隣の園ジェル
俺の住んでいるアパートの隣に引っ越してきた家族がいる。
旦那は白人男性で女性は日本人だ。
そしてこの二人の間にはとても可愛らしい女の子がいるんだけど――。
その子がとても人なつっこくて可愛いんだ。
名前はスミレちゃん。
旦那さんが、名前は日本の名前を付けたいと言ったのだが、漢字がわからないからと言うことでカタカナでスミレと名付けたそうだ。
特徴的なのが金髪青目。
肌なんか白くてとても綺麗なんだよ。
ハーフなんだが、父親の特徴が色濃く出た子だった。
まさに天使という言葉が似合う子なんだよ。
言っとくけど俺はロリコンじゃ無いからな?
そこははっきりさせておくよ。
今日も出社するため部屋を出る。
そうすると大体同じ時間にお隣の奥さんとスミレちゃんが送迎バスを待っている。
「おはようございます」
俺は奥さんに挨拶をする。
「おにーちゃん! おはよー!」
スミレちゃんは人なつっこくて、挨拶をするときに必ずと言っていいほど、俺の足にしがみついてくるんだよ。
たまんないよね。
俺は心の中でデレデレしていた。
こんな顔、親御さんには絶対に見せられないよな。
「スミレちゃんもおはよう。 今日も元気だね」
俺はスミレちゃんの頭を撫でる。
そうすると必ず、にひーと笑ってくるんだ。
そんなスミレちゃんにプレゼントをあげるのも習慣になってきている。
「そんな元気なスミレちゃんに、今日はこの飴をあげようね」
俺は色々な味の入った飴を袋ごと手渡した。
そして可愛い小さな手で袋を受け取り、胸にあてがいながらお返事を返してくれた。
「やったー! ありがとうおにーちゃん!」
満面の笑顔になるスミレちゃん。
はぁはぁ・・・、たまんねーな。
改めて言うが、俺はロリコンじゃねー!
「いつもすみません」
奥さんがお礼を言ってくるが、俺の方こそお礼を言いたい。
会社に行けば辛い仕事を毎日やらされ、酷いときは終電ギリギリだったりするが、スミレちゃんの笑顔に何度助けられたことか。
この笑顔を見ると今日もがんばろうと思えるから不思議だ。
「お、そろそろバスが来る頃だよ」
俺は腕時計の時間を確認する。
俺も仕事に行かないと。
「それじゃ、俺も仕事に行くんで」
「おにーちゃん! いってらっしゃい!」
「スミレちゃんもね」
俺とスミレちゃんはお互いに手を振りながらわかれた。
俺と入れ替わりで、送迎バスが親子の前に止まる。
よし!
今日も一日頑張るぞ!
俺は角を曲がって二人が見えなくなってからスキップしながら駅まで行くのだった。
*
スミレの通う、あおぞら幼稚園。
「みんな、おはようございます」
先生が朝の挨拶をしてきます。
『せんせい、おはようございます』
私たち子供も先生に挨拶をするんだよ。
「はい、今日も良いお返事ですね」
お遊戯の時間になってから隣から声がかかったの。。
「すみれちゃん、きょうはどうだった?」
友達のさっちゃんが目を輝かせながら聞いてくるんだよ。
「あとでね」
わたしは小さな手でブイサインをしたの。
お遊戯の時間が終わり、仲の良いお友達と、階段したのちょっとしたスペースに集まるのが楽しみなんだ。
そしてみんなはうんち座りをして待っていた。
「ふふふ、きょうのしゅうかくはこれよ!」
そう言って服の下に隠し持ってきた、おにーちゃんから貰った飴の袋を取り出したの。
「すごいね! まるまるひとふくろじゃない!」
さっちゃんは、さっきよりも更に目を輝かせてきたの。
「おにーちゃんは、わたしにめろめろなの! これからももっともらってくるね!」
「うん、たのしみにしているね!」
また他の子も、似たようにお菓子をくれるおじさんがいるみたいです。
「でも、ちゃんとけーほーきはてばなしちゃだめだからね」
私も警報器はしっかり鞄からぶら下げているわ。
みんな可愛いから連れて行かれないようにしないとね。
「うんうん」
みんな鞄から警報器を見せ合ったの。
こうして園児達の、いつもの何気ない楽しい時間が過ぎていくのでした。
隣の園ジェル おしまい。




