第42話 親子、無事に再会する
森。
毛玉は迷うことなく飛んでいた。
「ピィー!」
◇ ◇ ◇
「ちゃんと道が分かるのねぇ♡」
レンちゃんが感心する。
◇ ◇ ◇
巨大うさぎも嬉しそうに後を追う。
「きゅう!」
◇ ◇ ◇
「本当にこっちなのか?」
ガイルが辺りを見回す。
◇ ◇ ◇
「もう近い」
ルミナが静かに答えた。
◇ ◇ ◇
その時。
草むらの奥から、小さな鳴き声が聞こえた。
◇ ◇ ◇
「きゅ?」
「きゅう?」
◇ ◇ ◇
巨大うさぎの耳がぴくりと動く。
◇ ◇ ◇
「きゅうーーー!!」
◇ ◇ ◇
勢いよく駆け出した。
ズシン!
ズシン!
ズシン!
◇ ◇ ◇
「待ちなさぁい♡」
レンちゃん達も後を追う。
◇ ◇ ◇
木々を抜けた先。
小さな広場に、三匹の子うさぎがいた。
◇ ◇ ◇
「きゅう!」
「きゅ!」
「きゅぅ!」
◇ ◇ ◇
親うさぎを見るなり、一斉に飛びつく。
◇ ◇ ◇
親うさぎも優しく鼻を寄せた。
「きゅう……」
◇ ◇ ◇
「よかったですわ!」
エリーが嬉しそうに手を合わせる。
◇ ◇ ◇
「ちゃんと会えた」
ニアも小さく微笑んだ。
◇ ◇ ◇
「依頼完了だな」
ガイルも安心したように頷く。
◇ ◇ ◇
レイモンドは深く息を吐く。
「今回は本当に平和な依頼でしたね……」
◇ ◇ ◇
その時。
グゥ~~。
◇ ◇ ◇
妙に大きなお腹の音が響いた。
◇ ◇ ◇
「……え?」
レイモンドが振り向く。
◇ ◇ ◇
音の主は。
親うさぎだった。
◇ ◇ ◇
「きゅぅ……」
照れくさそうに耳を倒す。
◇ ◇ ◇
「あらぁ♡」
レンちゃんが笑う。
「お腹空いちゃったのねぇ♡」
◇ ◇ ◇
すると。
子うさぎ達まで。
◇ ◇ ◇
「きゅ~……」
「きゅぅ……」
「きゅっ……」
◇ ◇ ◇
お腹を鳴らし始めた。
◇ ◇ ◇
「みんな空腹みたいですわ」
エリーが苦笑する。
◇ ◇ ◇
「森の実が少ない」
ルミナが辺りを見回す。
「この辺、最近あまり実ってない」
◇ ◇ ◇
「だから王宮まで来てたのか」
ニアが納得した。
◇ ◇ ◇
「野菜を食べた理由も分かったな」
ガイルが腕を組む。
◇ ◇ ◇
「悪気はなかったんですね」
レイモンドも少し安心する。
◇ ◇ ◇
レンちゃんは少し考える。
そして、にっこり笑った。
「じゃあ♡」
「今日はみんなで、ご飯探しを手伝いましょう♡」
◇ ◇ ◇
「えっ」
レイモンドが固まる。
◇ ◇ ◇
「今日中に帰れると思ったんですけど」
◇ ◇ ◇
「依頼は最後まで♡」
◇ ◇ ◇
ガイルは頷いた。
「食べ物集めなら任せろ」
◇ ◇ ◇
「木の実を探す」
ニアも森へ入っていく。
◇ ◇ ◇
エリーは子うさぎ達を優しく撫でた。
「少し待っていてくださいね」
◇ ◇ ◇
毛玉も元気よく飛び立つ。
「ピィー!」
◇ ◇ ◇
レイモンドだけが空を見上げて呟いた。
「……この依頼、本当に今日終わります?」




