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百のスミレと千のユリ  作者: 水瀬 悠希
誰かが何処かで間違えた
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ここはどこ?

番外編(登場人物のまとめ的なもの)を18時に投稿します。

本編とは関係がありませんが、裏設定とかネタバレがあるかも。

みなさまよろしく。

 ここはどこ、私はだぁれ?

 ……なぁんて前世紀のギャグを飛ばしている場合じゃない!


 僕は泉水 冬夜(いずみ とうや)。ぴちぴちの16歳で、男の子だよ。

 そうは見えない? まあ、そんな事はどうでもいいじゃないか。

 そして、だな。ここがどこなのか、マジで分かんないんだ。


 おいおい、笑わないでくれよ。

 今の僕は本気で困っているんだからね。

 何を言ってるか分からない? 初めから話せって?

 わかった、わかった。


 何から話せばいいかな…… うん、そうだね。そうだ……

 それは、昨夜の──彩根井寺(さいねいじ)にきて10日目の晩の事だ。


 それは僕がスサノヲ様とタヂカラヲ様の特訓──という名の鬼ごっこと、体力が切れたらお風呂に放り込まれて、無理やり回復の繰り返し──とか。

 牛に乗った爺様をはじめとする鬼のような教師陣の詰め込み教育でSAN値をガリガリ削られて。

 耳から煙が出そうになると、お風呂で回復させられて、また勉強……


 いつも通りに、そういうのを終えて晩ご飯を食べている時の事だった。

 リーマ様が、こう言ったんだ……


「そろそろ、坊やがこの寺を出ても大丈夫さね。呪いを封印できたからね」

「例の、起爆装置というヤツ…… ですか?」


 僕の魂魄には呪いがかけられている。今となっては過去形でもいいか。

 いや、現在形…… ああっ! もうどうでもいい。

 かけられた呪いは、負の感情とか、それに絡められるようについてくるマイナスエネルギーを積極的に吸い込むようになっている。


「でもマイナスエネルギーは満タン近くまで吸い込んでいますよね」

「そっちは対策しておいたから大丈夫さね…… たぶん、ね」


 にっこりと笑っているリーマ様。たぶんって何なんですかぁ。

 それより、エネルギーを抜きと…… 下手に放出すると世界のバランスが崩れるから、しばらく持っていろって、そんなぁ……


「大丈夫よぉ、私が一緒にいくから心配しなくてもいいのよぉ」

「私もついて行ってあげるからね」


 フェイリアとラーリィて…… 神界の外に出たら拙くないの?

 リーマ様が出たら世界のバランスが崩れて、世界中で戦争が起きるって。

 それなのに、なんで?


「うふふふ~ 私たちって、けっこう上位の神様なのよねぇ」

「マジデスカ?」


 アマテラス様たちの振る舞いから、彼女たちはリーマ様クラスの──上位の神様だって事は分かってる。見た目がそっくりなのは、双子だからだとか。

 色違いなのは……知らん。神様の事情なんか知りたいなんて思わん。

 だけど、上位の神様とマイナスエネルギーがどう関わってくるんだろ。


「ふっふっふー、それは私たちが福の神でもあるから、なのよぉ」

「冬夜くん、驚いたでしょ~。どこかのお寺に記録が残っているわよぉ」


 フェイリアとラーリィは七福神とは別の意味での福の神だって言ってるけど。

 少なくとも記録に残るような奇跡を起こしているって… そんな福の神なら、人間社会での暮らし方も知ってるってわけか。


「そういうコト。おにいに悪しきモノが近づいても神気で弾き飛ばせるカモ」

「私の放つ神気の前には、どんな悪霊だって消滅してしまうのよねぇ」

「そして、私もフェイリア姉さまと同じで、そういうモノには特に敏感なの」


 うん、こうして見ると3人は姉妹だね。美月──サーリアだけ、見かけが違うような気がするけど、それは僕と同じ… いや、中学生のような年恰好をしているからだ。

 これに比べると、フェイリアとラーリィは大学生──オトナののお姉さんか。


「冬夜くん?」「まあまあ、姉さま。こればかりは仕方がないでしょ」

「そうねぇ……」

「「私たちが美しすぎるのがいけないのよねぇ……」」


 やっぱり姉妹だよ。こういう時のやる事なす事、完璧にシンクロしてるもん。

 イザナミ様が言ってたけど、フェイリアはすんごく頑張っていたらしい。

 もしもフェイリアが──誰もが極端な不幸(逆に極端に幸運)にならないように頑張っていなかったら、そして幸運量保存の法則が無かったら。


 僕が吸い込んだエネルギーはとっくの昔に満タンになっていて…… 


 どっかーん!


 溜まったエネルギーが限界を超えて爆発したら。太陽系が大ダメージを受ける。

 運が良くても太陽系は時空間ごと半壊するレベルの超爆弾だ。

 それが僕の中に眠っている。


 でもいったい誰が、何のために……

七福神だけが幸運をもたらす神ではないのです。

人間と接触して『我を崇めよ~ さすれば福を授けようぞ~』的な神託を下して、それを守った人間が裕福に… という記録があります。

たしか、どこかのお寺の縁起書だった… はず!

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