12話 『街道のバッドイベント 後編』
棚の陰は浅い。樽の裏は足がはみ出る。箱の山は低すぎる。布を被ったところで、入ってきた連中がひと目で気づく。
間に合わない。
なら――これしかない。
俺は魔法の鞄の口を大きく開き、部屋の隅、灯りの死角へ身を滑り込ませた。片膝を折り、肩から沈め、腰まで落とす。暗がりの縁が胸元を呑み込み、ひやりとした気配が肌を撫でた。
完全に入り切れば、外から引っ張り出されない限り脱出は不可能となる。
だが、顔と片手だけを外に残しておけば話は別だ。状況を見ながら、本当にまずい時だけ全身を引き込める。逆に安全なら、残した手で袋口を押し広げて、そのまま這い戻れる。
俺は息を止め、顔と右手だけを外へ残した。
直後、木扉が荒々しく開いた。
「どけ! 邪魔だ!」
怒鳴り声と共に、数人分の足音が雪崩れ込んでくる。箱が蹴られ、金属が鳴り、木が軋む。床を踏む重さだけで、連中が余裕を失っているのが分かった。
ハーコンが吐き捨てる。
「爆発壺はどうした!」
返事はない。
代わりに、別の男が棚を掻き回す音がした。
「……ねぇぞ、お頭!」
「馬鹿な。右の棚だ、そこに並べてあっただろうが!」
「本当に空です!」
怒号の直後、何かが壁へ叩きつけられた。割れたのは陶器ではない。木箱か、樽か。乾いた破砕音が宝物庫の中で跳ね返る。
「なら巻物はどうした! 魔法を封じた筒の方だ!」
「そっちも……ありません!」
「鐘の欠片は! 布包みのやつだ!」
「見当たりません!」
ハーコンが、喉の奥で獣みたいな唸り声を漏らした。
その声は、怒りよりも焦りに近い。
正面が押されている。だから切り札を取りに来た。なのに、その切り札だけがごっそり消えている。
そりゃあ、顔色も変わる。
「ふざけるな……誰が触った」
低く落ちた声に、部屋の空気が一段冷える。
「番はどうした。ここを離れたのか」
「わ、分かりません! 俺らが来た時にはもう――」
「探せ! まだこの辺にいる! 箱の裏も、樽の中も全部だ!」
足音がばらけた。
誰かがすぐ脇を通り過ぎる。靴底が床の砂を擦り、布が揺れる音が顔のすぐ前で鳴った。右手が反射で強張る。ほんの少しでも身じろげば終わりだ。
箱が倒れる。
麻袋が引き裂かれる。
金貨がばらまかれ、床を跳ねる。
「こっちにはいねぇ!」
「下も見ろ、台の裏だ!」
「お頭、こいつも空です!」
掻き回される音が続く。
だが誰一人、足元の古鞄には手を伸ばさない。
連中の目に映るのは、箱、棚、樽、袋。人が隠れられそうな大きさの物ばかりだ。くたびれた鞄は、そのどれにも入らない。せいぜい盗品を詰める道具の一つにしか見えないのだろう。
まして、その口の陰から顔を伏せて息を潜める人間がいるなど、考えもしない。
「お頭! 入口が危ねぇ!」
通路の向こうから、切羽詰まった声が飛び込んできた。
「盾持ちが押し込んできてる! このままじゃ破られる!」
ハーコンが舌打ちする。
「っ……まだ見つからねぇのか!」
「時間が――」
「黙れ!」
一拍の沈黙。
歯を噛み締める気配すら聞こえそうな間の後、隻眼の頭目は吐き捨てるように命じた。
「二人残れ! 後は入口だ! あの壺が無ぇなら、俺たちで止めるしかねぇ!」
足音がまとめて動いた。何人かが扉へ向かい、怒声を残して出ていく。だが、二人分の気配だけはまだ部屋に残った。
まずい、と思った時にはもう遅い。
「お頭、俺らはどうしやす」
「全部ひっくり返せ。終わったら前へ来い」
扉が閉まる。
宝物庫に残ったのは、荒い呼吸をする野盗が二人。
箱を蹴る音が、また始まった。
足音が近い。
一人は扉のすぐ脇から探り始め、もう一人は棚の方へ向かったらしい。木箱を引きずる音が重なり、陶器がぶつかって、鈍く鳴る。
「おい、そっちはどうだ」
「ねぇよ。金だけだ」
「だったらその下も見ろ。盗んだ奴が隠してるかもしれねぇだろ」
吐き捨てるようなやり取りの後、何かが蹴り返される。
箱が一つ、俺の視界の端を横切った。中身の入っていない軽い箱だ。床を滑って壁へぶつかり、乾いた音を立てる。
まだ遠い。
だが、遠いだけだ。
片方の野盗が棚を探るのに飽きたのか、今度は中央の山へ回った。金貨の袋を引っ掴み、舌打ちして放る。銀器が床へ落ち、甲高く跳ねる。
「くそっ、どこにやった」
「本当に誰か持ち出したのか?」
「じゃなきゃ消えるかよ!」
荒れている。
好都合だ。
追い詰められた人間は、大事な物の場所ばかりを見る。だから逆に、端へ追いやられた地味な物は視界から零れる。
だが、それにも限度がある。
靴音が、今度はまっすぐこちらへ寄ってきた。
まずい。
俺は顔を伏せ、残した右手に力を込めた。本当に手が伸びるなら、そのまま全身を引き込むしかない。
「おい、こっちの箱も空だぞ」
声が近い。すぐ上だ。
次の瞬間、木箱の蓋がひっくり返される音がした。ほぼ真横だ。誰かの靴先が、散らばった布を踏みつける。土埃が舞い、鼻の奥がむずつく。
くそ、今はやめろ。
喉がひくつく。
咳だけは絶対にできない。
「そっちに何かあったか?」
「ねぇ。ガラクタばっかだ」
ガラクタ。
そうだ。そう思え。
そのまま通り過ぎろ。
野盗の一人が、俺のすぐ前にしゃがみ込む気配を見せた。視界の端に、泥のこびりついた靴と脛当てが入る。手が伸びる。散らばった布包みを乱暴にまさぐり、その勢いで、古鞄の脇に転がっていた銀の燭台が弾かれた。
燭台が倒れ、こちらへ寄る。
かち、と小さく鳴った。
野盗の手が、一瞬止まった。
心臓が縮む。
「……ん?」
顔が上がる気配。
その時だった。
「おい! 何やってやがる、早く来い!」
通路の向こうから、別の怒声が飛び込んできた。
「入口が保たねぇ! 人数が足りねぇんだよ!」
しゃがみ込んでいた野盗が、舌打ちする。
「っ……まだ探し終わってねぇぞ」
「後だ後だ! お頭が呼んでる!」
もう一人も不満そうに息を吐いた。
「くそ、分かったよ!」
立ち上がる気配。靴が石床を蹴る。片方が最後に木箱を一つ蹴り飛ばし、それから二人分の足音がまとめて扉へ向かった。
「無かったって言っとけ!」
「見りゃ分かるだろうが!」
怒鳴り合いは、そのまま通路の向こうへ遠ざかる。
やがて扉が半端に開いたまま、宝物庫に静けさが戻った。
すぐには動かない。
十数える。
さらに十。
足音は戻らない。怒声も、もう遠い。
俺は詰めていた息を、ようやく細く吐き出した。
助かった。
右手で袋口を押し広げ、ゆっくりと上体を引き戻す。胸、腹、腰、脚。順に石床へ戻っていく感覚が、妙に重い。最後に両足が外へ抜け、俺はその場で浅く膝をついた。
全身が冷えていた。
額にも、首筋にも汗が滲んでいる。ほんの少し顔を出していただけのはずなのに、息を殺している時間はやけに長く感じた。
魔法の鞄の口を閉じ、革を一度撫でる。
過去の周回でも何度か使った手口だが、この緊張感は何度やっても心臓に悪い。
立ち上がり、宝物庫を見回す。
箱はひっくり返され、袋は裂かれ、床には金貨と布と木片が散らばっていた。だが、連中は荒らしただけで終わっている。価値のある物を見分ける余裕も、目もなかった。
なら、もう少し頂いていこう。今後の活動資金を、ここでいっきに手に入れる。
俺はしゃがみ込み、散った品を手早く拾い始めた。転がった指輪、箱の陰に落ちた首飾り、投げ捨てられた銀器、細工の入った帯留め。さっきは後回しにした金貨袋も、軽そうな物だけを選んで鞄へ沈める。
宝物庫の景色が、また少し痩せた。
外では、まだ戦っている。
なら、俺がやることもまだ終わっていない。
立ち上がり、宝物庫の奥へ目を向けた。
この部屋は、ただの袋小路じゃない。奥の壁際、積み上げた木箱のさらに向こうに、半ば崩れた石の裂け目がある。元は見張り台か、あるいは荷の出し入れに使っていた通路か。由来はどうでもいい。
肝心なのは、そこから正面側の広間を見下ろせることだ。
木箱の陰を抜け、裂け目へ身を寄せる。
下では、まだ決着がついていなかった。
入口の広間には、崩した石積みと荷車の残骸が寄せ集められ、即席の遮蔽になっている。その陰へ野盗どもが張りつき、怒鳴りながら武器を振るっていた。対する騎士たちは、盾を前へ出し、隙間から槍を差し込み、じりじりと押し込んでいる。
押しているのは騎士側だ。
だが、押し切れてはいない。
理由は一つだった。
「下がるなァッ!」
広間の中央寄り、遮蔽の内側で大斧が唸る。
ハーコンだ。
隻眼の頭目は自ら前へ出ていた。大振りの戦斧を振り回し、盾に叩きつけ、踏み込んできた騎士を力任せに押し返している。刃で斬るというより、重量ごと叩き潰す戦い方だ。まともに受けた騎士が一人、体勢を崩して後ろへよろめく。
その一瞬で、野盗側が持ち直した。
「お頭の前だ、押せ!」
「下がるな、やっちまえ!」
まずい。
このまま押し返されれば、前列が崩れる。騎士側は盾を出して踏ん張っている分、狭い入口で詰まっている。そこへ爆発壺でも投げ込まれれば死人が出る。
だから最優先で消した。
だが、壺を奪っただけじゃ足りない。
ハーコンが立っている限り、あそこはまだ戦線になる。
俺は鞄の口に手を入れ、布包みを引き出した。
青黒い鐘の欠片が掌に収まる。
聖鐘片。
今いちばん潰すべきなのは、前線を支えているハーコンだ。
俺は裂け目へ肩を預け、広間の流れを見た。
騎士の盾が一度押し込む。
ハーコンが斧を振り上げ、迎え撃つために一歩前へ出る。
その後ろへ、野盗が寄る。
人が重なる。
今だ。
俺は聖鐘片を振り抜き、ハーコンのすぐ脇――遮蔽の内側へ投げ落とした。
欠片は石床を打ち、
次の瞬間、洞窟そのものが鳴った。
ごぅん、と。
腹の底を殴るような重い衝音が、広間いっぱいに膨れ上がる。高い音ではない。低く、鈍く、だが骨に響く一撃だった。空気が震え、石壁に跳ね返り、反響が重なって広間の内側を薙いでいく。
「がッ――!?」
「う、あぁっ!」
「耳が、耳が――!」
野盗どもの体勢が一斉に崩れた。
遮蔽にしがみついていた男が膝をつく。別の一人は耳を押さえたまま横倒しになり、棍棒を取り落とす。後ろにいた連中まで足をもつれさせ、互いにぶつかり合って倒れ込んだ。
そして、ハーコンも例外じゃない。
斧を振り下ろしかけた姿勢のまま、巨体が横へ弾かれる。肩から石積みに叩きつけられ、鈍い音を立てた。手から離れた大斧が石床を滑り、火花を散らして転がっていく。
野盗の声が、そこで途切れた。
「お頭――!」
叫びは最後まで続かない。
騎士たちは、その隙を見逃さなかった。
「今だ! 突入しろ!」
怒声が重なり、盾が前へ出る。槍が低く突き込まれ、倒れた野盗の間を縫って一気に踏み込んだ。遮蔽の内側へ騎士たちの影が雪崩れ込み、広間の空気が一変する。
俺は裂け目から身を引いた。投げた指先に、まだ痺れが残っている。これをまともに近くで食らっていれば、俺も無事じゃ済まなかっただろう。
だが、これでいい。
ハーコンは潰れた。騎士は押し込んだ。勝敗は、決した。
なら、次だ。
俺は魔法の鞄を抱え直し、足早に宝物庫を後にした。
戻る道は、行きより静かだった。
正面側へ人が流れ切ったのだろう。通路にはもう野盗の影もない。残っているのは、蹴散らされた箱と、踏み荒らされた藁束と、焦りだけだ。
遠くで怒声が重なる。
さっきとは質が違った。押し合う音ではない。崩れた側が立てる、細く裂けた声だ。
足を速める。
細い脇道を抜け、曲がり角を二つ。湿った石壁を肩で掠め、横穴へ戻る道へ入る。ここまで来れば、後はあの三人の持ち場だ。
だが、ちょうどその時だった。
「おい!」
前方から声が飛ぶ。
灯りが揺れ、横穴の手前で三つの影がこちらへ走ってきた。短槍、手斧、そして先頭の古参。どうやら持ち場を捨てて、正面の様子を見に出てきたらしい。
「アッシュ!」
古参が息を荒げたまま、俺の前で止まる。
「どうなってやがる。さっきの音……ただ事じゃねぇぞ」
俺は歩みを止めず、低く返した。
「正面が抜かれた。お頭もやられた」
三人の顔色が変わる。
「は?」
「お頭が?」
短槍の男が、信じられないものを見る目で固まった。
手斧の方は半歩だけ退き、それから慌てて叫ぶ。
「嘘だろ! 旦那が、騎士なんぞに――」
「嘘を言ってどうする」
言いながら、俺は正面口の方角を顎で示した。
「もう入口の内側まで入られてる。今から逃げるか、残って加勢するか、決めるなら急げ」
古参の喉が鳴った。
迷いはあった。だが、長くは続かない。
奥からまた怒声が響いたのだ。今度ははっきり分かる。野盗の側が押されている声だ。
古参が舌打ちし、すぐに二人へ怒鳴る。
「武器を持て! 入口だ!」
二人が吠え、武器を握って駆け出す。
俺も、その脇をすり抜けるつもりだった。
だが、古参の手が肩を掴んだ。
「お前も来い」
骨ばった指が、肩に食い込む。
まずい。
俺は振り返り、少しだけ眉を寄せた。
「俺は裏の様子を――」
「馬鹿言うな。裏なんざもういい」
古参は吐き捨てるように言った。
「いまさら一人で残ってどうする! 手が足りねぇんだ、ついて来い!」
その理屈は、この場では通る。
通ってしまうから厄介だった。
俺がここで振り払えば、不自然になる。下手をすればその場で斬られる。かといって、正面へ戻れば騎士と鉢合わせる。
イベントの流れは知識で紐解ける。だが人間相手は話が別だ。こういう食い違いは、いつだって起こる。
どうする――くそ、行くしか選択肢がないではないか。
俺は短く息を吐いた。
「……わかった」
「最初からそう言え」
古参は肩を離し、足元の木箱の脇から短い棍棒を拾って俺へ押しつけた。
「丸腰で来るな。せめて持っとけ」
受け取るしかない。
俺は棍棒を掴み、そのまま三人の後へついた。
正面へ近づくほど、空気が変わる。
怒声は太くなり、鉄のぶつかる音は近くなる。血の匂いまで混じり始めた。曲がり角の向こう、広間へ通じる通路の先では、灯りが大きく揺れている。
先に飛び出した二人が、そこで息を呑んだ。
俺も一歩遅れて視線を上げる。
入口側は、もう半ば制圧されていた。
遮蔽は崩れ、野盗どもは散り散りだ。倒れた者、武器を落とした者、まだ立っているが後ずさる者。騎士たちは盾を並べたまま前へ出て、逃げ道ごと押し潰すように進んでいる。
「くそっ……!」
古参が唸り、歯を剥いた。
「まだだ、まだ終わっちゃいねぇ! 行くぞ!」
二人が吠え、武器を握って駆け出す。
俺も、その背を追うしかなかった。
広間へ踏み込んだ瞬間、熱気が肌を打った。
血と汗と土の臭いが混ざり、そこへ鉄の匂いが重なる。入口側の遮蔽はもう半ば崩れ、荷車の残骸と石積みが踏み荒らされていた。倒れた野盗の上を、騎士たちの靴が踏み越えていく。
「残ってるぞ!」
「押し返せ!」
短槍の男が叫び、真っ先に突っ込んだ。
だが、その勢いは長く続かない。
前へ出た盾が、低く、重くぶつかった。短槍の穂先が弾かれ、体勢が浮く。そこへ脇から槍が伸び、男の脇腹を打った。刃ではない。だが十分だった。息を潰された野盗が、呻き声と一緒にその場へ崩れる。
手斧の男は、もう少し粘った。
半歩だけ回り込み、騎士の脚を狙って斧を振るう。だが読まれていた。盾の縁で弾かれ、返す槍の柄に顎を打たれ、そのまま石床へ転がる。手斧が甲高い音を立てて跳ねた。
「っ、立て! 立てよ!」
古参が怒鳴る。
自分に言い聞かせるような声だった。
棍棒を振り上げて一人へ迫る。だが相手は慌てない。盾が前へ出る。ぶつかった瞬間、古参の肩が止まった。次の一歩で騎士が踏み込み、剣の柄頭が顔面を打つ。鈍い音。古参の頭が跳ね、膝が折れた。
勝負になっていない。
もうとっくに、終わっている。
騎士たちの視線が、そこでようやく俺へ向いた。
半歩遅れて広間へ出た、見慣れない男。手には棍棒。背後には倒れた野盗。位置だけ見れば、どう見ても同類だ。
ここで迷う理由はない。
俺は棍棒を放り捨てた。
乾いた音を立てて石床を転がるより先に、両手を上げる。
「待て! 違う! 俺はさっきの商人だ!」
喉が裂けるくらいの声で叫ぶ。
騎士の槍先がこちらへ揃う。止まらない。なら、畳みかけるしかない。
「裏で見つかって、無理やり引っ張られた! 武器も持たされただけだ!」
広間の空気が、一瞬だけ揺れた。
だが、それで安心するほど甘くはない。
一歩でも誤れば、そのまま刺される。
だから躊躇なく、さらに言う。
「降伏する! 縛っていい!」
膝を折る。
頭を低くする。
見苦しい? 結構だ。
生きていれば、次がある。
視界の端で、倒れた古参が薄く呻いた。騎士の影がさらに近づく。槍先が喉元を捉え、冷えた殺気が皮膚を撫でた。
それでも、俺は顔を上げない。
「お願いします!……どうか命だけは――」
そうして、騎士たちの足音が俺を取り囲んだところで、夜の広間はようやく静まり返った。




