第41話 巨大うさぎ、おうちへ帰ろう
「……というわけで」
国王が巨大うさぎを見る。
「森へ帰してやってほしい」
◇ ◇ ◇
「帰りたくないの?」
エリーがしゃがみ込み、巨大うさぎに尋ねる。
◇ ◇ ◇
「きゅう……」
巨大うさぎは耳を垂らした。
◇ ◇ ◇
「帰りたくないというより……」
ルミナが目を閉じる。
「帰れないみたい」
◇ ◇ ◇
「え?」
レイモンドが聞き返した。
◇ ◇ ◇
「子ども達のいる場所が分からなくなってる」
◇ ◇ ◇
エリーの表情が曇る。
「迷子になってしまったんですの?」
◇ ◇ ◇
巨大うさぎは小さく頷いた。
「きゅぅ……」
◇ ◇ ◇
「あらまぁ♡」
レンちゃんが苦笑する。
「だから王都まで来ちゃったのねぇ♡」
◇ ◇ ◇
「人に助けを求めたってことか」
ガイルが腕を組む。
◇ ◇ ◇
「賢いうさぎ」
ニアも感心したように呟いた。
◇ ◇ ◇
レイモンドはほっと息を吐く。
「じゃあ森まで送れば解決ですね」
◇ ◇ ◇
その瞬間。
巨大うさぎは首を横に振った。
「きゅう!」
◇ ◇ ◇
「違うの?」
エリーが首を傾げる。
◇ ◇ ◇
ルミナが静かに答えた。
「森、広すぎる」
◇ ◇ ◇
「……ですよね」
レイモンドは現実を思い出した。
◇ ◇ ◇
「適当に帰しても、また迷子になるだけ」
◇ ◇ ◇
レンちゃんが笑う。
「じゃあ♡」
「子ども達を探しに行きましょうかぁ♡」
◇ ◇ ◇
「また森ですか」
レイモンドが肩を落とす。
◇ ◇ ◇
「依頼だもの♡」
◇ ◇ ◇
「最近、依頼の規模がおかしくありません?」
◇ ◇ ◇
「気のせいよぉ♡」
◇ ◇ ◇
誰も否定しなかった。
◇ ◇ ◇
その時だった。
ピィ!
◇ ◇ ◇
毛玉が巨大うさぎの頭から飛び立つ。
空中をぐるぐる飛び回ると、森の方角を向いて鳴いた。
◇ ◇ ◇
「ピィ! ピィ!」
◇ ◇ ◇
巨大うさぎが勢いよく顔を上げる。
「きゅう!」
◇ ◇ ◇
ルミナが目を細めた。
「……見つけた」
◇ ◇ ◇
「何をですか?」
レイモンドが尋ねる。
◇ ◇ ◇
「子うさぎ達」
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「えっ!?」
◇ ◇ ◇
「そんなことまで分かるんですの?」
エリーが驚く。
◇ ◇ ◇
ルミナは毛玉を見た。
「私じゃない」
「毛玉」
◇ ◇ ◇
全員の視線が毛玉へ集まる。
◇ ◇ ◇
「ピィ♪」
◇ ◇ ◇
どこか誇らしげだった。
◇ ◇ ◇
「あらぁ♡」
レンちゃんが笑う。
「じゃあ今日は毛玉が案内役ねぇ♡」
◇ ◇ ◇
毛玉は元気よく森へ飛んでいく。
巨大うさぎもその後を追いかけた。
◇ ◇ ◇
「待ってくださぁい!」
エリーが走る。
◇ ◇ ◇
「レン殿、急ぐぞ」
ガイルも続く。
◇ ◇ ◇
「置いていかないでください!」
レイモンドは最後尾を必死に走った。
◇ ◇ ◇
こうして一行は再び、巨大うさぎ親子の待つ森へ向かうのだった。




