第48話
「舐めた真似を……!」
舌打ちと同時に体中から電撃が勢いよくはじけた。ウェルドレッドは一瞬びくりと身体を震わせるが、無縁の書を強く握る。同時に、前と同じ小瓶を取り出して飲み終えて深呼吸をすると、自信満々な顔を作り罵った。
「確かにお前は強い。無名でここまでのやつに会ったのは初めてだ。しかし俺とこいつなら……」
ウェルドレッドの身体は僅かな明かりにギラギラと輝きだし、鉱質化する。
「どうだろうな⁉」
右手に持つ斧で竜の足首を縛る鎖を断ち切る。しかし竜は動かずに静かにウェルドレッドを見つめ、沈黙が流れる。腹を立てたウェルドレッドは竜を睨みながら無限の書のとあるページを見せた。ハルシウスには何を見せているのか分からずに一瞬首を傾げたが、直ぐにダークネスロッドをウェルドレッドに向けた。
「ルナーショット!」
杖の先から丸太と同じ太さはあろう闇の光がビーム状に放出される。光は柵を一瞬で溶かし、一直線にウェルドレッドに届く。ウェルドレッドは反応が遅れて咄嗟に両手を前に出した。
白い竜の目にはウェルドレッドとビームの間に割って入った無限の書が自然に映った。鉤爪がウェルドレッドの前に現れ、ビームは全て受け止められる。
「何⁉︎」
ハルシウスは両手でダークネスロッドを持ち、光を更に強く放つ。鉤爪に当たって凄まじく音響するが、竜は手を引かない。
やがて、光は止まった。ハルシウスの顔が青ざめる。
「全部受け止めたじゃと……?」
ウェルドレッドが下卑た笑いを浮かべながら鉤爪から出てきた。
「こいつは光魔法に特化したドラゴンだ。それにガキの臓器を加えて更に強くしている。俺らよりも強いぞ、耐えてくれよな」




