和やかに会話は進んだっす
「あらぁ〜? ごめんなさいね〜お猿さんの魔物だと思ったんだけど〜、勘違いだったのねぇ〜?」
たしかに自分は魔物らしいっすし、見た目もちょぉぉぉっっとお猿っぽいかもしれないっすけど、立派な人間っす!
そこを勘違いされちゃ困るっすよ!
「……人間〜? あなた人間なの〜??」
女性はキョトンとした表情から、困惑した表情に変わっていったっす。
まあ確かに今の自分はちょーっと毛深いっすし、先祖返りか尻尾も生えてるっすし、言葉もうまく喋れないっすけど、猿じゃないっす。人間っす。
「あらあら〜そうだったのね〜……あなたは転生者さんだったのね〜? どの神様と契約したのかしら〜それとも星霊様かしら〜?」
そうらしいっす。お姉さんも知ってるなんて、転生者ってそんなにメジャーなんすか?
「あらあらあら〜! お姉さんって呼んでくれるのね〜私弟妹が欲しかったから嬉しいわぁ〜うふふふ〜。ああそれと〜、この世界は転生者の方は多いわね〜。でも普通、人は人に動物は動物になるわ〜。あなたの様に人の魂が記憶を持って魔物に入るのは珍しいわね〜一体誰がやったのかしら〜」
いやーそれがわからないんすよねー。
自分気がついたらこの体で、石の中に閉じ込められてたんすよ。どうにか石の中から出たら知らない場所で……。
まあ、そのおかげで小さいお方と出会えたんすけどね! 小さいお方と出会わなければ今こうしていられなかったと思うっすし。
「……記憶がないの〜? この世界の人じゃないわよね〜魔族のことを知らなかったし〜思考能力が高レベルだもの〜。とってもアンバランスだわ〜。なのに記憶がないのね〜ずいぶんと中途半端なお仕事ね〜?」
そういえば輪っかさんも自分が雑に飛ばされたとか言ってたっすね。
「そう言えばさっきからあなたの思念に出てくる輪環のようなものは何かしら〜? それがあなたにいろいろ教えてくれているの〜?」
はいっす! 輪っかさんはとっても頼りになるっす!
「へえ〜そうなんだ〜? そろそろ出てきてくれるかしら〜? もうバレちゃってるんだし〜」
『ッけ! なンでてメえみてぇなノがこんな所に居やがル?』
輪っかさんこちらのお姉さんのこと知ってたんすか?
『こノ世界じャ知ラねえやつなンざほぼいねえヨ。なあ? 七天ノ魔王様よ』
ま、魔王っすか!? お姉さんが!?
「あらあらあらぁ〜まさか自立思考型の魔導工芸品かしら〜? かの音に聞く知恵の王冠のような〜。すごいわ〜私初めてよ〜ここまではっきり意思を感じられる魔導工芸品をみるの〜」
なんかお姉さん興奮してるみたいで自分の疑問ガンスルーされたっす……。
『ええい! 近付いてくンな! つーか質問に答えヤがレ、なンでてメえみてえなバケモンがこんナ所にいやがル!』
「化物なんてひどいわ〜お姉さん傷ついちゃう〜くすん」
そうっすよ輪っかさん、お姉さんは確かにこめかみあたりに立派な角が生えてるっすけど、化物っていうほど怖くはないっすよ?
『だから、魔王だッつってンだロが! てメえや小猿、それにオレ様が束にナったとこロで秒すラ持たずに消さレんぞ』
マジっすか……
『大マジだ。だかラ早く逃げろっつッただロうが。のンびリ茶なンぞしバきやがって、シかもオレ様ノことまでバラすとかこノド畜生めが! 隠蔽してバレねえヨうに黙ってたノが水の泡だ』
ああ、だから小屋に入ってから輪っかさん静かだったんすね。
「うふふふ〜仲がいいのね〜? 楽しそうだわ〜私もまぜてくださいな〜」
お姉さんがこちらに身を乗り出してきたっす。ものすごい質量のお胸が眼前に迫ってくる図はさながら交通事故を思い出すっすね。
ちょっと怖かったっす。
「あらあら〜ごめんなさいね〜ついつい興奮しちゃったわ〜」
少し恥ずかしそうにお姉さんはもとの位置に戻っていったっす。
ちなみに小さいお方はしばらく前から、お茶請けを食べてお腹いっぱいになったみたいで幸せそうに寝てるっす。テーブルの上で。
この小屋お姉さんサイズなので自分たちからするととても大きいんすよね。
『ンで、話を戻すが何でこンな所にいンだヨ、こレで三回目だぞいい加減答えやがレ』
サイズ感の違いとかを考えていたら輪っかさんがお姉さんに話しかけたっす。
「いいところじゃない〜ここ? 自然がいっぱいで〜可愛い動物もいっぱいで〜きれいなお花も咲くし〜食べ物も困らないし〜」
『てメえが治めてル国ハどうしたって聞いてンだが?』
「う、う〜ん〜、国〜国ね〜? ……盗られちゃった〜てへ」
は?『は?』
珍しく輪っかさんとシンクロしたっす。
[SYSTEM:シンクロ率の上昇を確認しました。シンクロ率17%から24%に上昇。深層意識の共有が可能。デフォルトで有効化状態に設定されています。不要な場合は設定を変更して下さい。]




