↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ダンジョン発生からまだ数日ですが、ファンタジー好きの素人女子が最強パーティーになってしまった件』  作者: さらん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/27

【第三話】巻き込まれ戦闘と先輩の意地

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


あと1回戦闘したら帰ろう。

そう決めて、気負うことなく歩いていた。ゴブリンならなんとかなるし、スライムの不意打ちさえ気をつければ問題ない。そう油断していたのだ。このダンジョンを探索しているのが、私たちだけではないということに。


『キィーン!』『ブシューッ!』

「うおー!!」


前方から、剣と剣が激しく斬り合う音と、男たちの悲鳴が聞こえてきた。


「しおんさん、誰かが戦ってるみたいだね。どうする?」

「そうね。私たちみたいな素人が足手まといになっちゃ悪いから、やっぱり引き返そうか」


しかし、遅かった。

バタバタッと慌ただしい足音が近づき、気づけば4人の冒険者たちがこちらへ逃げてきていたのだ。しかも、その後ろには10数体もの武装したゴブリンが追ってきている。

私たち2人を加えても、敵の半分以下。完全なムリゲーだ。


「おい、お前たちも手伝ってくれっ! 俺たちだけじゃ全滅しちまうっ」

「えーと、でも私たち初心者なんで、戦力になりませんよぉ」


リーダー格の男に叫ばれたが、私は即答した。巻き添えはゴメンである。

だが、ゴブリンたちは意外にも素早く展開し、私たちまで完全に包囲してしまった。


「あんさん、巻き込まれちゃったみたい」

「そうだね。これじゃさすがに覚悟決めるしかないよね」


私たちの緊張感のない会話に、リーダーが苛立ったように怒鳴る。


「お前たち、状況が分かっているのか!? この剣持ちたち、かなり強いぞ。気を引き締めろっ」

「「は、はいっ。ごめんなさい」」


声がハモりつつも、私はすぐに指示を出した。


「あんさん、あの辺にファイアーボールお願い。私はこっちの2体なんとかしてくる」

「了解。撃ち漏らしたら手分けしてね」

『ファイアーボール!』


あんさんの掌から放たれた巨大な炎が、密集していたゴブリン3体を瞬時に火だるまにする。

私はその熱風に怯んだ目の前の2体に肉薄し、剣を振り抜いた。わずか数秒で、敵の数は3分の1削られた。

私が次の2体に斬りかかり、あんさんも残党と交戦を始める中、逃げてきた男たちは呆然と立ち尽くしていた。


「ねえ、呆けてる暇なかったんじゃないの? あなたたちも動いてよっ」


言い捨てて5体目を斬り伏せ、あんさんの前に躍り出る。


「あんさん、私が前衛やるから、後衛でファイアーボールお願い!」

「分かった!」

『ファイアーボール!』『ファイアーボール!』


あんさんの連続魔法が炸裂する間、私は剣持ちのゴブリンの刃を掻い潜り、数合の打ち合いの末に2体とも両断した。


「これでー、さいごっ!!」


私の剣が最後の1体にトドメを刺し、この理不尽な巻き込まれ戦闘は唐突に終了した。


「はあ、はあ……なんとかなったね、あんさん」

「しおんさん凄いよ、あっという間に8体も倒しちゃったじゃない」

「あんさんの魔法も6体やったでしょ。凄いよ」


呆然とする男たちを放置して、私たちは手際よく魔石を回収する。


「ねえ、この魔石は私たちが貰っていいですよね。15体倒したのは全部私たちなんですから」

「あ、ああ……問題ない」


しどろもどろに頷くリーダーに笑顔を向け、私たちは帰還の途についた。


「ま、待ってくれ! 俺たちは一昨日探索を始めた初心者なんだ。一緒に戻らせてもらってもいいだろうか?」

「一昨日ですか? なら先輩ですね。私たちは今日初めて挑戦したんですよ。先輩方、護ってくださいね」

「初日……? それであんなに凄いのか。いや、あのファイアーボールはどうやって……」

「ええ、それ教えて私たちになにか得することあります?」


結局、連れ立って帰ることになったが、先輩たちの戦闘はお世辞にも褒められたものではなかった。へっぴり腰で剣を振り回し、ゴブリン1体に時間をかけすぎる。なんとか出口に辿り着いたものの、これ以上のお守りは無理だった。

最後までお読みいただきありがとうございます。


最近流行りの「現代ダンジョンもの」ですが、すでにギルドやルールが整備された数年後の世界が多いなと思い、あえて「誰も何も分からない初日(黎明期)」を書いてみました。


ファンタジー知識ゼロの大人たちが右往左往する中、アニメ好きの女子たちがテンプレ知識だけでうっかり無双してしまう……そんな手探り感とすれ違いを楽しんでいただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。