第32話 森の歓迎会が規模を間違えている
夕方。
森の広場。
そこには。
とんでもない光景が広がっていた。
◇ ◇ ◇
「……何これ」
レイモンドが呟く。
◇ ◇ ◇
巨大猪が丸焼きを運んでいる。
巨大熊が蜂蜜の樽を抱えている。
巨大モグラが地下から大量のキノコを掘り出している。
巨大ニワトリは何故か司会席に立っていた。
◇ ◇ ◇
「コケェーッ!!」
◇ ◇ ◇
「司会までいる!?」
レイモンドが叫ぶ。
◇ ◇ ◇
「歓迎会だからな」
ガイルが頷く。
◇ ◇ ◇
「なんで分かるんですか!」
◇ ◇ ◇
ガイルの頭のキノコが光った。
ピカッ。
◇ ◇ ◇
「通訳だ」
◇ ◇ ◇
「便利になってるぅぅぅ!!」
◇ ◇ ◇
エリーは目を輝かせていた。
「すごいですわ!」
◇ ◇ ◇
「どこがですか!」
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ルミナは頭を抱えている。
「キノコ化が進んでる……」
◇ ◇ ◇
「戻りますよね?」
レイモンドが恐る恐る聞く。
◇ ◇ ◇
「……たぶん」
◇ ◇ ◇
「またたぶん!」
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その時だった。
◇ ◇ ◇
「ピィ!」
◇ ◇ ◇
毛玉が広場の中央に飛び乗った。
◇ ◇ ◇
すると。
全ての巨大動物が。
巨大亀が。
巨大キノコ樹までもが。
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ぺこり。
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頭を下げた。
◇ ◇ ◇
「……」
「……」
「……」
◇ ◇ ◇
「やっぱり偉いんじゃないですか?」
ニアが言った。
◇ ◇ ◇
「ピィ!」
◇ ◇ ◇
毛玉は否定しているようだった。
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だが。
全く説得力がなかった。
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その時。
巨大ニワトリが前に出た。
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「コケェェェ!!」
◇ ◇ ◇
ガイルの頭が光る。
ピカッ。
◇ ◇ ◇
「歓迎の挨拶らしい」
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「内容は?」
エリーが聞く。
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ガイルは真顔で答えた。
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「『偉大なる毛玉様の帰還を祝し、またレン殿の恐怖政治に敬意を表し――』」
◇ ◇ ◇
「誰が恐怖政治よぉ♡」
レンちゃんが笑った。
◇ ◇ ◇
巨大ニワトリが震えた。
◇ ◇ ◇
「本当に怖がってる!」
レイモンドが叫ぶ。
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そして。
歓迎会は始まった。
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三十分後。
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「うまい!」
ガイルが巨大肉を食べていた。
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「美味しいですわ!」
エリーも喜んでいる。
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「意外と悪くない」
ニアも食べていた。
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「何でみんな順応してるんですか……」
レイモンドだけが取り残されていた。
◇ ◇ ◇
その時。
巨大亀が近付いてきた。
◇ ◇ ◇
ズシン。
◇ ◇ ◇
ズシン。
◇ ◇ ◇
そして。
ガイルの前に止まる。
◇ ◇ ◇
「……何だ?」
◇ ◇ ◇
頭のキノコが光った。
ピカッ。
◇ ◇ ◇
「……え?」
◇ ◇ ◇
ガイルの顔色が変わる。
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「どうしたの?」
レンちゃんが聞く。
◇ ◇ ◇
ガイルは巨大亀を見た。
そして。
◇ ◇ ◇
「歓迎会は……」
◇ ◇ ◇
一拍置いた。
◇ ◇ ◇
「逃がさないためらしい」
◇ ◇ ◇
沈黙。
◇ ◇ ◇
「……は?」
レイモンドの声が裏返った。
◇ ◇ ◇
その瞬間。
森の外周で。
◇ ◇ ◇
ドン。
◇ ◇ ◇
何かが落ちる音がした。
◇ ◇ ◇
続いて。
◇ ◇ ◇
ドン。
◇ ◇ ◇
また。
◇ ◇ ◇
森の周囲を囲むように。
巨大なキノコの壁が生えていった。




