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未定  作者: 大倉
争奪の世、三千世界
92/108

「法則」

――――

渚と法則は混沌とした摩天楼の中を駆け降りて行く。

――――


「「法則」の域じゃ無いだろ!」

「あっはは!楽しいねえ!」


!また来る、


――――

渚が足元のガラスを突き破り室内へ入った直後、窓の外を大量の牛が駆け抜けていく。

――――


「逃げるばかりかい?」


――――

渚の目の前に法則が現れ、空間を爆発させる。

――――


……ははっ、無茶苦茶だ。


――――

数十フロアが吹き抜けに変わったが、渚は無傷のまま法則へと転移する。

――――


ギィン!


「刀を手で受けるな!」

「僕が決めた法則にそんなのは無いよー」


「【天の川(ステラ)】、【近接(Burst:)信管(Range)】!」


――――

無数の剣が法則へ向かい、爆ぜる。

――――


「残念。」


――――

爆風は蝶の形に変わり、ビルの四方へと散ってから爆ぜた。

――――


対応するって事は一応効く……って事だと思いたいが。


――――

崩れ始めたビルは、巨大な電車の中に変わった。

――――


…これ本当に法則か?


「ご明察~、神権反転・無法!」


――――

電車が急激に縮みだす。

――――


「法則はルールの追加、無法はそのルールから外れた事が出来る。あ、開示したけどバフは掛からないようにしてるから、安心してね。」


――――

縮んだ事で、人一人が歩ける程度の広さに変化した。

――――


…乗るか、


「夜!」


――――

正面の渚から斬撃が飛び、法則の周囲には無数の剣がその切っ先を向けている。

――――


「…起爆!」パチン!


――――

法則が指を鳴らすと同時に、渚の魔力全てが爆ぜる。

――――


「あごめん、やりすぎた。」

「……【星海を越えて(アストラルブリンク)】」


――――

一瞬動きを止めた法則へと転移する。

――――


「復帰早いねえ、痛いでしょ?」

「そりゃなぁ!」


煤回収する暇はない、仕掛け続ける!


――――

電車は爆発の余波で消し飛んだが、二人は構う事無く殴り合う。


法則は渚の攻撃の幾つかを防ぐが、渚は回避どころか防御する事なく攻撃し続ける。

――――


……巻雲(マキグモ)


「お、」


――――

法則が両の腕を伸ばした瞬間、法則の体を固定する。

――――


「神権反転――」


――――

その隙に渚は法則の懐に入ったが…

――――


「しょ――」


――――

下から何かに突き上げられ、不発に終わる。

――――


…熱、煙……火山!?


――――

気づけば、噴火中の火口の上空に居る事になっていた。

――――


……煙は好都合だな、


――――

星が煌めいた。

――――

◇◆


…あれ、居なくなっちゃった。……煙のある場所にしたのは失敗だったかな。


「夜!」


――――

煙を裂いて黒い斬撃が法則へと飛ぶが、法則はそれを受け止め、放たれた方向へ打ち返す。

――――

◆◇


流石に当たらないか。


……私が法則に届くとすれば、煤または「消滅」のどちらかしかない。…だが、法則の掌の中じゃどうしたって当てられない。


◇◆


……僕も不滅も、お互いに決め手らしい決め手が無いんだよねえ。不滅の魔力全部起爆したのに無傷だったし。混沌でもダメージ入るんだけどなあ。




◆◇ ◇◆


ならばどうする?




◆◇


一応試したが速攻で押し戻された、つまりここは法則の神域だ。なら、強制的に上書き出来れば私の神域としてこの空間を掌握できる。


やり方は覚えた、その為の土壌もある。


◇◆


体は不滅でも、精神はその通りじゃない。僕と同じで、存在しない内側は意外に脆い物だ。


僕の攻撃を肉体じゃなく、精神に直接通す。…一体どうなるんだろうね。わくわくしてきた。






――――

火山がひっくり返り、火口から流れ出た溶岩が空へ向けて垂れ始める。

――――


「お先にどうぞ。」


◆◇


どの道こっちから仕掛けないと始まらんだろ。


「――【Overwrite】」


――――

渚と法則を取り囲む空間が揺れる。

――――


◇◆


「凄いね!僕の神域を上書きするなんて!」


天空の模倣かな?


「お前なら妨害できるだろ?」

「いやいや、それじゃつまんないし。」


◆◇


傲慢と言うべきか、余裕と言うべきか……まあ、いつまでもその調子では居させないさ。


――――

火山から垂れた溶岩がある所を境に海水へと変わっていく。

――――


…ま、溶岩よりは動きやすいかな。


「海か。その発想は無かったな…」


――――

渚が侵食した空間の外側にガラスが張られる。

――――


「わざわざ水槽にする必要あったか?」

「今のは無意識だね。いやほんとに。」




――――

水槽に水が満たされ、周囲が完全に水となった。

――――


水中になったのは想定外だが…仮にも私の神域、大分動きが楽になった。


――――

渚はまるで水中では無いかのような動きで法則に迫る。

――――


…よし、抵抗の軽減は出来てるな。


◇◆


……妙に重いな。僕の神域じゃないのもあるだろうけど、水の抵抗…というには重いし……


「夜!」


――――

斬撃を弾くのが僅かに遅れ、手が少し切れる。

――――

◆◇


通った!どうせ治りはするだろうが連続で通せば行ける!


――――

法則に肉薄する。

――――


夜で焼けば少しぐらいは止まるだろ、


「夜!」


――――

燃えるような魔力を纏った煤を法則へ投げる。

――――







「……なるほど、抵抗を弄ってるのか。」


――――

法則に刺さる寸前で煤が止まる。

――――


「投げたのは失敗じゃない?」

「いや?Burst!」


――――

煤が爆ぜる。

――――


「…後からでも飛ばせるんだ。」


――――

爆風に乗って、煤に纏わせていた魔力は法則を撃った。

――――


神権付与・不滅


――――

周囲の水全てに不滅が付与される。

――――


巻雲(マキグモ)


――――

法則を縛る水圧が更に高まると同時に渚が突っ込む。

――――


風穴開けた身動きは取れない、死んで無いならここで消す!





「【双転ヰ相】」


――――

渚と法則の位置が入れ替わる。

――――

◇◆


…そんじゃ、試してみようか。


――――

法則が渚に向けて手をかざす。

――――

◆◇


動けな「【法則干渉:精神(シャーデンフロイデ)】」


――――

バギン、という様な音が鳴り……装束が消えると共に、渚が意識を手放す。

――――

◇◆


神域が解け始めちゃった。………君も違ったか。


――――

周囲の水全てがただ一点、法則の掌の中に集まる。

――――


「【因果逆行】」


――――

掌の水が、極小に圧縮された魔力に変化する。

――――


……技名考えないとなー。次混沌が来たら試してみたいし。


「バン。」


――――

渚の姿が消える。

――――

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