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そのオネェ、異世界でよろず屋を開業する  作者: S@Y@


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25/29

第25話 ガイル、ついに本気を出す


 ブォォォォォッ!!


 巨大猪の咆哮が森に響く。


 木々が揺れる。


 鳥達が一斉に飛び立つ。


 レイモンドも飛んで逃げたかった。


 ◇ ◇ ◇


「大きくなってませんの……?」


 エリーが青い顔で呟く。


 以前戦った巨大猪より、明らかに大きい。


 体長は十メートル近い。


 しかも全身に紫色のキノコが生えていた。


 ◇ ◇ ◇


「キノコだらけだな」


 ガイルが感心したように言う。


 ◇ ◇ ◇


「そこなんですか?」


 レイモンドはもう疲れていた。


 ◇ ◇ ◇


 巨大猪が地面を蹴る。


 ドォン!!


 土が弾け飛ぶ。


 ◇ ◇ ◇


「来ますわ!」


 エリーが叫んだ。


 ◇ ◇ ◇


 ドドドドドドドドッ!!


 巨大猪が突進する。


 森をなぎ倒しながら一直線。


 ◇ ◇ ◇


「右」


 ニアが短く告げる。


 全員が散開した。


 ◇ ◇ ◇


 巨大猪はそのまま通り過ぎる。


 後方の大木が何本も吹き飛んだ。


 ◇ ◇ ◇


「危なっ!?」


 レイモンドの顔色がさらに悪くなる。


 ◇ ◇ ◇


「前より強い」


 ニアが言う。


「キノコの影響ねぇ♡」


 レンちゃんも頷いた。


 ◇ ◇ ◇


 その時だった。


 ガイルが前へ出る。


 ◇ ◇ ◇


「よし」


 ◇ ◇ ◇


 拳を握る。


 ◇ ◇ ◇


「今度は俺がやる」


 ◇ ◇ ◇


「ガイル?」


 エリーが首を傾げた。


 ◇ ◇ ◇


 ガイルは笑う。


「ずっとレン殿に任せてばかりだからな」


 ◇ ◇ ◇


「たまには格好つけたい」


 ◇ ◇ ◇


「ガイル……」


 エリーが少し感動した。


 ◇ ◇ ◇


「でも無理そうならレン殿頼む!」


 ◇ ◇ ◇


「台無しですわ!」


 ◇ ◇ ◇


 レンちゃんが大笑いする。


「あらぁ♡ いいわよぉ♡」


 ◇ ◇ ◇


 その時。


 巨大猪が再び向きを変えた。


 ◇ ◇ ◇


 ドドドドドドドドッ!!


 ◇ ◇ ◇


 今度の標的はガイル。


 ◇ ◇ ◇


「来たな!」


 ◇ ◇ ◇


 ガイルは逃げない。


 その場で腰を落とす。


 ◇ ◇ ◇


「ガイル!」


 エリーが叫ぶ。


 ◇ ◇ ◇


 激突。


 ◇ ◇ ◇


 ――ドォォォォォン!!


 ◇ ◇ ◇


 衝撃で地面が揺れた。


 土煙が舞い上がる。


 ◇ ◇ ◇


「え……?」


 レイモンドが固まる。


 ◇ ◇ ◇


 巨大猪の牙を。


 ガイルが両手で受け止めていた。


 ◇ ◇ ◇


「止めた!?」


 ◇ ◇ ◇


「止めましたわ!?」


 ◇ ◇ ◇


 エリーも驚く。


 ◇ ◇ ◇


 巨大猪が押す。


 ガイルも押し返す。


 ◇ ◇ ◇


 地面が割れる。


 木の根が浮き上がる。


 ◇ ◇ ◇


「ぐおおおおおっ!!」


 ◇ ◇ ◇


 ガイルが吠える。


 ◇ ◇ ◇


「おぉ♡」


 レンちゃんが感心した。


 ◇ ◇ ◇


「結構やるじゃなぁい♡」


 ◇ ◇ ◇


 その言葉で。


 ガイルの顔が少し嬉しそうになる。


 ◇ ◇ ◇


「うおおおおおおっ!!」


 ◇ ◇ ◇


 次の瞬間。


 巨大猪の身体が浮いた。


 ◇ ◇ ◇


「え?」


 レイモンドが固まる。


 ◇ ◇ ◇


 そして。


 ◇ ◇ ◇


 ブンッ!!


 ◇ ◇ ◇


 巨大猪が投げ飛ばされた。


 ◇ ◇ ◇


 森の向こうへ消えていく。


 ◇ ◇ ◇


 ドゴォォォォォン!!


 遠くで爆音が響いた。


 ◇ ◇ ◇


 沈黙。


 ◇ ◇ ◇


「……」


「……」


「……」


 ◇ ◇ ◇


 レイモンドが呟く。


 ◇ ◇ ◇


「人間ですか?」


 ◇ ◇ ◇


「人間だぞ!」


 ガイルが胸を張った。


 ◇ ◇ ◇


「説得力がありません!」


 ◇ ◇ ◇


 その時だった。


 毛玉が森の奥を見て固まる。


 ◇ ◇ ◇


「ピィ……?」


 ◇ ◇ ◇


 珍しく不安そうな声。


 ◇ ◇ ◇


 ルミナが振り返る。


「どうしたの?」


 ◇ ◇ ◇


 毛玉は、巨大猪が飛んでいった方向を見ていた。


 ◇ ◇ ◇


 そして。


 ◇ ◇ ◇


 ドシン。


 ◇ ◇ ◇


 ドシン。


 ◇ ◇ ◇


 ドシン。


 ◇ ◇ ◇


 地面が揺れる。


 ◇ ◇ ◇


「……また?」


 レイモンドの声が震える。


 ◇ ◇ ◇


 森の向こうから現れたのは――


 巨大猪。


 巨大熊。


 巨大モグラ。


 巨大ニワトリ。


 ◇ ◇ ◇


 全員集合だった。


 ◇ ◇ ◇


「なんで増えるんですかぁぁぁ!!」


 レイモンドの悲鳴が森に響いた。



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