最終決戦!これが俺の能力だ!
数々の出会い。
数々の別れ。
数々の死闘。
泣いても笑ってもこれが最後の戦いになることは誰もがわかっていた――が。
「勇者君はまだ駄目か!?」
俺は僧侶ちゃんに声を張り上げて確認した。
「もう少しで傷が回復します! ですが――」
「傷が回復したら叩いてでも起こしてくれ! それまでは俺がなんとか耐えてみせる!」
「わかりました! 俺君も無理しないで!」
・・・無理しないで、か。
無茶を言うぜ・・・。
すでに魔法使いちゃんも魔王にやられて倒れてしまっている。
まともに戦えるのは、この場で俺しかいない。
そう、今は最後の戦い。
魔王と勇者率いるパーティーが全人類の明日のために戦っている最中であった。
「フハハハハハ! こざかしい人間どもめ! その程度でこの魔王様に刃向かうとは――、片腹痛いわ!」
魔王の攻撃。
俺は異空間から盾を取り出し、攻撃を防ぐ。
盾は激しい音と共に砕け散ってしまった。
「脆い――脆すぎるぞ人間!」
魔王は俺の盾が砕けるのを見てにやりと笑った。
「お前はその程度か、まだ勇者の方が楽しめたぞ!」
俺は異空間にしまっていた、最後の武器を取り出し、魔王に斬りかかった。
だが魔王に叩きつけるが、武器は空しくも砕け散った。
「くそっ! これでも駄目か!」
どうする、どうする、どうする!
もはや打つ手なしなのか! 俺の力はこんな物だったのか!
「フハハハハハ! どうやら打つ手がなくなったようだな人間! ならいたぶって泣きわめく姿を存分に楽しませってもらおうか!!」
魔王は俺に殴りかかってきた。
俺はがむしゃらになって異空間に手を入れて次の文から”あ”と”な”を取り出して投げつけた!
「無駄 がきはよせ! 人間よ!」
魔王は”あ”と”な”を弾き飛ばした。
”あ”と”な”はぽよんぽよんと数回音を立てながら地面に転がると消えていった。
なんだ今のは・・・。
もしかしたら俺の能力は――。
「貴様! なんだその攻撃は!」
――うん、俺もそう思う。
「こしゃくな人間め!」
俺は更に次の文章から”い”と”な”を投げつけた。
何故か知ら が、魔王に効 て る!
「ぐあああああ!」
魔王はダメージを受け始めている!
畳み掛けるなら今だ!
異空間から”ざ””こ””だ” を投げつけていく。
「ふ けた攻撃をしおって! ぐはっ! の魔王様に までのダメージを与えたのは貴様が初めて !」
魔王はふらふらになり始めていた。
「勇者君はまだか!」
おれは僧侶ちゃんに確認した。
「今叩き起こしています! なんか、ママ、痛いよママ! と言っています! もっと叩きますね!」
よし! 勇者君は問題なさそうだ!
「褒めてやろう人間! われをここまで追い詰めたのは貴様が初めてだ! それに報いてこの魔王の最終奥義にて貴様を葬ってやろう! 受けるがいい!」
「最終奥義だと! くそっ! どんな攻撃が来るんだ! 俺に防げるのか!?」
「喰らえ! 我が最終奥義! 貴様なんて消えちゃえ消滅波! これを喰らえば、未来永劫復活することは無い! まさに消滅!」
なんて技を繰り出そうとするんだ魔王!
そんな魔王は力を貯めている。
しかも隙が無い!
万事休すか!
「喰らえ! 貴様なんて消えちゃえ消滅波! はあああああ!」
ズオオオオオオオ――。
轟音と共に迫り来る黒い光の塊。
これを受ければ文字通り、俺は消滅するだろう。
だが、ここで消え去るつもりは無い!
俺は次の文章から”だ”を取り出し消滅波の前にかざした!
「ふははははは! 無駄な足掻きよ!」
消滅波に耐えて、消えて行く” ”。
「何故耐えられる! 我が最終奥義なの ぞ!」
どうやら魔王は今の一撃で、力の大半を使ったの ろう。
その時、僧侶ちゃんが叫ん 。
「勇者君が目覚めたわ!」
「俺君! すまない! 後は任せてくれ!」
「遅いぞ勇者君!」
勇者君の復活で、俺は安堵した。
「魔王! この僕が復活した今、お前に勝ち目など無い!」
勇者君は聖剣を掲げた。
「喰らえ! 聖剣イチコロリを!」
叫びながら大半の力を失った魔王に、勇者君は光を纏った聖剣を掲げてから振り抜いた!
「ぐおおおおおおおお! この魔王様が小賢しい人間どもに! よもや破れるとは! がこの魔王を倒しても、いずれ新たな闇から新たな魔王が現れる ろう・・・」
その言葉を最後に、魔王は青い炎にその身を燃やし、消滅していった。
俺たちは勝ったん ・・・勝ったの !
俺たちは喜びの声を上げた。
倒れていた魔法使いちゃんも無事 ったよう 。
「やったな勇者君!」
「ああ! 俺君のおかげ !」
「いや、俺 けじゃない、皆がいたから よ」
「そう な、皆がいたから魔王を倒せたん よな」
「ええ、 れ一人欠けることなく・・・よね」
「私は役にたってなかったようね・・・」
「そんなことはないさ魔法使いちゃん。 君がいなければ魔王に辿り着くことさえできなかったん 」
皆が魔王城からでると、日の光が僕たちを祝福しくれているように地平線の彼方から上り始めていたの 。
「帰ろう。 僕たちの国。 ダメジャナイへ」
「ええ、帰りましょう」
「帰ろう。 私たちの国、ダメジャナイへ」
俺は空を見上げた。
れも犠牲にならず、魔王を倒せた事に。
これからは、 れもが魔物に怯えることがない世界に。
魔王の最後の言葉は気になるが、今は皆と喜ぼう。
最終決戦!これが俺の能力 ! 完




