輪っかさんがキレたっす
食事風景がグロいかもしれません。
うう、デカいっす怖いっすグロいっす!
売り言葉に買い言葉でジャイアントゴリラの前まで来たっすけど、なんかもう純粋にデカいってだけで怖いっす…! なんで目見開いたままお亡くなりになってるんすか!? 急に動いたりしないっすよね? ね?
『うるせえナぁ、てメえヤルッつったんだかラさっさとヤレや?』
ううう! やってやるっすよ!
横になってる顔が自分の身長の倍くらいあるっす……。
身体なんて大きすぎて小さな丘くらいありそうっす。
……道具も無しにどうやって食べれば良いんすか? こんなの解体も出来ないっすし、毛皮が分厚すぎてかじっても肉まで歯が届かないっす。
『ぁあン? なら毛皮ノねえ部分を喰えバ良いだロうが』
毛皮の無い部分って……いや! あそこは無理っすよ!?
全身毛皮で覆われているジャイアントゴリラっすけど、唯一完全に毛が生えていない場所があるっす。
輪っかさんは十中八九そこのことを言っているんすけど、本当に待って欲しいっす! 勘弁してくださいっす! マジ無理っす!
『なンだよ? チョッと目玉ほじくッて喰うだけだロ?』
ぎゃぁあああっす!! やっぱり目玉っすよね! さっきから虚空を見据えて開きっぱなしの、あの目のことっすよね!? 無理っす! スプラッター過ぎるっす! グロじゃなくてゴアっす!
『てメえが他に喰えル場所なンざ今ハねえンだかラ、大人しく喰ッとけヤこノ猿畜生が! あレハ嫌こレは嫌でなンでも解決すルと思ってンじゃねえぞ! 力がねえ奴ハ死ぬしかねえンだよ! てメえも! そこノ小猿も! こノ世界で生きていくのナら力が必要なンだ! 弱肉強食ッてだけじゃねえ、強者であロうと今見ていよルうに強者同士ノ争いで命を落とす事もあル。弱者が強者を喰ラう機会なンざ普通ハねえんだヨ! こうシていル今もそこのデカブツから魔素が抜け続けてンだよ! 千載一遇のチャンスをぐだぐだ言い訳して無駄にしてンじゃねえよ!! サッさと喰え!!』
はいっす!!
輪っかさんめっちゃ怖いっす! なんかマジギレって奴っすかね!? でも、言われたことは間違いないっす。
自分は小さいお方を守りたいと思いながらも、己の身可愛さに嫌悪感を払拭できていなかったっす。
やれば良かったって後悔するような生き方はしたくないっす! それが小さいお方に関わるのならば余計に。
というわけで、南無三!!!
ズブリと自分の両腕がジャイアントゴリラの眼孔に入っていくっす。ヌルリとしていて、ほんのり押し返す眼球の感触に背筋がぞわぞわするっすけど、手は止めず眼球の裏まで腕を伸ばすっす。
ほとんど抱きつくような形で目玉を抱えた自分はそのまま後ろへ体重をかけて目玉を引っこ抜いたっす。
ヌチョコポって感じの音がして、目玉が出てきたっす……視神経と共に。
グッロ! いや見ないように考えないようにってしてたっすけどこれきっつく無いっすかね!?
ああもう、ここまで来たらさっさと食べるっす!
頂きますっす!
ブチュリとした感触が歯に伝わり、口の中に目玉の汁が流れ込んできたっす。
一瞬動きが止まったっすけど、目を瞑って顎に力をいれて噛み千切るっす。
口の中にある目玉の一部は、もっちゅもっちゅしてて中々噛みきれないっすけど、味自体はそんなに悪くない気がするっす。
ほんのり甘いと言うか、噛めば噛むほど味が出ると言うか……?
そんなことを思いながら、無理矢理飲み込んで次の一口。
それが終わればまた次へとやっていき何とか食べきったっす。
『キヒャヒャヒャヒャ!! 何だヨ担い手様ヨぉ! やレば出来ルじゃねえかッ! キヒャヒャヒャ!』
輪っかさんがこの上なくご機嫌っす……。
でも自分の気分は最悪っす……うっぷ吐きそう。
『そリャ一抱えもあル目玉を全部喰えばそうなルだろうヨ。一口齧ルだけで良かッたノにな』
そんなこと考えてる余裕なかったっす!
あと食べてる途中の目玉とか絶対見たくなかったっす!
『こレだかラ野生の足リねえ畜生は……小猿ノ方が余程肝が据わッてやがル』
小さいお方? ってあああ!!! 小さいお方がジャイアントゴリラの目玉ほじくって食べてるっすー!?
駄目っす! 小さいお方ー!!! そんなグロい映像流しちゃ駄目っすよ!
「チッチィ!」
小さいお方がめっちゃ良い笑顔っす。
可愛いんすけど……いろんな液体でぐちゃくちょっす。




