氷結の迷宮と死霊の墓所、同日攻略
「氷結の迷宮」は僅か3時間で攻略。
ボスのフロストジャイアントから【氷結耐性 LV8】と【怪力 LV6】を複製。
「死霊の墓所」は4時間。アンデッドは物理攻撃が効きにくいが、【万能解析】の前じゃ大した事ではない。解析して核の位置を特定からの一撃必殺。
ボスのリッチから【死霊召喚 LV5】と【魔力増幅 LV7】を複製。
日が沈む頃、俺たちは全ての上級ダンジョンを制覇していた。
『レベル:42→58』
『【万能解析】:LV3→LV7』
『複製スキル:全15種類』
『魔王討伐成功率:68%』
「68%……もう少しだな」
宿に戻ると、ギルドから使者が来ていた。
「あなたがサトウケンタさんですか?」
「ああ」
「3日間で上級ダンジョンを7つ攻略した件で、ギルドマスターがお呼びです」
「えっ、面倒くさいな……」
しかし断れる雰囲気ではない。渋々ギルドへと歩みを進めた。
ギルドマスターは50代の厳つい顔付きの男だった。
「お前が噂の【万能解析】持ちか」
「そうですけど」
「単刀直入に聞く。お前、魔王討伐を狙ってるだろ?」
俺は思わず口篭った。
「隠す必要はない。その爆速レベリング、明らかに魔王戦を見据えているな」
「……で?」
「協力しろとは言わん。だが、もし本当に魔王を倒すつもりなら、これを持っていけ」
ギルドマスターが取り出したのは、古びた首飾り。
「聖遺物【英雄の意志】。装備者の全能力をおよそ30%上昇させる。50年前の勇者が使っていたとされるシロモノだ。」
「……なんでこんな貴重品を?」
「私も、昔魔王討伐隊にいた。仲間を全員失って逃げ帰ったがな」
マリアと同じか。
「だからこそ分かる。お前たちは本気だ。ただの名誉や地位に対する欲や金目当てじゃない」
「俺は帰りたいだけです」
「分かっている。だが目は嘘をつかない」
ギルドマスターは首飾りを俺の手に握らせた。
「頼む。お前が魔王を倒せば、過去の俺や無惨に死んでいった者もきっと報われる」
「……借ります」
宿に戻り、首飾りを装備。
『全能力30%上昇
魔王討伐成功率:68%→79%』
「あと少し……」
エリスが資料を広げる。
「魔王城の情報を集めました。どうやら城内には四天王がいます。倒さないと魔王の部屋にたどり着けません」
「四天王か。何日かかる?」
「通常なら1週間……でも、あなたなら」
「あぁ、1日で終わらせる」
マリアが呆れる。
「無茶苦茶だ」
「無茶でも何でもやるしかない」
俺は立ち上がった。
「明日、魔王城へ行く。準備しろ」
「了解」
二人が頷く。
『帰還解析進捗:42%』
『魔王討伐成功時の帰還予測:3日以内』
あと一歩だ。




