中級ダンジョン連続攻略
その日だけで俺たちは4つの中級ダンジョンを見事に攻略した。
「紅蓮の坑道」――通常攻略時間12時間を、1時間で突破。
「水没神殿」――通常2日かかるところを3時間。
「風鳴きの塔」――8時間を45分。
「腐敗の森」――1日を2時間。
圧倒的なスピードクリア。このスピードクリアを可能としたのも全て【万能解析】による最短ルート、敵配置の完全把握、ボスの弱点突きのおかげだ。
日が暮れる頃には、俺のレベルは28になっていた。
「は。化け物か、お前……」
マリアが疲労困憊で呟く。エリスは完全にバテている。
「休憩しよう‼︎明日は上級ダンジョンだ」
「上級!? まだ無理だろ!」
「いや、もう行けるさ」
『魔王討伐成功率:32%』
数値が上がってきた。順調だ。
宿に戻り、夕食を食べながら作戦会議。
「上級ダンジョンは「死霊の墓所」「炎獄の火山」「氷結の迷宮」の3つ。さて、どれから行く?」
エリスが地図を広げる。
「死霊の墓所が一番近いですけど……アンデッドばかりで、聖属性攻撃がないと厳しいですね」
「なら炎獄の火山にするか。火属性耐性装備は必要だが、ボスのファイアドラゴンは物理攻撃が弱点。マリアの剣技で余裕勝ちだな」
「あのさ、私。剣はあまり使えないぞ」
「なら明日の朝、武器屋で槍を買う。お前の戦闘スタイル的に槍の方が適正高い」
『分析結果:マリアの潜在能力
槍術適性:S
剣術適性:B
魔法適性:A』
「なっ……そんなことまで分かるのか。」
「全部見えてるから」
マリアはため息をついた。
「わかったよ。槍でやる」
エリスが不安そうに聞いてくる。
「でも、本当に魔王討伐できるんですか? 確率32%って……」
「上級ダンジョン3つクリアすれば50%超える。それに、俺はまだ切り札を使ってない」
「切り札?」
「【万能解析】には隠し機能がある。『スキル複製』だ」
二人が目を見開く。
「他人のスキルをコピーできる。ただし、条件がある。相手が全力を出している瞬間に解析しないといけない」
つまり、強敵との戦闘中でないと発動できない。
「上級ダンジョンで、ボスのスキルをいくつかコピーする。そうすれば魔王戦で使えるだろ」
「そんな、ふざけた能力すぎる……」
「だから俺が召喚されたんだろうな...因果ってヤツだな。元の世界に帰るために必要なスキルとして」
皮肉なもんだ。帰るために、この世界で最強にならないといけない。
「明日、6時出発。早めに寝ろよ」
こうして、激動の一日が終わった。
『帰還解析進捗:25%』
『魔王討伐成功率:32%』
あと少しだ。




