ハーブティーの作り方
大樹に戻った後も話は続いた
リーフは大樹での暮らしに興味があるらしく
色々、事細かに聞いてきた
朝起きてからの日課を説明すると
質問を交えながらも
ほとんど納得がいっている様子だった
ただ、リーフもお風呂は知らなかった
見せた方が早いという事で
浴室に連れていく
僕同様、ドーラが手招きして
お湯に触れさせていた
「此処がお風呂じゃ
毎日此処で身体を洗っているのじゃ」
「はぁ~…気持ちいいですね~
お湯で身体を拭けるなんて贅沢です」
「身体を簡単に流したら浸かるんじゃ」
「えっ!これに入っていいんですか?」
信じられないというように
リーフはお風呂をじっと見つめていた
リーフをに風呂を勧めて残してきた
かなり遠慮していたけど
やっぱり気になったらしく、最後には頷いた
その間、ドーラと食事の準備に取り掛かる
「なんだか賑やかたね」
「主が来てからずっと楽しい事ばっかりじゃ」
その言葉をドーラは嬉しそうに言った
なら僕が来る前はどうだったのか
誰とも会話せず、森で一人ぼっち
ドーラはずっと寂しかったのだろうか
勝手に想像しただけで胸が締め付けられ、
自然に身体が動き、ドーラを抱き締めた
「…くふふ…急にどうしたのじゃ?
今はパンを焼いているから焦げてしまうのじゃ」
「そうだね、ごめん」
「…謝らなくてよいのじゃ…
…またパンが焼けたら続きをして欲しいのじゃ…」
僕が急に抱き締めた理由は
当然、わからないのだろうけど
ドーラも満更ではない様子だ
リーフがお風呂から戻ってきた
かなり満喫したようで身体から湯気が出ている
ただ、お湯に浸かり過ぎたのか
顔が赤くて足取りも少し怪しい
「お風呂、ありがとうございました~
お湯に浸かるのって気持ちいですね~」
ドーラが冷たい水を汲み、リーフに差し出す
お風呂上りに飲む水は本当に美味しく
それを思い出すと喉が鳴った
また会話しながらの食事を楽しんだ
普段、僕は聞いてばかりだから
リーフと話し合うのが楽しい様子だ
「えっ!
…お風呂、一緒に入ってるんですか?」
「夜も一緒に寝てるのじゃ」
「夜もですか?
…私、お邪魔でしたら帰りますけど…」
「なんでそうなるのじゃ!
まだまだ話したいから
お風呂に行ってる間、待ってて欲しいのじゃ」
リーフは少し動揺を見せたけど
絶対に待ってて欲しいとドーラが念を押し
お風呂に向かう事にした
…。
二人の仲はどれだけ進展したのか
まさか夜も共にしてるなんて思わない
もし先に知っていたら
今日も泊る事はしなかったのに
(…でも、歓迎してくれたしなぁ…)
二人の邪魔をすることは極力避けたい
でも見てる限り、受け入れてくれてる
この状況で今更帰るわけにもいかず
せめて、この後は慎重に様子を見ようと決めた
様子を見ようと思っていた
そんな自分はいったい何処に消えたんだろう
戻ってきた龍人に火を貰い、調理場を借りて
摘んできたハーブでお茶を作った
それを龍人が気に入ったものだから
もう歯止めが利かなかった
私もお茶には自信があるし、
龍人も根掘り葉掘り聞きたがる
少し彼を置き去り気味にしてしまうほど
話が盛り上がってしまった
自分はよく水出しでお茶を作る
それを説明をしている時、
彼が座りながら眠りそうな事に気が付いた
途中まで会話には参加せずとも
楽しそうに聞いていたはずだが
夜も更けてきたので限界なのだろう
そんな彼に対し、龍人が世話を焼く
今度はまるで母親のようだ
トイレを促し、歯を磨いてあげている
「私、テーブルを片付けた後で行きますね」
「よいのじゃ?」
「主さんを寝かせてあげてください」
龍人はお礼を口にし、二階へ上がっていった
少し遅れて二階へ上がった
寝室だけは暗いままのようで
部屋の奥から龍人の声が聞こえる
「暗いじゃろ?
今、そっちに行くのじゃ」
「私、夜目が利くので平気ですよ
…こっちのベッドを借りてもいいんです?」
許可を貰い、入り口近くのベッドを借りた
布団は少し古いけど、
これは私の故郷が作ってる物と一緒だった
身体に良く馴染むからいい夢が見られそう
今日は沢山の事を話した
行商をしているから移動は一人だし、
交渉中も気が抜けない
だから、こんなに自由な時間は久しぶりだ
来てよかった
…。




