【第二話】魔法使いの才能
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それでは、本編をお楽しみください!
再びゴブリン2体と遭遇した私たちは、お互いに近い方を担当し、危なげなく討伐を終えた。
「やったね」
「うん、なんか私たち、いい感じかな」
少しずつダンジョンの空気に慣れてきた頃、私はふと、あることを思いついた。
「ねえ、あんさん。私たち、もしかして魔法も使えないかな?」
「え、魔法? て、なに?」
「んー、例えば、『ファイアーボール』って言って――」
言いながら手を前に突き出した途端、ぽんっ、と私の掌から小さな炎の玉が飛び出し、ダンジョンの壁に当たって弾けた。
「「……え?」」
二人してポカーンと固まる。ステータスが開き、MPが8/10となっていた。
「し、しおんさん凄いっ! 火の玉が出たよ!?」
「う、うん、出た。あんさんもやってみたら出るかも……!」
「無理だよぉ、だってなにも感じないもん」
「私もなにも感じなかったよ! でも出たから、もしかしたら出来るかも。やってみよ?」
少し悩んでいたあんさんだったが、顔を上げるとキリッとした表情になっていた。
「わかった。やってみる。……『ファイアーボール』っ!」
ゴォォォォッ!!
放たれたのは、私のものとは比べ物にならないほど巨大な炎の塊だった。それは猛烈な勢いで壁に激突し、窪みを作った。
「す、すっごぉーい! 凄いよあんさんっ!」
「で、できた……私にもできた!」
興奮冷めやらぬ中、再びゴブリン3体と遭遇。あんさんが一度に2体を火だるまにし、私が怯んだ1体を両断するという完璧な連携が決まった。
「やっぱりあんさんは魔法使いの素質あるんだね」
「うん、実は魔法使ってから、私にもステータスが出るようになったの。MPが残り34って出てる。あと、Lvは1だって」
「ほんと!? 私はMP全然ないから、きっと物理系の戦士なんだね。あんさんは魔法使いなんだよ!」
「そっか……一緒ならよかったのに」
しょんぼりする彼女に、私は笑って首を振る。
「一緒より、違った方が有利なことの方が多いんだよ。お互い違ってたら、補い合えるからさ」
「あ……そっか。そういうことなんだ。さすがしおんさんは詳しいね」
魔法という強力な武器を手に入れた私たちは、「なんでこのダンジョン、明かりもないのに明るいんだろうね?」なんて呑気な会話をしながら、少しずつ奥へと歩を進めていくのだった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
最近流行りの「現代ダンジョンもの」ですが、すでにギルドやルールが整備された数年後の世界が多いなと思い、あえて「誰も何も分からない初日(黎明期)」を書いてみました。
ファンタジー知識ゼロの大人たちが右往左往する中、アニメ好きの女子たちがテンプレ知識だけでうっかり無双してしまう……そんな手探り感とすれ違いを楽しんでいただけたら嬉しいです。




