっすよ?


『……猿畜生にド正論言わレルとイラッとすルな……』


理不尽すぎやしないっすかね?!


『まあ冗談は置いといて、どうすンだよ? あのデカブツ完全に寝てやがルぜ?』


そうなんすよね、あらかた質問に答えて日が暮れ始めたらウーパールーパーさんが急に寝てしまったんす。

あまりにも気持ち良さそうに寝てるし、声をかけても起きる気配がなかったので仕方無しに野宿してるんすけど……今日はもう無理っすね。

一応質問に答えることにより自分たちの目的も伝わったはずなので明日改めてお姉さんの国に連れて行ってもらえるようにお願いしてみるっす。


というわけで自分も寝るっす。今日はいろいろあって疲れたっす。

輪っかさんおやすみなさいっす。


『仕方ねえか、そのデカブツの力がなけリゃ移動もままなラねえかラな』



輪っかさんの言葉を最後に自分の意識はゆっくりとなくなっていったっす。







くぷくぷくぷ。

いろいろ知った。世界が広がった。新しい知識。新しい記録。知らないこと。知っていること。欠けている。致命的に。何かを忘れている。この存在に関わること。

この魔物は名前を持っていた。知性を持っていた。理性を持っていた。自我を持っていた。

何かわかるかもしれない。何もわからないかもしれない。

それでも彼の願いはわかった。

聞いたからわかった。

離れ離れになった存在。とてもとても大切な存在。

彼はその存在に会いたがっている。

助けてほしいと願っている。とてもとても願っている。

願いは想い。想いは力。

ならそれには応えないといけない。

何故かはわからない。わからないけど知っている。

それはこの存在に必要なものだから。とてもとても大切なものだから。

うん。

その願いを叶えよう。







目が覚めるとそこは真っ暗な世界だったっす。


あれ? 自分目を開けたっすよね? あれ? なんで何も見えないんすか? まさか……失明!? たたたたた大変っす!! 輪っかさん輪っかさーん!!


『落ち着けてメえの目は多分正常だ』


でもでもでも見えないっすよ!? 何も見えないっす!


『そらそうだろうよ、なんせここは腹ン中だからな……』


は? 腹の中っすか? 誰の?


『あのデカブツだよ! 日の出頃に奴の目が覚めたと思ったラ急に飲み込ンできやがった!! わけわかンねえぞクソが!!』


え、ええー。また食べられちゃったんすか? なんで?


『こっちが聞きてえよ! とにかく前と同じで消化もしねえし何か意図があルンだロうがわけわかンねえかラ聞きやがレ! オレ様の声はちっとも届かねえ! あいつホントに堕神か!?』


いや、堕神って言ったのは輪っかさんっすよ?

でも状況がわからないのはどうしょうもないっす。このままどこかに連れて行かれても小さいお方と離れ離れのままっすし。


自分は息を大きく吸いこんで声を上げたっす。


「ウーパールーパーさーん!! なんで自分を飲み込んだんすかー!?」


お腹の中で声を出して果たして伝わるんすかね? そんな不安を抱えていたんすけど普通にお返事が帰ってきたっす。


「くぷくぷくぷ。君の大切なもののところへ向かうよ。太陽の沈む方。わかってる。それが君の願いだから。とてもとても大切な」


なんと!? 昨日お願いできなかった移動をしてくれてるっす!?

質問に答えて目的は話したっすけど、なんで急に?

でもとりあえず


「ありがとうございますっすー!!!」


なんかよくわからないっすけど、いざお姉さんの国の方へっす!


『叡智の結晶たルオレ様の理解が及ばねえ……何なンだこレ……』


輪っかさん多分考えたら負けっす!

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