「法則」
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渚と法則は混沌とした摩天楼の中を駆け降りて行く。
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「「法則」の域じゃ無いだろ!」
「あっはは!楽しいねえ!」
!また来る、
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渚が足元のガラスを突き破り室内へ入った直後、窓の外を大量の牛が駆け抜けていく。
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「逃げるばかりかい?」
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渚の目の前に法則が現れ、空間を爆発させる。
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……ははっ、無茶苦茶だ。
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数十フロアが吹き抜けに変わったが、渚は無傷のまま法則へと転移する。
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ギィン!
「刀を手で受けるな!」
「僕が決めた法則にそんなのは無いよー」
「【天の川】、【近接信管】!」
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無数の剣が法則へ向かい、爆ぜる。
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「残念。」
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爆風は蝶の形に変わり、ビルの四方へと散ってから爆ぜた。
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対応するって事は一応効く……って事だと思いたいが。
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崩れ始めたビルは、巨大な電車の中に変わった。
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…これ本当に法則か?
「ご明察~、神権反転・無法!」
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電車が急激に縮みだす。
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「法則はルールの追加、無法はそのルールから外れた事が出来る。あ、開示したけどバフは掛からないようにしてるから、安心してね。」
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縮んだ事で、人一人が歩ける程度の広さに変化した。
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…乗るか、
「夜!」
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正面の渚から斬撃が飛び、法則の周囲には無数の剣がその切っ先を向けている。
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「…起爆!」パチン!
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法則が指を鳴らすと同時に、渚の魔力全てが爆ぜる。
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「あごめん、やりすぎた。」
「……【星海を越えて】」
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一瞬動きを止めた法則へと転移する。
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「復帰早いねえ、痛いでしょ?」
「そりゃなぁ!」
煤回収する暇はない、仕掛け続ける!
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電車は爆発の余波で消し飛んだが、二人は構う事無く殴り合う。
法則は渚の攻撃の幾つかを防ぐが、渚は回避どころか防御する事なく攻撃し続ける。
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……巻雲、
「お、」
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法則が両の腕を伸ばした瞬間、法則の体を固定する。
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「神権反転――」
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その隙に渚は法則の懐に入ったが…
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「しょ――」
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下から何かに突き上げられ、不発に終わる。
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…熱、煙……火山!?
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気づけば、噴火中の火口の上空に居る事になっていた。
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……煙は好都合だな、
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星が煌めいた。
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◇◆
…あれ、居なくなっちゃった。……煙のある場所にしたのは失敗だったかな。
「夜!」
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煙を裂いて黒い斬撃が法則へと飛ぶが、法則はそれを受け止め、放たれた方向へ打ち返す。
――――
◆◇
流石に当たらないか。
……私が法則に届くとすれば、煤または「消滅」のどちらかしかない。…だが、法則の掌の中じゃどうしたって当てられない。
◇◆
……僕も不滅も、お互いに決め手らしい決め手が無いんだよねえ。不滅の魔力全部起爆したのに無傷だったし。混沌でもダメージ入るんだけどなあ。
◆◇ ◇◆
ならばどうする?
◆◇
一応試したが速攻で押し戻された、つまりここは法則の神域だ。なら、強制的に上書き出来れば私の神域としてこの空間を掌握できる。
やり方は覚えた、その為の土壌もある。
◇◆
体は不滅でも、精神はその通りじゃない。僕と同じで、存在しない内側は意外に脆い物だ。
僕の攻撃を肉体じゃなく、精神に直接通す。…一体どうなるんだろうね。わくわくしてきた。
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火山がひっくり返り、火口から流れ出た溶岩が空へ向けて垂れ始める。
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「お先にどうぞ。」
◆◇
どの道こっちから仕掛けないと始まらんだろ。
「――【Overwrite】」
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渚と法則を取り囲む空間が揺れる。
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◇◆
「凄いね!僕の神域を上書きするなんて!」
天空の模倣かな?
「お前なら妨害できるだろ?」
「いやいや、それじゃつまんないし。」
◆◇
傲慢と言うべきか、余裕と言うべきか……まあ、いつまでもその調子では居させないさ。
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火山から垂れた溶岩がある所を境に海水へと変わっていく。
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…ま、溶岩よりは動きやすいかな。
「海か。その発想は無かったな…」
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渚が侵食した空間の外側にガラスが張られる。
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「わざわざ水槽にする必要あったか?」
「今のは無意識だね。いやほんとに。」
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水槽に水が満たされ、周囲が完全に水となった。
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水中になったのは想定外だが…仮にも私の神域、大分動きが楽になった。
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渚はまるで水中では無いかのような動きで法則に迫る。
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…よし、抵抗の軽減は出来てるな。
◇◆
……妙に重いな。僕の神域じゃないのもあるだろうけど、水の抵抗…というには重いし……
「夜!」
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斬撃を弾くのが僅かに遅れ、手が少し切れる。
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◆◇
通った!どうせ治りはするだろうが連続で通せば行ける!
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法則に肉薄する。
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夜で焼けば少しぐらいは止まるだろ、
「夜!」
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燃えるような魔力を纏った煤を法則へ投げる。
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「……なるほど、抵抗を弄ってるのか。」
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法則に刺さる寸前で煤が止まる。
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「投げたのは失敗じゃない?」
「いや?Burst!」
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煤が爆ぜる。
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「…後からでも飛ばせるんだ。」
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爆風に乗って、煤に纏わせていた魔力は法則を撃った。
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神権付与・不滅
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周囲の水全てに不滅が付与される。
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と巻雲!
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法則を縛る水圧が更に高まると同時に渚が突っ込む。
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風穴開けた身動きは取れない、死んで無いならここで消す!
「【双転ヰ相】」
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渚と法則の位置が入れ替わる。
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◇◆
…そんじゃ、試してみようか。
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法則が渚に向けて手をかざす。
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◆◇
動けな「【法則干渉:精神】」
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バギン、という様な音が鳴り……装束が消えると共に、渚が意識を手放す。
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◇◆
神域が解け始めちゃった。………君も違ったか。
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周囲の水全てがただ一点、法則の掌の中に集まる。
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「【因果逆行】」
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掌の水が、極小に圧縮された魔力に変化する。
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……技名考えないとなー。次混沌が来たら試してみたいし。
「バン。」
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渚の姿が消える。
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