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百のスミレと千のユリ  作者: 水瀬 悠希
愛とジェラシーのハリケーン
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続続・神様がぞくぞく

 衣食足りて礼節を知るという言葉がある。

 今でこそ世界中で使われているフレーズだけど、元はと言えば古代赤色帝国のことわざだそうだ。この言葉は、まさに真理だと思うよ。

 そこて、だね。僕からのクエスチョンだ。


 この世で一番おいしいものは何でしょう?


 それは米だ。塩だって? 違うよ。

 お坊さんの言う事を、丸々信じちゃってるの? それはそれだけどねぇ。

 僕は、断言する! 炊き立てのほかほか御飯以上の食べ物は無いんだよ。


「たしかにねぇ。おにい、昨日はすんごく食べてたもん」

「美月、何を言ってるんだ。炊き立てのご飯ほど美味しいものがあるのか?」

「うふふ、この子もヒノモトの民だねぇ」


 ほら、イザナミ様は僕の考えに賛同してくれたよ。どうだ! 神様公認だ。

 洋餅はお手軽だけど、中身はスカスカだし腹持ちもよくないだろ。特に最近のものは駄目だ。昔のものなら、ずっしりと食べ応えもあったんだけどね。

 だいいち材料の小麦は輸入に頼ってるし、その量も減っているからね。


 材料をケチって、スカスカなモノを作っておいて、値段は去年の5割増しだろ。

 でも米は自給率100パーセント超え。卵と並ぶ価格の優等生なんだよ。

 去年は米を投機的な買い占めをした馬鹿な外国人がいたけど、そんなのは備蓄米を使えば、簡単に駆除できるチンケな害虫に過ぎなかったしね。


「うふふ、それ、ウカノミタマが聞いたら、きっと喜ぶわぁ。今度、彼が作ったお米を持ってきてあげるから、たっぷり食べてね」


 う…… また神様だ。

 ごめんなさい、すみません。もうお腹いっぱいです。

 今の僕は『食』は十二分に足りていると思うんです。

 それにしても分からないなあ。神様たちって、僕のどこが気にったんだろ。


 目の前の、出てきてしまった神様は仕方がないとして、オオヌイ様やコヌイ様は食べ物関係の神様じゃなさそうだ。いったい何の神様だろ……


「イザナミ様、そろそろ私たちも仕事を始めたいのですが」

「そうだね姉さま。目の前に極上の素材があるのに、おあずけなんて」

「わたくし、もう欲求を押さえきれませんことよおぉおお!」


 うわあああ! おがーぢゃーん、

 2柱の神様が、両手をワキワキさせながら、じわりじわりと近づいてきたよぅ。

 それに、逝っちゃった目をしてるんだよぉおお……


「あなた。よくも私たちの前で粗末な着物を着て、平気な顔が出来ますね」

「そんなの許されるはずが、ないのよぉお!」


 がしっ。


 僕やポコ君が反応するよりも早く飛びかかってきた神様'Sの手で、あっという間に服をはぎ取られてしまった。

 刹那の早業(せつなのはやわざ)とは、まさにこの事だ。


 神様、神様、せめて、ソックスだけは!

 お慈悲を… お慈悲をぉをおおぉぉ……


「駄目でございます」「そうじゃないと採寸できないでしょ?」


 ……えっ?


「うふ… この子たちは衣縫(きぬぬい)の神なの。観念しなさいあひゃあ?」

「あ・ん・た・と・い・う・や・つ・わぁ!」「ぴいぃ!」


 イザナミ様さまぁ! そう言いながら参戦しようとしな… あ、リーマ様に取り押さえられて、大きな麻袋に押し込まれちゃったか。それを埴輪がどこかから持ってきたしめ縄でがんじがらめにして… うん。あいつらはデキる奴だ。


 そうこうしている間に……


「この子、イイ身体をしているじゃない」「そうね、これはなかなか」


 身体のあちこちにメジャーを当てて、採寸を始めていた。それも、かなり念入りにじっくりと。測らなくてもいいんじゃないかってトコまで。

 ああん、もうお婿に行けないよぅ……


「にひひひ~ おにい、よかったねぇ」


 よくないよっ!

 あお向けにされた僕の両手を押さえている美月が、嬉しそうな顔をして話しかけてきた。ちなみに右足は友里さん、左足はポコ君がががが……


「イザナミ様の言う通り、人間とは思えません」「スリコギとは言い得て妙?」


 そんなの、いいじゃないかよぅ。だぁあって、僕は男の子だよ?

 ついてなかったら、おかしいじゃないかぁ。

 芹沢博士と言い、神様と言い…… なんでコレにこだわるのさ。

 別に僕のじゃなくても… ぁうん……


「ヒノモトの民は、こんなケダモノじみた大… あら、私としたことが…」


 オオヌイ様、なに握ってるんだよ。今さら取り繕ったって駄目だって。

 まったくもう、採寸を終わっているのに身体を……


 ボク、泣いちゃうからねっ!

オオヌイ様とオヌイ様は衣縫大神(きぬぬいのおおかみ)として、崇められています。

ぶっちゃけ、裁縫とかの服を作る関係の技能神という事になります。

とくに! コスプレしたい人とかは、この神様を崇め奉りませう。

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