屈辱ヒーロー、現世界東京へと転生
これは、君たちが東京と呼んでいる僕たちから見た”現世界”で起きた話である。
一体どうして、こんなことになったんだろう。俺はただ本物のヒーローになりたかっただけなのに。
少し前の話をしよう。
ここはタイトークン。竜の住む国、タイトークン。変態どもが闊歩する国、タイトークン。このタイトークンは昔から露出魔、痴漢、猥褻物陳列者が多発する変態多発国だったため、200年前タイトークンを統べる国王、モードによって新たな法律が定められた。
それは、この国に住まう変態国民を1人検挙するごとに検挙者には1モードの現金が支給されるといったものだ。そして、この行いで生計を立てる者、
人それをヒーローと呼んだ。ヒーローは人によって個人差はつくものの平均年収はこの国のドラゴンを退治する者や医者に等しい額であるとされている。
だから、大した志もなく、かといって危険も嫌だし働きたくもないならず者共は楽に稼げそうなヒーローを目指し自称ヒーローを名乗り、暮らしている。
現代においてヒーローと呼ばれている者は、下水道に住んでいるネズミのように大量にいる。本当のヒーローのつらさや危険性もわからないような人間どもが。
ヒーローの仕事がただただ変態なやつをつるし上げるだけならもっと報酬は少なくて済むはずなのに、なぜ1モードももらえるのか。それは簡単だ。それは変態が人間に限った話ではないからだ。中にはドラゴンとのハーフ変態や純正な変態ドラゴン、変態ゴブリン、変態青年、とヒーローが対峙する変態はこの国に多くおり、危険の伴う相手が多いからである。もし、捕まってしまったときたら一巻の終わりだ。変態とは一種の伝染病のようなものだ、ミイラ取りがミイラ取りになることがよくある。
露出魔に勝つために露出勝負を仕掛けたらヒーローであるはずの自分が気づかぬうちに変態になっていたりするケースなどがある。
そんなリスクにも気づかず、下調べもせずにヒーローになるもののなんと多いことか。しかし、俺は違う。そう思っていた。
けど違った。俺も下水道に住むネズミの1匹にすぎなかったのだ。
これは、俺が死ぬ1か月前。俺は、ある富豪が変態どもの集う宴会を行っているという情報を聞き出し、それに潜入していた。そこで俺の聞いた情報とは想像を絶するものだった。それは、タイトークンで年に1度行われる神聖なモード祭における露出テロ行為の計画だった。これを持って帰れば俺は大量の変態検挙と、テロを未然に防いだ英雄として、曾孫の世代までは語り継がれると思っていた。正直俺はその時浮かれていて、ある行動を忘れていた。
それはこの宴会に集まっていた全員が行っていたパンツを露出させるという、あほらしい行動だった。いや、変態でないものをあぶりだすための暗号としてはよくできている。現に私もそれで捕まったわけなのだから。
捕まってからは過酷なものだった。ドラゴンの見たくもないパンツを見せられたり、はきたてホカホカのそれを頭にかぶせられるということもさせられた。その他大量な変態行為をされ、俺はこのままでは変態になると思った。そして、理性が残っているうちに舌を噛んで死んだ。
もし、来世というものがあるのなら、次こそはヒーローとして無名だった俺をヒーローとして活躍させてくれと。そう思いながら死んだ。
まぁ来世というものを俺は根本的に信じていないので、一種の現実逃避だったんだと思う。
でも違った。来世というものはあった。
だって死んだと思っていた俺は目を覚ましたのだから。
それも固い鉄の土の上から。周りには屋根のない高い家が大量にあった。
ここはどこだろう?試しに周りにいたおじいさんに話しかけてみた。
「ここはどこでしょう?」
きょとんとされた。もしや、言語が通じていない?俺のいた世界では言語は統一されており、この言語を話しておけばとりあえず全種族誰とでも会話ができるはずなのに。
きょとんとするおじいさんをしり目に地図らしいものを見た。
何と呼ぶのかわからない。”東京”と書かれていた。
「もしや俺は異世界に転生したのか!?」
どうやら来世はあるらしい。なぜなら俺が”東京”なる異世界へと転生することができたのだから。




