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追放された悪役令嬢(♂)に転生した俺、チートを隠して辺境でスローライフするつもりが世界最適解になっていた件  作者: 南蛇井


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第97話:他国の関心

隣国の港町。

朝の市場は、いつものように騒がしかった。


魚を売る声。

荷車の音。

値段交渉の怒鳴り声。


その一角で、一人の商人が足を止めていた。


机の上に並べられた小さな箱。

木製の簡素な容器。

見た目は、ありふれた雑貨にしか見えない。


だが、札にはこう書かれていた。


「浄水魔導具」


商人は眉をひそめる。


「……浄水?」


怪しそうに箱を手に取る。


隣にいた店主が笑った。


「王国から入ってきた新商品だ」


「新商品?」


「水が綺麗になる魔導具らしい」


商人は鼻で笑った。


「そんなもの、魔導師の工房の高級品だろう」


「これは安いぞ」


店主が指を立てる。


「銀貨三枚」


商人は固まった。


「……は?」


銀貨三枚。


普通の浄水魔導具なら

金貨数枚はする。


桁が違う。


「冗談だろ」


「試してみるか?」


店主はバケツを持ってきた。


中には濁った水。


商人は腕を組んで見守る。


店主は魔導具を水に入れた。


一瞬。


ほんの一瞬だった。


濁りが消える。


透明な水。


商人の目が見開かれた。


「……本物か」


店主は肩をすくめる。


「俺も最初そう思った」


商人は魔導具を手に取り、裏返す。


簡単な構造。


複雑な魔法陣もない。


むしろ、簡単すぎる。


商人は小さく呟いた。


「どういうことだ……」


王国は決して魔導技術が進んでいる国ではない。


むしろ普通。


職人の腕も平均的。


だが、この魔導具は違う。


安い。

簡単。

壊れそうにない。


商人は遠くを見る。


王国の方向。


そして、ぽつりと言った。


「……王国より技術が進んでる?」


疑問。


だが、もし本当なら。


それは――


商売の匂いがする。


商人の目が光った。


「……調べる必要があるな」


王国で何が起きているのか。


その小さな魔導具は、

静かに他国の関心を集め始めていた。

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