神器がいっぱい
僕は、まるでヒーローの変身する姿を見ていたような気分を味わっていた。
一瞬で寝間着がなくなったかと思ったら、次の瞬間には今の姿、だもん。
そして仕上げとばかりに、髪飾りをつけてくれたのもフテミミ様だ。
「この髪飾りを身に着けていれば、あんな不細工なお面なんか必要ないのよ」
不細工なお面って、VRゴーグルの事を言っているんだと思うんだけど、あれが無いとポコ君と話が出来なくない?
「んふふふふ~ そう思う?」
彼女はオオヌイ様たちと同じ衣服の神様だけど、ライバル関係にあるらしい。
で、オオヌイ様たちが僕のスキンスーツを──それも糸から仕立て直している間に、色々なギミックを作り上げたそうだ。
「この下着は、どれだけ洗濯をしても、よれたり型崩れしないわよ」
「余分に作ったのです。箪笥に仕舞っておいたから、一緒に持っていくです」
あ、スクナヒコナ様もいたんだ。箪笥を指さしてニコニコ笑ってる。
「そなたの下着にな、アイテムバッグが付いているゆえ運ぶのに苦労はすまい」
「ええと…… アイテムバッグ、ですか?」「では、息災での」
あ~あ、言うだけ言ったらどこかに行っちゃった。
いわば産業を司る神様だから、何かと忙しいんだろう。
それらを感慨深そうに眺めているのはリーマ様だけど……
「箪笥に鏡台、そして長持だけど、こっちは二棹にまとめさせたからね。坊やのために、皆が頑張ったんだよ」
神様たちがくれたアイテムは主に生活用品──箪笥と鏡台と長持に入った大量の衣服や食糧その他──だけど、このコンセプトって、嫁入り……
「違うのかい?」「だって僕は…」「「「「美少女です(にゃ)!」」」」
しくしく… みんなが僕を女の子扱いするよぅ。
「だって、おにいが貰ったのって嫁入り道具だし」「……言わないでくれ」
考えても仕方がないか。オオヌイ様の作った四次元ポ… アイテムバッグがあれば、運ぶのには何の問題もない。
考えてみれば、ラノベに出てくるような究極アイテムだよね、これ。
なんでも不思議ぱんつのテクノロジーの応用だってさ。
それって…… 大丈夫? そぉですか。
「高次空間に作った倉庫なの。中にあるものは、念じるだけで取り出せるわよ」
高次空間に作られた完全自動の倉庫ってわけね。
容量無制限とか時間停止空間なんて話を聞くと、青狸のポケットよりも数段優れているような気がする。
でも仕方ないかな。青狸のは人間が作ったけど、これは神器だ。
違っていて当然だと思うんだ。ちなみにポコ君もそこに収納済みだ。
「いいこと、冬夜くん。美少女は着飾ってなんぼなの!」
「あのぅ、僕は普通の男の子でs「その身体で言う?」……ごめんなさい」
「よろしい」
しくしくしくしく……
フテミミ様の言葉は、どうやら神様の総意と捉えてもいいかも。
最初にリーマ様が妹より優秀な姉になりなさい! とか言うから……
いや、イミューンのせいかな。ここに来た10日でなんだか成長しているような気もするけど。
「おにい、気になるならぁ、測ってみればぁ?」
美月が嫌そうな顔をしながら、メジャーを片手に近づいてきた。
で、体に巻き付けると……
ギリギリギリギリ……
「いでぇええ! 締まるっ、締めすぎだぁ!」「縮め、縮んでしまえぇええ!」
「サーリア様、優しく測らないとダメなのです」「……ちっ」
「めっ!なのです」「おぶぅっ!?」
フテミミ様が美月──サーリアのおでこを軽く小突いただけなんだが。
美月も大げさだなぁ、頭を抱えてうずくまるなんて。
いや、本当に指先で、つん、って感じだったんだよ。
箪笥とかの材料ですが、木材部分はすべて桐で出来ています。
いわゆる総桐箪笥というヤツ。でも、これらは中身も含めて、ぜ-んぶ神様がこしらえたものですから神器… でいいかも知れない。




