二人目との出会い
TVのスイーツ特集で、取材がくることになった。
スイーツ好きモデルがうちの店を紹介してくれるとのことで
みんな張り切って店内を掃除している。
かおりさんとバイトの松江さん、東さんの女性三人は小物の配置などを、楽しそうに確認している。
松江さんは前からいる子で、新しいものに詳しくおしゃれな子だ。
東さんは先日の面接で新しく入った子で、しっかり者の印象。
取材に来るのはティーン向け雑誌のモデル出身で、最近テレビにも出始めた子ということだ。
「みゅうみゅうは所作がきれいで、なんとなく気になっちゃう感じの子なんですよぉ
超絶美形!とかじゃなくて親しみやすい感じのかわいさなのでぇ
うちのお店を紹介してくれるのにはぴったりだと思うんです
なんか超キレイな人とかだと、敷居が高い?感じになるじゃないですかぁ
みゅうみゅうならそーゆ―感じじゃないし!」
松江さんがグッとこぶしを握りながらも、語尾が伸びる語調で力説する。
僕は裏方なので特に何もする予定はない。
女性三人が映るほうが華やかでよいだろうし。
最後に店のみんなであいさつをするときには一緒に映るので、ちゃんと制服を着てはいるが。
だから落ち着くんだ僕。
緊張しすぎだよ・・・
取材に応じる予定の女性三人のほうがずっと落ち着いているじゃないか・・・
「うわーなんか緊張してきちゃった!」
東さんが言う。
「そーだよねー!チョー有名店とかなっちゃって芸能人とか来ちゃったりして!」
松江さん話が飛躍しすぎだよ・・・
「二人とも落ち着いて。
スイーツ特集で何店も回るうちの一件なんだから、ほんの数分だけだよ。
季節のおすすめを松江さん、通年の人気商品を東さんが紹介してね。
説明はナレーターさんがしてくれるから、商品名だけでいいのよ。大丈夫!」
「でもでも!緊張しますよ~」
「そうですよ!かんじゃいそうでドキドキします」
「深山さんは落ち着いてますよね~いつもとおんなじ~」
急に僕のほうに話が振られた。
「僕も緊張してるよ」
と答える
二人は「全然そう見えなーい」などとキャーキャー笑いあっている。
そうこうしているうちに取材がきた。
モデルの女の子は、確かにかわいいけど思っていたよりも普通の顔立ちの子だった。
ただなんというかオーラというのか雰囲気というのか、何とも言えない魅力のある子で引き付けられる。
松江さんが言っていたのがわかる気がする。
顔やスタイルより、所作や雰囲気に惹かれてしまう感じだ。
店内に入ったみゅうみゅうが一瞬、僕の頭上を見た。
ほんの一瞬で、違和感を覚えるほどではなかったけど、最近僕は僕の頭上を見る人に敏感なんだ。
ステータスを見る。
ああ、やっぱり。
種族:霊長類/直鼻類/狭鼻類/ヒト(魔王)
なんだよ(魔王)って・・・
魔王はすきを見て僕に連絡先を渡して帰って行った。




