邪神きたりて大暴れ?
ん… むむむ…… ココハドコ、アナタハダアレ?
プールの底から浮かび上がるように、意識が目覚め始める。
どうやら僕は布団の中に寝かされているみたい…… だぁあああっ!?
「おはよ、おにい。目が覚めたぁ?」「んのわぁあああっ!」
半分がた夢の中にいた僕は、一瞬で現実に戻ってきたよ。
美月の声に目を開けた僕の視界を占めていたのは、美月のドアップだもん。
あわてて後ろに下がろうとしたら……
ぼよん。
「あんっ… おはよう、冬夜くん」「ふぎゃらぁああ!?」「うにゃぎゃ!」
慌てて布団から飛び出した僕は、空中でキャッチ… 今度は友里さんか!
でも、スサノヲ様とタヂカラヲ様の特訓は伊達じゃない! 友里さんが飛びついてきたけど、空中で振り払った反動で部屋の隅で無事に着陸。
「……なんなんだよぅ」
けり上げた掛け布団が床に落ちる、ばさりという音を聞いて、やっと落ち着いてきた。ここまで一瞬… か。
ふっ、特訓は無駄じゃなかったな。
「ひっどー! それがぁ、おにいに添い寝をしたげた優しい妹への仕打ちぃ?」
「そうにゃそうにゃ。今朝の冬夜くんは金魚にも劣るにゃ」
「き、金魚って……」
たしかに金魚の集中力は人間の比じゃないと言うけどさぁ。所詮は魚だよ?
人間と比べるのはどうかと思うんだけど。
「落ち着いて、冬夜くん。所詮は猫なのよ」「ひぐぅうぅっ!」
さっき背中に当たった感触は褐色肌のお姉さん… だけど。
昨夜は気のせいかと思っていたんだけど、朝日の中でみる姿は……
「じゃ… しん?」
どう見ても幽冥という世界で出会った邪神にそっくりだ。髪や肌の色は全然違うけど、まさか邪神の色違いとか?
「失礼ねぇ、私はラーリィ。良い神様なのよぉ」「……マジか?」
「おにい、本当の事だかんね!」
でも、あそこで邪… 神様と話をしたよ。人を救うと言いながら、結局は何もせずにほったらかし。幸運に恵まれた人には微笑みを、ってね!
このまま邪神と一緒にいたら、決して碌な事にならないと思ったんだ。
だから僕は輪廻の輪に飛び込もうとした。
そうしたら、あの邪神に絞め殺されそうになったんだ。
死んだ後に臨死体験をしたのは、僕だけだろうね。
「で、次に気が付いたら首から下が動かなくなって寝たきりになっててなぁ」
かなり大雑把だけど、間違ったことは言ってない。
まさかサーリア… が美月に化けていたとは知らなかったけど、これも監視か何かのつもりなのかな。
もしくは、こういう事なのかなぁ……
「僕はオモチャd「違うってばぁ!」「冬夜くん、話を聞いて!」」
うおっ!?
ラーリィと美月が、一瞬で距離を詰めてきた。
しまった、部屋の角に追い詰められているから逃げようがない。こうなったらジャンプして天井… だめか。友里さんが天井に張り付いてる。
「冬夜くんをこの世界に飛ばしたのは私だけど、悪気は無かったのよぉ」
「偶然とか、他にも色々あるけど、あーしもおねえも無実だし!」
うっ…… 目に涙を浮かべ、胸ぐらをつかんで力説されても……
だーかーらー!
2人して泣くなぁ! 鼻水すりつけるんじゃなぁい。
このパジャマ、僕の力作なんだからねっ!
……という事があって。
それから色々と僕の魂魄についての説明が…… うん、リーマ様が補足説明をしてくれたお陰で、全体像はつかめたかな。
ぶっちゃけると、僕は惑星が破壊出来るくらいの…… 時限爆弾らしい。
不幸やら災難を繰り返すたびに負のエネルギーが溜まっていく。今でもエネルギー充填率は100パーセント近くまでいっている。
つまり、いつ爆発しても不思議はない状態なんだけど……
「それに関してはラーリィに感謝する事だね。なにせあの子が『起爆装置』を止めたんだからねぇ」
「はあ……」
さすがにこれは神様たちの中でも最高機密の扱いだそうだ。
だから、イザナミ様たちも知らない……
冬夜くんは爆弾小僧…… けけけけけ。
冬:なりたくて爆弾になった訳じゃないのに……
私:そりゃそうだ。
冬:誰が僕をそんなにしたんだろう……
私:誰だろうねぇ。
冬:犯人 ……知ってるんだろ、
私:知らないなあ。




