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屈辱ヒーロー、誕生

ここが”東京”と言われている場所なのはわかった。

で、どこなの?

ここは誰?俺はどこなんだ?

思考が混乱してきた。

ひとまず、言語が通じないのではどうしようもないので俺はひとまずその場を立ち去ることにした。

そのときに高くそびえる鉄の塔から見える姿は俺の現在を表していた。

え...これは誰...?

鏡に映っていた人物は、おおよそ自分のモノとは思えないグラマラスな肉体、顔、手足。

来世ってあったんだ...

だけどおかしい、来世というものがあるのならそれは生まれた状態から始まるものではないのか。俺は記憶をなくしているのか。とりとめのない考えが頭の中に浮かび、それが俺の脳を犯す。

来世というものがあったはいいものの、俺はどうやってこれから暮らしていけばいいんだろうか?不安が俺の心の棒を萎えさせる。

俺は明日へ着地できるかもわからぬ、帰る場所もわからないので、歩いていた。

すると、向こうから声が聞こえてきた。不思議とそいつらの話す言葉は聞き覚えがあった。

”いいからだだな”確かにそういっていた。

おかしい。俺はこっちで話されている言語を知らないはずなのに。

声のした方を振り向くと、覆面の男らが、女?の人の手を握り、捕まえていた。

その人は困惑していた。どうやらその人に言葉は伝わっていないようだ。

こいつらも前世の記憶があるのか?それとも、昔本で読んだ転生というやつだろうか?

ひとまず、ヒーロー(前世)として負けるわけにはいかない。

俺はとっさに声をかけた。

「待てい」

そいつらは振り向いた。奴らは少し驚きはしたもののすぐに俺をにらみつけた。

「なんだぁお前ぇ?」

とっさに聞かれて俺は答えられなかった。

前世で大した功績もない自称ヒーローな俺。俺の葛藤している最中に奴らが殴り掛かってきた。相変わらず困惑している女性をしり目に俺は奴らに立ち向かった。

負けた。

当然だったのかもしれない。奴らには知識というものがある。未開の地で困惑している俺とはちがい、全開の知によって、ここがどこで何なのかをしっているのかもしれない。精神的余裕の差は大きいものだ。あと人数差も。

前世で名誉を得ずにヒーローになれなかった俺が来世でヒーローになることはできないのか?

どうやらそうでもないようだ。奴らは俺を屈辱させる目にあわせて満足したのか帰っていった。女性?は解放されたのだ。

「よかった」俺はそういった。すると安堵していた女性の顔がみるみる曇っていった。そうか。この言語はこの世界では全く伝わらない異言語。不可解さで言ったらさっきの奴らと変わらない。

でも俺はつづけた。

「あなたが助かってよかった。」女性はゴーヤースムージーのような今にも逃げ出しそうな顔いろになっていた。

「おれはヒーローです!」

誤解を解かなければ。そうしてとっさに出た言葉。前世でヒーローになれなかったのに、自分の誤解を解くために俺は結局またこの虚飾の鎧をまとうのか。

しかし、女性は驚きつつも地獄から1本のくもの糸をみつけたような表情になった。そしてこういった。

「あなたヒーローなの?」ヒーローという単語は共通言語なのだろうか。その女性の話し方から疑問を投げかけているのだと感じ取った俺は、うなずいた。

すると女性が目を輝かせたように微笑んだ。

「うわーあてぃし、初めてほんもんのヒーローみちゃったわ。かあんどう。」

そういった女性は困惑しつつも、童話の登場人物をみるような目で俺を見た。

なんだ。俺がなにかおかしいのか。

そう思いつつ、立って再び鏡をみる。そこにはなんと緑の全身タイツを着ていた俺が映っていた。俺、いつの間にこんな姿に。

そういえば聞いたことがある。昔、異世界ではヒーローというものは変身して悪と戦う存在もいたと。

つまり、俺はなったのか。本物のヒーローに。

俺の心と全身タイツは太陽に照らされ、興奮で立っていた俺は勃っていた。


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