XIII:無我
多分、不滅の使ってる技はこれまでに見た物のコピーで、不滅に出来る範囲の事を無理やりそこまで組み立ててる。
もしかすると僕でも出来ないんじゃないかな?やる必要ないけど。
そんな無茶苦茶をやる為に、僕に届く為に、不安定要素を捨てたんだろう。
――――
法則の顔に笑みが浮かぶ。
――――
いやー…嬉しいね、それだけやってくれるなんて。
――――
法則の目にはゆっくりに見えるが、膨大な量飛んでくる光と剣を赤い帯で弾き続けている。
――――
……懸念点は【双転ヰ相】を真似られる事か。最悪なのは蒼発動直後に入れ替えられて、僕の方がスタンする事。入れ替えを使ったら僕もそのまま入れ替えないとで…ただブラフも使われそうだしなー……
――――
思考速度が元に戻る。
――――
てか遠距離禁止解除されちゃってるや。…やっぱ雑なのはすぐ解除されちゃうね。
「【相転位相】」
――――
法則が「不滅」の眼前へ転移する。
――――
◆◇
魔力回路の編集を開始。模倣元は【Freikugel】、魔力回路は第四ラインと1番の翼を使用。
起源は「魔力」「祝福」。星系統による外付け魔方陣の再現を開始。
光系統による出力増加機構の作成を開始。
――――
「不滅」の魔力回路の一部が、僅かに形を変えていく。
幾何学的な形をした翼の一枚に、奇妙な紋様が刻まれていく。
紋様が刻まれた翼を手に持ち、切っ先を向けるかのように構える。
――――
「【Freikugel】」
◇◆
「【因果逆行】!」
――――
衝撃波は止まらない。
――――
効いてない!?
――――
法則はそれを辛うじて避けたが、半身が消失する。
――――
…魔力ごと削られた…いや、持ってかれた……
――――
が、瞬きする間に元に戻る。
――――
連打されたら厄介だなー。…無法で弾けるかな。
――――
切っ先の様に向けた翼から煙が上がっている。
――――
◆◇
魔力回路編集開始。模倣元は水氷系魔術、第五ラインを使用。
起源は「魔力」「祝福」「環境」、
星系統+法則無視による逆位相空間の生成を開始。
光系統による温度の上昇及び他空間への非干渉用の不可視結界を開始。
――――
「不滅」は演算を続けている。
自身の魔力回路を編集し、過去に見た技を再現し、本来使えない筈の物を無理矢理行使し続けている。
――――
翼の冷却開始。
――――
紋様が刻まれた翼に霜が付き、「不滅」は再び同じ様に構える。
――――
「【Freikugel】」
――――
翼から放たれたに衝撃波に加え、目から放たれた光や剣が法則へ向かう。
――――
◇◆
「【破棄】!」
――――
大半の光は破棄された空間を埋めた為消えたが、衝撃波はそれを突破した。
――――
「「装填」」
――――
衝撃波を指先に装填し、
――――
意外と行けるんだねえ。
「「発射」!」
――――
撃ち返す。
――――
「Burst」
――――
が、「不滅」に当たる前に空中で爆ぜる。
――――
…僕の魔力も巻き込んでるハズなんだけどなあ。
◆◇
魔力回路編集開始。模倣元は【Freikugel】、第四、第六、第七、第八、第九、第十ライン、及び第一、第二、第三、第四、第五、第六翼を使用。
――――
「不滅」の魔力回路と翼が変化する。
光と剣の猛攻の中、法則はそれを見逃さなかった。
――――
◇◆
…やば、
――――
六つの翼から順に衝撃波が放たれる。
――――
さっすがに捌き切れない!
「【黒月】!」
――――
ブラックホールが生成され、衝撃波はそちらに吸い寄せられていった。
――――
…吸い込まれてくれないか。
――――
一瞬引き寄せられる様な挙動をしたが、現在の「不滅」にはその影響が無いように見える。
――――
いやー、本当に分が悪い。僕の攻撃は通りが悪い癖に、不滅の攻撃は僕に良く通る。
――――
法則の顔には笑みが浮かぶ。
――――
……どの道ジリ貧、決めるなら一発…カウンター上等!
◆◇
魔力回路編集開始。模倣元は水氷系魔術、第五、第十二、第十三、第十四、第十五、第十六ラインを使用。
起源は「魔力」「祝福」「環境」、
星系統+法則無視による逆位相空間の生成を開始。
光系統による温度の上昇及び他空間への非干渉用の不可視結界を開始。
――――
冷却が間に合わず湯気が立ち上っていた六枚の翼全てに霜が付く。
――――
魔力回路編集開始。模倣元は調律、第一ラインを使用。
起源は「空間」「調律者」「狂花」、星系統による空間干渉を開始。
魔力回路編集開始。模倣元は【Schadenfreude】、第二ラインを使用。
起源は「空間」「光」「闇」、星系統による再現に、法則無視を加える。
光系統による再現に、法則無視を加える。
魔力回路編集開始。模倣元は【4:33】、第三ラインを使用。
起源は「空間」「環境」、星系統による音響遮断空間の生成を開始。
魔力回路編集開始――
――――
「不滅」は編集を繰り返し続けている。「不滅」であるが故に。
「不滅」は枠を定める神権。つまり、「不滅」の体は本来変更が効かない。
無論例外はある。「不滅」という概念の定義は当人が決める事故、多少の融通は当人の意思次第である程度効く。
しかし、現在の「不滅」はその意思を、自我を、精神を燃やし尽くした。
それ故に水面に絵を描くが如き所業を成した。成してしまった。成せてしまった。
本来であれば無意識が自動で起こす全ての行動を、頭蓋の中で完結させてしまった。
だからこそ法則と渡り合えている。
だからこそ、限界が来た。
――――
◇◆
…?攻撃が止まって……
――――
唐突に目や鼻から金色の血が流れ出し、同時に六枚全ての翼が砕ける。
――――
誘って…るにしても!乗るしかないでしょ!
――――
神域が一気に狭まり、両者は零距離まで近づいた。
――――
動かない…カウンター誘いか、まだ手があるのか……どっちでもいいや、隙に変わりはない!
――――
法則が「不滅」に触れる。
――――
「【蒼々流転】」
――――
「不滅」の体が歪む。
――――
…反撃してこない……そっか、終わりか。
「…じゃあね不滅。本当に、本当に…楽しかったよ。」
――――
神権で定めた枠が歪んだ事で、「不滅」の形がずれていく。
そうしてずれて、ずれて、ずれて……「不滅」は霧散して、どこかへと消えた。
――――
はー……次は無いかもなあ。ま、楽しい時間なんてそんなもんだよね。一回あっただけ良かったかも?
必要不必要関係なく全部のタブ消してCPUの機能を集中させた感じ
OSも消しちゃったからアレなんだけど




