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20 スキルレベル4

「や……、やったーーーー!!」



 部屋で机に噛りついてイズミは、突如、歓声を上げた。



『シャチョー、どうしたのー?』



 その声に反応したのは、ベッドでゴロゴロしていたワラビだ。

 すっかり気に入ったベッドの上をコロコロと転がり床へ下りると、ぽよぽよ弾んでイズミの元へやって来る。


 異世界での生活も早七日目。

 イズミは今日も朝から家事を手伝い、昼食にガルシアの食堂へ出かけた以外は家事の合間に勉強と称して自室で過ごしていた。


 アリア達に教わることは家事以外も含め、とても勉強になるし、おねーちゃんおねーちゃん! と懐いてくれるラウラと遊ぶのもとても楽しいが、のほほんと過ごしているわけにはいかない。


 なんせ、今の住まいは仮住まい。衣食住のうち二つもガッツリと世話になっている身としては、一刻も早く職を手にして自立しなければ申し訳なさすぎる。

 そのためにも、イズミ唯一の武器である【術技創造スキルクリエイト】のレベルを上げるべく、勉強と同時進行でひたすらスキルを作っていた――のだが。



「凄いよ、わらび! あのね、なんと……私のスキルを他の人にも教えられるようになったの!」



 そう。

 【術技創造】のレベルが四になり、追加効果が増えたのだ。


 これまでの経験から、レベルが上がると追加効果もあったため期待していたのだが、今回の追加効果は【術技書スキルブック】らしい。説明によるとこれは、イズミの作ったスキルを術技書という形で具現化することで、他者への譲渡を可能とする効果なのだそう。


 もっとも、術技書にしたスキルにある程度適性がなければ覚えられないらしいが、イズミの作ったスキルには人を選ばないものも多くあるため、かなり使い道が広がったと言っていい。



『他の人もー?』

「そう! 人っていうか魔物にも使えるみたいだから、わらびも覚えられるよ!」

『ほんとー!? すごーい!! シャチョーのスキルを覚えれば、ボクも強くなれる!?』

「なれるよ! 今日はもう遅いから、明日わらびにたくさん教えてあげるね!」

『やったー!!』



 テンションがうなぎ上りな二人は、時間も忘れてキャッキャと戯れる。


 今まではどれだけ多くのスキルを作り出してもイズミにしか使えず、そのほとんどがお蔵入り状態だった。が、他者もそれらのスキルを利用できるとなれば、その有用性は計り知れない。


 前段階の追加効果、【付与アディション】ではスキルを付与するアイテム、つまり元手(武器や防具、アクセサリーなど)が必要で、確実に売れる保障がないため何となく二の足を踏んでいたのだが、【術技書】は自身の魔力さえあればいくらでも術技書を作り出せるらしい。


 魔力は時間経過で回復するし、レベル上げのために作ったスキルの中には回復速度を速めるものもある。

 つまり、術技書は元手ゼロ円で作り放題ということだ。


 仮にこれを売ることができれば荒稼ぎできるに違いない。

 いや、荒稼ぎはしないけれど。生計を立てられればそれでいいのだけれど。


 と、暫し術技書の可能性に思いを馳せていたところ、



「おねーちゃん、おとーさん帰って来たよ! ご飯食べよー!!」

「あ、はーい! 今行くね!」



 軽快なノック音の後にラウラの元気な声が聞こえてきて、イズミはワラビと共にダイニングへ向かった。




 食事と入浴を終えラウラと共にベッドへ入ると、暫くお喋りをして過ごし、ラウラが寝落ちたところで中断していた術技について考える。


 仮に術技書で生計を立てるとすれば、スキルーーひいては術技書にどの程度の価値があるのか、きちんと把握しておく必要がある。

 ギルドからもらった資料にも記載があったし、レベルが上がったことで解説書の情報量も上がっていそうだと、それぞれを取り出してスキルに関するページを捲ってみる。


 こちらに来てからというもの、ゲーム感覚で当然のようにスキルを使っていたイズミだが、この世界でいうスキルとはいわば才能のようなものらしい。

 先天的に獲得しているものもあれば、後天的、つまり訓練などを経て覚えるものあるそうで、それもある程度才能がなければ覚えられないらしい。


 そんな中で唯一、手軽にスキルを会得することができるのが術技書であるそう。

 術技書自体はこの世界にも存在するが、人工的に造り出せるものではなく、ごく稀にダンジョンの魔物からドロップすることがある程度で、それもほとんどがオークションへと流れ貴族の手に収まるらしい。


 当然、庶民が手を出せる代物ではなく、事実上後天的にスキルを得るには努力するしか道はないということだ。

 つまり、術技書はこの世界において貴重なものであり、それが作れるとなると多方面から狙われる可能性しかない。



(術技書で商売をしようと思ったら、自衛できなきゃ問題外ってことね……)



 まあ、術技書抜きで考えても、ある程度自衛できなければこの世界では落ち着いて暮らせない。そう考えるとレベル上げの重要性は高く、ダンジョン都市という格好のレベル上げスポットにいることも踏まえれば、直ぐにでも行動を起こすべきだろう。


 ついでにワラビもレベリングすべきだ。

 イズミのスキルさえ覚えれば十分戦えるようになるはずなのだから。


 そのためにも、明日は他者のスキル習得実験を兼ねてワラビにスキルを覚えさせるぞと密かに決意し、イズミは目を閉じた。







「わらびはさ、どう成長したい?」



 翌日。

 午前に済ませる家事を一通り手伝い終えたイズミは、さっそくワラビにスキルを覚えさせるべく部屋に引っ込んでいた。テーブルにちょこんと座るワラビを前に、イズミは問う。



『どうってー?』

「ほら、例えば……わらびの個性を活かして、縁の下の力持ち的な強さを身に着けるのか。それとも、悪いやつを簡単に倒せるくらいド派手に強くな、」

『悪いやつをタオせるくらい強くなりたい!!』

「……だよね」



 食い気味に答えたワラビに、思わず苦笑いを零す。


 イズミ個人としては、ワラビの特性(無色透明ゆえの存在感の薄さ)を活かす方向性で育てた方が、ワラビ自身の安全が確保されることはもちろん、いざという時の武器にもなるのではと思ったのだが……やはりと言うべきか。


 森で仲間達と暮らしていた時は、厄介者であるやさぐれスライム(イズミ命名)達に生活を脅かされていたのだ。ワラビにも強くなって自衛したいという気持があって当然だろう。


 と、思いきや。



『シャチョーは戦いたくないんだよね? だから、戦いたくないシャチョーの代わりにボクが戦ってシャチョーを守るよ!』

「わらび……、ありがとう!」



 不意打ちで食らったイケメン発言にイズミはきゅんとして、その柔らかな体をモニョモニョと抱き締める。力を求める理由の何と男前なことか。全世界の男性陣に見習ってほしいものである。



「なら、その意気に応えないとね。さっそく術技書を作っていくよ!」

『おーっ!!』



 イズミは髪をまとめて気合いを入れると、さっそく術技書作りに取りかかる。


 術技創造のレベル上げのためにこれまで作ったスキルは様々だが、その全ては二種類のタイプに分けられる。


 一つは任意発動型アクティブスキルといって、自分で好きなタイミングに発動させるタイプのスキルだ。分かりやすいところで言うと攻撃や防御、回復といったスキル、それからラウラを探す時に使った魔力感知や空中散歩、透視に熱源感知といった多くのスキルがこれに該当する。


 もう一つは常時発動型パッシブスキルといって、そのスキルを有するだけで常に効果を得られるタイプのものだ。体力、攻撃力増加や状態異常耐性、それからイズミのスキル【二重詠唱ダブルスペル】などがそれにあたる。


 もちろん、それぞれにはメリットとデメリットがあり、特に才能の有無が関係するのは任意発動型のスキルだ。一つ一つが強力である分、扱える者が限られるのだろう。

 逆に常時発動型は誰にでも覚えられるが、スキルレベルというものが存在せず、固定の効果しか発揮しない点がデメリットであるらしい。


 そんなわけで、とりあえずワラビに覚えさせるのは基本的に常時発動型だ。適性があれば任意発動型もガンガン教えていくつもりである。


 術技書作り方は非常に簡単で、術技書にしたいスキルを思い浮かべながら掌に魔力を集めるだけだ。

 試しに新作の常時発動型パッシブスキル、【体力増加(フィジカルアップ)(小)】を思い浮かべながら、掌へ魔力を集める。


 すると魔力が光の粒となって、金色の淡い輝きを放ちながら掌で渦巻き始める。それが徐々に本を形作っていき、数十秒ほどで具現化。光が収まると天井へ向けていた掌に洋書風の装丁の本が収まっていて、イズミはホッと一息を吐いた。


 表紙にはこちらの文字で【体力増加(フィジカルアップ)(小)】の表記。

 不思議なことに、ちゃんと見た目相応の重みもある。


 試しに完成した本を開いてみると、何やら見たこともない文字や記号がビッシリと書き連ねてあって、作者であるイズミですら読めない。こんなもので他者へ覚えさせることができるのかと不安に思いつつも、さっそくワラビで試してみることにする。


 イズミと共に制作過程を見ていたワラビの前に、術技書を置く。



「わらび、その本を開いてごらん」

『わかったー!』



 ワラビがにょーんと手? を伸ばし、器用に表紙を開いた。


 途端に術技書が淡い光を放ち始め、独りでにパラパラとページが捲れていく。

 その一枚一枚がほどけるように光の粒となり、帯となって、ワラビの周りをゆっくりと巡る。瞬く間に本が全て光の粒となってワラビを囲み、その光がワラビの体へ吸い込まれていって――



「……終わった?」



 ワラビの体が淡く光ったのを最後に、術技書は跡形もなく消えていた。

 目の前で繰り広げられた神秘的な光景、その余韻でイズミは暫し呆ける。



『覚えられたのー?』



 ワラビの声で我に返り、慌ててステータス画面から従魔ワラビのステータスを確認すれば、スキル欄には確かに【体力増加(小)】の文字が追加されていた。

 体力の数値もほんの僅かだが増えていて、確実に効果が出ている。


 これまでは気にしたことがなかった、もとい存在を知らなかったらしいが、ワラビ――魔物にもステータス画面は存在するようで、確認してもらうと自分でもスキルが習得できていたことに気づき、二人は歓声を上げた。



『すごーい!! ほんとにスキルが増えたー!!』

「やったね、わらび! この調子でどんどん覚えよう!」

『うん!!』








 そうして、日がな一日ワラビにスキルを覚えさせまくった結果。



「……やばい。私はこの世に魔王を生み出してしまったかもしれない……」



 イズミは西日の差し込む自室で頭を抱えていた。


 驚くべきことに、ワラビにはかなりのスキルに適性があって、イズミの作り出したスキルをほぼほぼ覚えてしまったのだ。

 攻撃、防御、回復、身体強化、ステータス強化etc……。


 もちろん、ワラビにも相性が悪いものはある。いかにも水属性らしい見た目のスライムだけあって、火や地属性のスキルは案の定覚えられなかった。


 しかしこの世には、地水火風光闇植物氷雷無と、十もの属性があるらしい。火と地のたった二つが使えないくらいは微々たる問題だ。寧ろ、残りの全てに適性があったことの方が問題である。


 何せ、解説書によれば人ですら適性属性は二、三もあれば優秀とされるのだ。

 イズミは賢者だから規格外と考えても、ワラビはごく普通の魔物、それも最弱と呼ばれるスライムである。見るからにレアな個体であろうと、そんなに覚えられるとは誰も思わないだろう。


 ゆえに、つい調子に乗ってあれもこれもと試すうち、魔王も裸足で逃げ出しそうな数のスキルを覚えてしまっていた。

 いや、この世界に魔王がいるのかは知らないけれど。

 少なくとも大抵のファンタジー世界で魔物の頂点に君臨するドラゴンですら、今のワラビには尻尾を巻いて逃げ出すに違いなかった。


 とはいえ、現状ワラビがスキルを使いこなすのは夢のまた夢である。

 何故かと言えば理由は単純で、スキルを使用するための魔力量が圧倒的に足りないからだ。


 魔力の最大値を増やすには、レベルを上げて基礎ステータス(魔力)を上げるしかない。

 そして、レベルを上げるには魔物と戦って経験値を得る必要がある。


 幸いにも、ここはダンジョン都市だ。魔物けいけんちには困らないし、イズミもワラビも既に十分戦えるだけのスキルを有している。可愛い顔をして案外好戦的なワラビなら、最初に少しアシストをすればあとは勝手に成長していくだろう。


 しかし、先日心に決めたように、イズミは状況が許す限り魔物と戦いたくなかった。


 森の厄介者であった、やさぐれスライム(イズミ命名)を倒してしまった時のイヤな感触がいまだに残っているのだ。あの悲しそうな声に、体がドロドロと溶けていく様は、忘れたくても中々忘れられない。


 正直、状況が許すのであればこのまま魔物とは戦わずに過ごしたかった。



(とはいえ、そんな悠長なことを言ってる場合じゃないしね……)



 自衛できなければ術技書で生計を立てるのは難しい。

 かといって、付与や術技書といった強みを捨てて普通に働くのはもったいない。せっかく人の役に立てそうな能力を持っているのだ、積極的に使わなければ宝の持ち腐れだろう。


 大体、先日の件で珍しいスキル持ちの噂を聞きつけた悪い輩に狙われる可能性だってある。


 今のところは出歩くにしても範囲が狭いし、新たに創造した【害意感知ホスティリティ】スキルのお陰で安全を確保できているが、それだけでも十分にレベルを上げるべき理由になるはずだ。


 状況が許さないのだから仕方がない。

 イズミはようやく、自分とワラビのレベルを上げる決心をした。



 そうなると次の問題は、どうやってレベルを上げるか、だ。

 街の外にも魔物はいるが、やはりダンジョンで魔物と戦う方が効率的に経験値を得られるだろう。ゲームのようにダンジョンは階数によって魔物の強さも違うらしいので、レベルの低い階層から始めれば問題ないはずだ。


 とはいえ、初心者二人でダンジョンへ挑んで効率的にレベル上げができるかと考えると……答えは否。

 先日得た報酬が尽きるまでにレベルを上げ、仕事を軌道に乗せなくてはならないのだ。そのためには、ある程度ショートカットで強くなる必要がある。


 その最たる手は、



(パワーレベリング、だよね。でもなぁ……ゲームでサブキャラやお兄ちゃん達に手伝ってもらうのとはわけが違うし、こういう世界でそういう育成法ってどうなの? 普通にご法度っぽいよね……)



 パワーレベリングとは、自分よりレベルの高い仲間に手伝ってもらって効率よくレベルを上げる方法である。

 レベルの高い仲間に魔物のHPを削ってもらい、最後の一撃を譲ってもらって魔物を倒す。そうすれば、レベルの低い者でも安全かつ効率的に経験値を稼げるという、オンラインゲームなどでよく使われる手だ。


 その手で経験値を稼げれば一番安全で手っ取り早い……のだが、ここは現実世界。ゲームの世界とは違って他力本願な育成法が受け入れられるかどうかが問題である。普通に考えれば褒められた行為ではないだろう。


 そうしてうんうん悩んでいると、扉をコンコンと叩く音がしてイズミは顔を上げた。



「おねーちゃん、いま忙しいー? 夜ごはんのしたく始めるってー!」

「あっ、ううん! 今行きます!」

「わかったー!」



 返事をするとラウラはパタパタと走り去って行く。

 一先ずサブマスに相談することにして、イズミは夕飯の仕度を手伝いに部屋を出た。







「手っ取り早くレベルを上げる方法? そりゃあ、冒険者に依頼して手伝ってもらうことだな」



 食後のコーヒーを飲みながら、サブマスはのほほんとした声で答えた。



「あ、そういう方法ってアリなんですか?」

「おう、普通にあるぞ。パワーレベリングって言うんだが、特に貴族や商人は自衛のためにある程度レベルがあった方がいいからな、冒険者に依頼して効率的にレベル上げさせてもらうんだよ。そういう依頼も冒険者の仕事の一つだ」



 この世界には賢者の影響が色濃く残っている。

 だから同じ名称なのかなと密かに驚きつつ、同時に納得もした。



「そうなんですね。てっきりそういう方法はご法度なのかと」

「もちろん冒険者や騎士の間では褒められた方法じゃねえけどな。つっても、パワーレベリングで伸びるのはレベルとステータスで、肝心のスキルレベルは上がらねえ。寧ろスキルの使用回数が減ることでスキルの成長が遅れるから、実戦を求められる奴には不向きな育成法だ。だから、パワーレベリングはいざという時に逃げられるくらいの体力や、牽制できるだけの魔力を増やせればいいっていう護身目的の貴族や商人向けの方法ってわけだ」

「なるほど……」



 イズミが持つ数々のスキルは、固有スキルである【術技創造】により生み出された影響か、術技創造に合わせてスキルレベルが上がる便利仕様となっている。そのため、一つ一つのスキルを使い込んでレベルを上げる必要がない。


 しかし、この世界では通常、それぞれのスキルを使い込むことでスキルレベルを上げていく必要がある。どうやら術技創造の便利仕様が適用されるのは所持者のイズミのみらしく、イズミの術技書により多くのスキルを覚えたワラビもまた、スキルレベルは使い込んで上げなければならないようだった。


 スキルの量が量だけに、非常に面倒な作業であることは間違いない。

 しかし、スキルレベルが一のままでは問題なのだ。


 なぜかと言えば、スキルレベルの上昇に伴って攻撃系のスキルなら威力増加、消費魔力減少、命中率上昇といった様々な恩恵――もとい、追加効果があるからだ。同じスキルを持つ者でも、当然、スキルレベルが高い方が強いということになる。


 ゆえに最低限の攻撃しか行わないパワーレベリングでは、スキルを使う機会が減るためスキルレベルが上がらない――つまり、ステータスの割には戦闘技術スキルレベルは低い、という残念な仕上がりになってしまうのだ。


 そのため、スキルレベルの追いつかない成長は、戦闘職にとって好ましくないのだろう。

 が、別に戦闘職を目指しているわけではないイズミにとっては、寧ろもってこいの育成法である。なんせスキルレベルは既に四もあるのだ。あとは基礎レベルを上げてステータスを伸ばすだけだろう。


 だから、とイズミはサブマスに尋ねた。



「それって、私も依頼を出せますよね?」

「おお、もちろん。依頼は誰でも出せるからな。レベルを上げたいのか?」

「はい。仕事を始めるにあたって、自衛のためにもある程度必要だと思いまして」

「ふむ、確かに。イズミには珍しいスキルがあるが、それもステータスあってこそだしなあ」

「ですよね。だから早めにレベル上げをしておこうと思いまして。仕事を始めてからじゃ大変でしょうし」



 サブマスは納得したように一つ頷いて、



「なら、俺が明日依頼を出しとく。信頼できる冒険者を紹介してやるから任せとけ!」

「ありがとうございます、よろしくお願いします!」

「おう!」


 下手に遠慮してもサブマスは喜ばない。

 素直に甘えることにして、予算や日数などいくつか希望を伝えると、明後日には始められるように手配をしてくれるとのことで、イズミは申し訳なく思いつつも素直に感謝した。


 レベル上げなんて本当にゲームのようだ。

 イズミはほんの少し、ドキドキしながら眠りについた。

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