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司さんの就職活動1

司さんの部屋の片づけは、着々と進んでいった。

二か月間、佐倉さんと僕は都合のつく日には司さんの部屋へ行き

司さんは有り余る時間を使って、コレクションをネットで売った。


オリジナルの司さんは几帳面な人だったようで、

コレクションの保存状態は良く、希少なものもあったようで結構な金額になった。

「すまぬな。二人とも。しかしこれで当座の資金ができた。」

と満足そうだ。


これからしなければいけないことを三人で話し合う。

「就職するならとりあえず話し方を治しましょうか」

佐倉さんがもっともなことを言う。

「あ、確かにそうですね。

時間かかるでしょうから、その間に何か資格取りましょう」

僕も同意する。


「そうだな・・・しかしどうしたら良いのだ?」

「・・・まぁ、とにかく話して慣れるしかないですよね。たぶん」

言いながら僕は

(これで僕の休日は司さんに付き合うことでほとんどつぶれるな・・・)

と少し残念な気持ちになる。

「慣れるまで話すのはもちろんなんだけど、何かキャラクターのマネしたらどうかな?

ドラマの主人公とかで、あまり癖のない話し方するキャラとかいない?」

佐倉さんがそういう。

「いいですね。あまりドラマ観ないので、適当な番組思いつきませんけど」

「結構難しいなぁ・・・

癖のある口癖や決め台詞がなくて、チャラくなくて現代劇で、そこそこセリフのあるやつ・・・」

佐倉さんはいくつかのドラマを思い出しているのだろう。少し考えこむ。


「そうだ。司さん。スキル見てもいいですか?」

佐倉さんが考え込んでいる間に、向いている職業を確認しようと思ったのだ。

「向いている仕事を確認して、その仕事に有利な資格を探しましょう」

「そうか。では頼む」


「司さんそこは『ありがとう。よろしく』くらいで!」

佐倉さんがすかさずつっこむ。


「ん・・・そうか。

ありがとう深山。よろしく頼む」

「あ、『頼む』はいりません」

僕も一応つっこんでおく。


僕は司さんのスキルを確認する。

「・・・」

「どうした?」

無言になる僕に司さんが問いかける。


司さんチートです。

すべての仕事に向いている・・・

僕に見えるスキルは「就いたことのある職業は黒文字・未経験の職業はグレー」で表示されていて、職業の横には適正がパーセンテージで表示されている。


司さんの職業欄はすべてグレー表記だけど、すべて適正100%だ。


いままでいろいろな人のスキルを覗き見てみたけれど、適正100%という表示は初めて見た。

80%後半くらいまでしか見たことがない。

しかしこれだけ選び放題だと逆に選びにくいな・・・

何を目指したらいいのか目安になるものがなさすぎて・・・


「司さん、とりあえず語学系の資格を取りましょう」

たしかこの世の言葉はすべて理解できるって言っていたしな。

というわけでいくつか語学系の資格を目指しながら、自然な日本語を覚えることに決まった。


そういえば・・・司さんの日本語は不自然だけど、他の言語も不自然なんだろうか?

理解できるのと自然な言葉遣いができるってもしかして別だったりする・・・???


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