第33話 歓迎会、実質監禁だった
ドン。
ドン。
ドドドドドン。
◇ ◇ ◇
巨大なキノコの壁が。
森をぐるりと囲んでいく。
◇ ◇ ◇
「……」
「……」
「……」
◇ ◇ ◇
レイモンドは現実逃避を試みた。
失敗した。
◇ ◇ ◇
「今、壁できましたよね?」
◇ ◇ ◇
「できたわねぇ♡」
レンちゃんは焼いた肉を食べていた。
◇ ◇ ◇
「大変ですよね!?」
◇ ◇ ◇
「そうかしら♡」
◇ ◇ ◇
そうだった。
この人に危機感というものは存在しない。
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エリーが青い顔になる。
「わ、私達……閉じ込められましたの?」
◇ ◇ ◇
ガイルの頭が光った。
ピカッ。
◇ ◇ ◇
「いや」
◇ ◇ ◇
全員がガイルを見る。
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「歓迎会が終わるまで帰さないだけだ」
◇ ◇ ◇
「それを閉じ込められたって言うんですよ!!」
レイモンドのツッコミが森に響いた。
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巨大亀が申し訳なさそうに首を引っ込める。
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「悪気はないらしい」
ガイルが通訳する。
◇ ◇ ◇
「悪気がないのが一番怖いんです!」
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その時。
巨大ニワトリが前に出た。
◇ ◇ ◇
「コケェェェェ!!」
◇ ◇ ◇
ガイルのキノコがまた光る。
◇ ◇ ◇
「第二部を始めるらしい」
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「第二部?」
エリーが首を傾げる。
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巨大熊。
巨大猪。
巨大モグラ。
巨大キノコ樹。
全員が中央に集まる。
◇ ◇ ◇
「……嫌な予感しかしません」
レイモンドが後退した。
◇ ◇ ◇
巨大ニワトリが翼を広げる。
◇ ◇ ◇
「コケェェェ!!」
◇ ◇ ◇
ガイルが通訳する。
◇ ◇ ◇
「『第一回! レン殿最強決定戦!』」
◇ ◇ ◇
沈黙。
◇ ◇ ◇
「は?」
◇ ◇ ◇
「何それぇ♡」
レンちゃんだけが嬉しそうだった。
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ガイルは続ける。
◇ ◇ ◇
「『挑戦者は森の代表者たち!』」
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巨大熊が前に出る。
◇ ◇ ◇
「グルォォ!!」
◇ ◇ ◇
巨大猪も出る。
◇ ◇ ◇
「ブォォォ!!」
◇ ◇ ◇
巨大亀まで出てきた。
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「待ってください!」
レイモンドが叫ぶ。
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「歓迎会じゃなかったんですか!?」
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「歓迎会らしい」
ガイルは真顔だった。
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「どこの文化ですか!!」
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ルミナが小さく呟く。
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「……森の文化かも」
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「認めないでください!」
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その時だった。
◇ ◇ ◇
「ピィ!」
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毛玉がぴょんと飛び上がる。
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全ての巨大動物が静かになった。
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毛玉は。
レンちゃんを見る。
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そして。
◇ ◇ ◇
「ピィ!」
◇ ◇ ◇
レンちゃんを指差した。
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ガイルのキノコが光る。
ピカッ。
◇ ◇ ◇
「……なるほど」
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「何て言ったんですか?」
エリーが聞く。
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ガイルは少し黙った。
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「『この人には勝てないからやめておけ』だそうだ」
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沈黙。
◇ ◇ ◇
巨大熊が頷いた。
巨大猪も頷いた。
巨大亀も頷いた。
巨大キノコ樹まで枝を揺らした。
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全員。
知っていた。
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「あらぁ♡」
レンちゃんが笑う。
◇ ◇ ◇
「分かってるじゃなぁい♡」
◇ ◇ ◇
その瞬間。
森全体が震えた。
◇ ◇ ◇
ズズズズズ……
◇ ◇ ◇
今までとは違う。
もっと。
ずっと大きい音。
◇ ◇ ◇
巨大亀の顔色が変わる。
巨大熊が震える。
巨大猪が伏せる。
毛玉まで固まった。
◇ ◇ ◇
そして。
◇ ◇ ◇
ガイルの頭のキノコが。
今までで一番強く光った。
◇ ◇ ◇
「……まずい」
◇ ◇ ◇
初めて。
ガイルが青い顔をした。




