30話 入学試験終了
「それでは、始め!」
試験官の合図で現役騎士を相手にした総合戦闘試験が始まる。
不公平感をなくすためなのか各受験者に対して違う騎士が相手しているが、試合の展開は大体同じだった。
まず受験生が攻撃し、騎士がそれを捌く。ある程度のところで騎士が反撃し始め、攻守が逆転する。
人によっては何とか耐えることもあったが、再度反撃に転じるまでには至らず、そこで体力が尽きるか致命的な一撃をもらって終了していった。
ちなみに、レイラは体力が尽きて終了したグループだ。
(残ってる騎士ってあれだよな。
明らかにこっちを見下している態度なんだが…
これはあれか?全力でやってプライドを折れとかそういう依頼なのか?)
ユリスは試験官からの言外の依頼に考えを巡らせる。
「チッ、なんで俺の相手は平民のガキなんだ。
ガキとはいえ貴族に俺の力を認めさせれば将来の役に立つからこの仕事をしてるってのに」
順番になったためステージに上がっていくと相対している騎士はぐちぐちと文句を言っており、不満を隠そうともしていない。
「おいガキ!平民のくせに推薦試験に参加してるんじゃねえよ。めんどくせえからさっさと棄権しな!」
「よろしくお願いします」
ついには直接暴言を吐く有様だ。しかしユリスはこれをスルー。騎士の言葉など聞こえていないかのように試合前の礼をする。傍から見れば礼節を重んじる受験生という評価になるのだろうが、スルーされた側からすれば挑発以外のなにものでもない。
「このクソガキがっ…!
いいだろう、全力で叩き潰してやる!
おい!試験官!さっさと始めろ!」
事実、ユリスの対応に頭に血が昇った騎士は試験官にまで声を荒げて命令する。
「はぁ…
まあいい、それでは…始め!」
開始の合図と同時に騎士は剣を振りかぶった状態で走ってくる。
これまでの騎士達が守ってきた試験のセオリーなど完全に無視である。
「…『覇王一陣』」
それを見たユリスは当初予定していた小手調べを不要と判断し、魔纒を使ってから早速奥義を発動。
引き起こされたのは両者の姿が一瞬消えるという現象だ。直ぐに姿は現れたが騎士は装備ごと四散した状態で空中に、ユリスは開始位置とは逆側のステージの端に立っている状態であった。
ユリスが発動した奥義は言ってしまえばただの突進である。会場にいる騎士や試験官レベルですら視認出来ないほどの超スピードである上に身体強化、重量増加などのバフがかかった状態での突進という但し書きが付くが。高威力の反面、最初に定めた目標地点や距離に至るまでどんな障害があろうとも止まることは出来ない。それが衝突すると自分が潰れるような物であってもだ。ただし発動キャンセルは可能なので高速移動中のわずかな猶予でキャンセルという常人離れしたテクニックがあれば回避は可能である。
四散した騎士が地面に落ちると光となって消えてしまいそのまま試合終了となった。
「そ、そこまで!」
ステージ上で引き起こされた惨状に試験官までもが少し顔を引き攣らせている。
それにしても、ステータスのおかげでそうそう傷を負う事はないはずなのに何故これだけの惨状が引き起こされたのか。それは一部の技が持つ“破壊特性”というものが原因である。この特性を持つ技は相手の防御力を大きく上回る威力で命中すると部位破壊を引き起こすという特徴があるのだ。HPが残っていれば専用の魔法や薬で再生は可能だが、発動条件を鑑みるに生き残れるかは半々といったところだろう。
試合は終了したためステージ外にて騎士の体は元に戻る。
ユリスは礼をしてからステージを降りるが、騎士は自身の身体があるという事実に安堵するや否やユリスの姿を捕らえてしまい、恐怖のあまりにアリーナから一目散に逃げ出していく。
(依頼完了っと…爆散したのは予想外だったけど、死なないんだし問題なしなし)
一仕事終わったとばかりにスッキリした様子のユリスは試験官から向けられる畏怖の視線を受け流しつつ観客席まで戻り、次の試験の説明を受ける。
「次は面接だからこれから元の控室に戻ってもらう。
そこから1人ずつ呼んでいく流れだ。
最後に説明があるから面接が終了した者も控室に戻ってきてもらうが、面接内容を話してしまわないように今後は私語が禁止となる。
道は覚えているな?それでは控室に戻ってくれ」
全員で元の控室に戻るが、魔法実技前に感じていたような居心地の悪さは消えていた。
どうやらユリスの実力について明らかに次元が違うと理解した事で嫉妬や恐怖の感情が尊敬や憧れに変わったようだ。
そんな周囲の変化を尻目に、レイラは相変わらずユリスの隣を陣取って楽しそうに歩いている。
控室で少し待っているとユリスの名が最初に呼ばれる。
何らかの意図が有るのかは不明だが実技の順番は関係ないようだった。
「失礼します」
「そこへ座って」
会場にいた面接官は5人で受験生をゆるく取り囲むような位置で座っていた。
「それじゃあ、自己紹介からお願いするわ」
「はい。名前はユリスといいます。
種族は狐獣人です」
そこで先ほどから指示を出している女性の特徴的な尖った耳が見えエルフであることは伺えた。
(エルフ!なら、この人が学園長か。
…ん?この魔力が自分に向かって放たれる感覚はこの前もあったな。うん、とりあえず邪魔しておこう)
ユリスが自身に放たれた魔力に干渉すると学園長が少し驚いたような反応を見せる。
(犯人は学園長っと。
ただ目線がこっちから少しずれているしおそらく鑑定かな?)
「こほん…はい、ありがとうございます。
それではいくつか質問するから正直に答えてちょうだい」
どうやら学園長は進行メインで質問は他の人がするようだ。彼女の右隣の人から始まり、少し想定型の質問が多い気はするが概ね普通と言っていい面接が展開されていった。
ところが、右端の面接官からの質問が始まったあたりからユリスは部屋の空気が変わったような感覚を覚える。
「それじゃあこれから問題を出すから答えてもらえるかな。君の場合はそうだな…計算にしようか。
151×642−4308÷359はいくつかな?」
何かが起こる、ユリスがそう直感した瞬間に両端の面接官の方向から魔力が放たれる。
(!!
この感覚はあのセミの鳴き声と同じ系統か!?
とりあえず周囲の魔力を制御しておかないと)
ユリスの頭を過ぎったのは鋼樹の森で自身を死に戻りさせたウツセミである。ジルバにわざわざ進言するほど警戒していた魔物だ。その対処法はしっかりと確立しており、今では無意識に対処してしまうレベルにまで至っている。
そんな魔物の発する音を聞いた時と同じ感覚が引き起こされたのだ。ユリスは即座に周りの魔力へ干渉することで放たれた魔力を乱してから自分の内在魔力を制御する。
ここまで来れば制御を手放さない限りは放たれる魔力の影響を受ける事はない。安心したところで出された問題の事を思い出したユリスはすぐに解答する。
「96930です」
「…え?ああ、ちょっと待ってくれ…」
(何だこいつ?自分で問題を出したくせに答えがわからないのか?
そういえばこいつも魔力を放っていたんだったな。はなから妨害目的か…まさか割り算が整数になったのも偶然なんじゃないだろうな?)
何かに驚いたかと思えばなかなか正誤の判定をしないため、ユリスは呆れた視線で面接官を見た後に学園長を見つめる。
「はぁ…何をやっているのですか。貴方が出した問題でしょう…?それにこの程度の問題くらい教師ならすぐに答えなさい。
ユリスくん、その答えで合っていますよ。
ザギー先生、質問はそれで終わりにしなさい」
「申し訳ありません…」
「次はバグン先生ですね。何かありますか?」
「そうですね、この学園には貴族の子女も多く在籍している。なので、あなたが貴族という存在についてどう考えているのか伺えますか?」
「はい、貴族という称号は功績を陛下から認められた者という証でもあります。なのでその方々は尊敬に値する方々ですし、敬うべきと考えています」
質問に答えた段階で、ユリスはまたもや魔力の放出を感知する。
またかと辟易しながらも一介の教師が精神干渉などという犯罪まがいの技能を有しているという違和感に出どころを探っていく。するとザギー、バグンと呼ばれた教師それぞれの手首に同じ装飾のブレスレットが着けられている事に気づいた。
(あれが原因か?
鑑定を…やっぱりそうか)
いかにも怪しげな腕輪なので鑑定してみたところ、出てきた結果は
―――
【名前】増幅の腕輪(負)
【効果】
手首に嵌めて魔力を流すと視認した対象に向かって負の感情を増幅させる効果のある魔力波を放つことができる。
付与効果:使用者登録認証
【詳細】
直線に魔力波を放つ精神干渉型魔道具のため、障害物があるとうまく作用しない。
複数の魔道具を同時に使うと魔力波が共鳴して効果が上がることがある。
魔力を最初に流した者は自動的に使用者登録される。
新規登録は手首に嵌めて一定量の魔力を流せば可能。
管理者登録の起動には装飾部の両端に触れて魔力を流す必要がある。
管理者:なし
使用者:エムエド、バグン
―――
(やっぱり精神干渉系か…
でも確かこれ系の魔道具の使用は法律で禁止されていなかったか?いや、詳細鑑定じゃないと明言されていないから認められない可能性があるか。
まあ、学園長に教えた後にディラン殿下に報告すれば何とかするだろう。
好きにやっていいって言われてるし)
「ふむ、実に立派な答えだ。だが、その割には今朝貴族に対して楯突いていた。
これはどういうことだ?言動が全く一致していないではないか」
「今朝?…ああ、あれですか。
私は一切喋っていないのですが、何をもって楯突いていたと判断したのでしょうか?
それと、そう断言するという事は貴方は実際に見ていたのでしょう。私はまだこの学園のシステムにあまり詳しくないのですが、学園の教師はそういった貴族と平民との揉め事では貴族側につくという規則があるのですか?」
「何?……君のその態度が楯突いていると言っているのだよ。今朝も似たような態度をとっていただろう。
先ほど君は敬うべきと言っていなかったか?」
「ええ、そうですね。
私は功績をあげた方々は敬うべきと申しました。
その家族なだけの方やただ継承しただけの方に対しては他と一緒でその方の人間性を見て判断します。今朝や今はその結果ですね。
それで先ほどの疑問にお答えはしていただけないのでしょうか?」
「この…「ンンッ!」…規則としては明言されてはいない。だが、暗黙の了解として学園の教師は貴族に充分な配慮をするか、そうでなければ出来るだけ関与しないことになっている。
下手に介入すると貴族に睨まれるからな」
「そんな了解は存在しませんよ。
学園の規則には特待生以外では身分に問わず平等に扱うとしっかりと書いてあります。
バグン、自分本意な言動で学園を貶めるのはやめなさい。
……後で覚えておきなさいよ?」
学園長の表情を見て咳払いで注意を促したザギーの行動も虚しく、自信満々に展開されるバグンの言い分を学園長が横から怒気を孕んだ言葉でバッサリと切り捨てる。ザギーとバグンの場を乱す言動に頭を抱えながらではあるが。
「はぁ…バグン、あなたも質問はそこまでよ。
悪いわね、ユリスくん。こちらからの質問は以上よ。
次は、あなたから何か質問や疑問はあるかしら?」
「では……
この学園は犯罪者を教師として雇うのですか?」
「…何ですって?」
突然の問題発言に学園長は思わずお前もかと言わんばかりの非難の目を向けてしまうが、それを受けるユリスはどこ吹く風と受け流し、発言の補足をしていく。
「いえ、先ほどからそちらの両端にいらっしゃる方の手首から精神干渉作用のある魔力波が放たれているものでして。
王国の法律では精神干渉型の魔道具を人に向かって放つのはもちろん所持することすら重罪のはずです。
もっとも、入手後に鑑定せずに所持したままだったというミスの可能性もあるため、判明後すぐに王城に提出すればその限りではありませんが、身に着けている上に使用したとなればそうはならないでしょう。
教師はほとんど個人でダンジョンの探索をしないと聞いていますし、未鑑定のまま2人が同じ装飾のダンジョン産のブレスレットを手首に嵌めているかつたまたま面接中にたまたま同時に魔力をブレスレットに注いだなどということは考えづらいですからね。
ああ、それともし疑うのであれば手首に装着しているブレスレットを鑑定してみるといいでしょう。
学園長はおそらく鑑定をお持ちでしょう?」
「……!!
2人を取り押さえなさい!」
ユリスが淡々と、口を挟む間もなく正論を畳みかけているとザギーとバグンが急に立ち上がり、扉に向かって走り出した。
それを見た学園長は他の面接官に取り押さえるよう命じる。どうやら取り押さえた面接官の方が圧倒的に強かったようで、扉まで到達する事すら出来ずに2人はあっさりと捕まった。
「腕を出しなさい。
……!!あなたたち…!
ブレスレットはこっちで回収して後で殿下に報告しておくわ。
悪いけど2人を騎士団の控室まで連れて行ってもらえるかしら。第4騎士団長がいたはずだから拘束してもらうように依頼してちょうだい」
目を見開いて2人を睨む学園長の様子を見た限りばっちりと魔道具を鑑定できたようだ。
ちゃんと効果まで鑑定出来るかは賭けだったようでユリスは少し安堵していた。
「ユリスくん、悪いけど次の受験生に悟られるわけにはいかないから彼らが戻ってくるまでここにいてちょうだい。
あと、控室は私語厳禁になっているから大丈夫だろうけど、念のため外部でもこのことは無闇に話さないでもらえる?
あの2人の背後に誰がいるのか調べる必要があるからね」
「わかりました。
ただ、推薦してくれた方々には報告する必要があると思いますので、そちらはご承知ください」
「ええ、分かっているわ。
にしても、殿下から話がきたときはどんな子が来るのかと楽しみにしていたけど、まさかこんな事になるとはね。
そういえば、負の感情を増幅させるってあったけど体調は大丈夫なの?」
「ええ、魔力波を放つもののようでしたから周囲の魔力を乱して影響をなくしている間に自身の内在魔力を干渉されないように制御していればなんら影響はありません。
鑑定の妨害も同様の方法でできますよ」
「何でもないように言ってるけど相当な技術よそれ。
それにしても鑑定もバレていたのね。勝手に見ようとしてごめんなさいね。
というか感知できるものだとは知らなかったわ」
「私も初めは鑑定だと気付きませんでしたけどね。
目線から多分そうかなと。今の言葉で確信しました」
「はは、完全に貴方の手ひらの上というわけね。
ん…どうやら戻ってきたみたいね。それじゃあ面接は終わりにしましょう。
犯罪者摘発のご協力感謝します」
「いえ。それでは失礼致します」
他の面接官が戻ってきたところで退出を促され、ユリスは一礼をしてから部屋を出ていく。
控室に戻ると、やけに長い時間がかかっていたために好奇の目に晒されるが、話す事は出来ないので席に座って目を瞑り黙ったまま他の受験生の面接が終わるのを待つ事にする。
おおよそ3時間後、最後の1人が終わり試験官と共に戻ってくる。
「さて、今日は1日お疲れさん。
これで入学試験は終了となる。
1月後に学園の正門広場…案内板があったところに合格者の受験番号が掲示される。
ああ、特待生と一般で掲示の場所が違うから必ず両方確認していけよ?それと当日に案内をしていると思うが、合格していたらその場で入寮手続きをしていく必要があるから忘れないように。
以上だ、それでは解散!」
どこか慌ただしい雰囲気がする試験官の一言でそれぞれが帰り支度を始める。
「ユリスさん、途中まで一緒に帰りませんか?」
「ん?ああ、いいよ」
2人は部屋を出ていき、一緒に校門までの道を歩いていく。
「それにしても、ユリスさんがあんなに強いとは驚きました。私もこれまで努力をしてきて、同年代ではそれなりに強い自信があったのですが全く敵う気がしません」
「まあ、僕は3歳から修行させられていたし、5歳で魔物相手に実戦もさせられていたからね。普通とはちょっと違うと思うよ」
「魔物相手ですか!?
神造ダンジョンは年齢制限があったはずですし、そうなると辺境の天然魔物相手ですか。
5歳からそれとは…どうりで敵わないはずですね」
(あ、やべ。そうか、年齢制限あったんだっけか。
ちょっとこの話はやめた方がいいな。何か他の話題は……)
ユリスがちょっと焦り気味に話題を探している間に校門近くまで来ていた。
校門の外には誰かの迎えらしき馬車がいくつも停まっている。
「あら、あれはうちの馬車のようですね」
その言葉を聞き、ふとレイラの見ている方向に目を向けると馬車の近くに見覚えのある女性が手を振っているのを見つける。
「ああ、そうなんだ…うん?シエラ?
何であんなとこにいるんだ?」
「あの女性ですか。
どのようなご関係なのでしょうか?」
「ああ、僕の推薦者だよ。
過保護な人だから多分迎えにきたんだろう」
横から若干の威圧感を感じたユリスはそちらに顔を向けないまま無難な解答をする。
「そうだったのですね。
でしたらここでお別れでしょうか」
「そうだね。今度は学園の同級生として会えることを祈ってるよ」
「ええ、私も祈っております。
それではごきげんよう」
そうしてレイラと別れ、ユリスはわざわざ少し離れていったシエラの方に向かっていく。
「ユーくん、お疲れ様。
早速なんかやらかしたみたいだね。教師っぽい人が隠れて連行されてたよ?」
「僕がやったのは確定なんだね。まあ、やったけども。
それで、何でいるの?来るとしても明日宿の方にだと思っていたんだけど」
「それでもよかったんだけどね〜
せっかくユーくんが頑張ったんだからあの店で労おうと思って」
「おっ、そういうことなら大歓迎!早く行こ!」
2人は前に行った中華料理屋に向かって足を進める。
「そういえば宿だけど、今日のところはそのまま帰ってもらって明日また移動する感じでお願いね」
「……りょーかい。
まあ、報告もあるだろうしね」
店に着き、料理を待っている間シエラから今後の予定を告げられる。どうやら最低でも合格発表までの1ヶ月間はまた王城でお世話になることが決定しているようだ。
「それで、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
「ん?なに?」
「一緒にいた女の子は誰?」
シエラの質問に一瞬空気が固まる。
「ああ、控室がずっと一緒でね。
その関係もあってか帰りに少し話をしていたんだ。
フォーグランド家の令嬢だったみたいだし、今後も縁がありそうだからね」
「ふうん…フォーグランドの娘なのね…」
(何で、浮気を問い詰められているみたいな雰囲気になっているんだ!?
シャルティア様、何か聞いていた話と違うんですが…!?
…とりあえずは地雷を踏まないように返していかないと)
シエラはユリスの第2夫人というポジションを本気で狙っているために、重要な要素である正室…第1夫人になりそうな女性の情報を真剣に収集しているだけである。
そうとは知らないユリスはシャルティアに話が違うと内心文句を言いつつも、面接の時よりも緊張しながらシエラからの問いに答えていく。まさにその返答する様相が浮気男が苦し紛れに言い訳しているようになっていると気づかないままに…




