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未定  作者: 大倉
争奪の世、三千世界
89/108

交響曲

◆◇


「今日も異変なし。…これで一週間か。」

「…スターゲイザーの改良、及びAS-01の改造、決戦状況用の配備、全て完了しました。」

「悟られてないよな?」

「…恐らくは。」


……エドガーは何を待っている?


◇◆


「同期完了しました。居心地はどうですか?」


――――

エドガーが円卓に話し掛ける。

――――


「悪くはなさそうですね。…そちらはどうですか?」

「かっぱらってきた魔神は行ける、円卓共はエラー吐いて無いか確認してる。」


……未だ渚さんに悟られて居ないのであれば、もう少し準備をしたい所ですが…










◆◇


おや…


――――

小さく白い鳥が、渚の肩に止まる。

――――


「……話は聞いた、…協力したるわ。」


「ありがとう、…天空。」

「天空やない、(シャン)や。」

「…これからよろしく。」


「…てか俺ん力借りる言うても、どうするつもりなん?天空の効果は俺ん神域の中やないと機能せえへんで。」

「やりようがあるからお前を頼るんだ。…変な気は無いよな?」

「無いわ!…ほんまは俺が仇取りたかったけども、取ってくれた事を知って敵対する気はないわ。」


…本心か。


「じゃ、ちょっと協力して貰おうか。」






――――

天と渚が、魔法陣の中心に立つ。

――――


「私の世界ではほぼ全員に魔力回路って言う第二の血管がある。これを介して魔力を扱うのが私の世界流だ。」

「…俺のとこも大体同じやな。法則のせいなんやろか?」

「収斂進化の可能性もありますが…どちらにせよ、魔力は基本法則に由来しますから、同じように変化するのは必然かもしれませんね。」

「大事なのは同じ様な機能を持つ器官がある事だ。行けそうか?」

「はい。…これより、同期を始めます。」


――――

魔法陣が淡い空色に光り始める。

――――


「…これは一方通行だ。君の魂にある神権の通り道に私がなる、ただそれだけだ。」

「あー……あー?」

「…やっぱ葉月が説明したほうが良かったんじゃないか?」

「開示によるバフは当人がやらないと意味がないかと。「自身の手の内を明かす」、というのがトリガーなので、相手が内容を理解していなくてもバフ自体は付くようですね。」


――――

魔法陣の光が収まる。

――――


「……見えるか?」

「……何を探して欲しいんか、教えてくれや。」


――――

人型に戻った天は、虚空を見つめている。

――――


「「不滅」「全能」「災害」「天空」、この四種以外の神権、または神域。」

「……葉月…やったか?座標の共有ってできるんかな。」

「……把握しました。渚様、」


――――

渚の思考に、その座標が写る。

――――


「葉月、後頼む。」

「……承知しました。…お気を付けて。」

「言われなくても。」


――――

渚が手を伸ばす。

――――







◇◆


視線……!


――――

振り返った瞬間、

――――


バキッ


――――

エドガーは顔を殴られ激しく吹っ飛ぶ。

――――




◆◇


何かされる前に速攻で潰す!


天の川(ステラ)!!」


――――

無数の剣がエドガーに突き刺さる――

――――


「エドガー!」


――――

寸での所で、剣が全て逸れる。

――――


…もう一人か!


「Burst!」


――――

逸れた剣が爆ぜる。

――――




夜刻(ツァノク)




!?


――――

エドガーともう一人が消える。

――――


……消えた…


渚様、

「どうした?」

…急ぎ地上へ。現在対処を進めていますが、大量の魔物と魔神が出現しました。

「分かった。」


――――

星が煌めいた。

――――




「状況は?」

突然「塔」が顕現し、そこを中心として大量の魔物が出現しました。

「対応は?」

一等星、二等星を除く人々は結界内に収容完了。

「他は?」

出撃させました。被害状況は数名が離脱したのみです。

「魔神は?」

海域の蒸気旗艦を除く『』、水塗、二面鏡は既に討伐されました。

「早いな。」

『』は此方で、水塗は唯様と楓様が倒しました。


――――

環を使って浮く渚の眼下には、濁流の様に群れを成して動く魔物の群れと、それに飛ぶ光線や、戦う人々の姿が映る。

――――


……ははっ。







「「星灯」、夜!」


――――

海上に浮かんでいた船が両断され、沈む。

――――


……さて、さっきは何をされたのやら。


――――

魔物の群れは依然として進行を続けているが、塔の周りが焦土になっていない。

――――


…あ、


――――

どこからか吹き飛ばされて来た南宮を渚が捕まえる。

――――


「おー渚さん!」


…対して怪我してないか。


「調子どうだ南宮?」

「いやー強いっすねえ、あれ。」


――――

南宮の指差す先には、炎を纏った魔神が浮かんでいる。

――――


「ちょっと投げてくれます?」

「はいよっ!」


――――

渚が南宮を放り投げる。

――――


「【勝利、栄光(Arjuna)】」

「そりゃもうパクった(・・・・)ぞォ!【アルジュナ】!!」


――――

爆発と爆発が相殺し合う。

――――


…それじゃ私は本丸に。


「夜」


――――

黒い斬撃が塔へと飛ぶが、

――――


「【000】」


――――

塔の前に出てきた人型の魔神が、それを弾く。

――――


弾かれた…あいつか。


――――

渚は即座に転移し、魔神に煤を突き立てるが、

――――


防いだ……もしかして同じ法則無視か?


「【第四世界】」


――――

渚と魔神の空間が遠ざかる。

――――




◆◇◆

――――

唯、楓、悠華の三人は、魔物の群れを掻き分けて走っていく。

――――


「【額縁(Photo)】!」

「【魔弾(フレイキューゲル)】!」


――――

大量の魔物が消え去るが、次から次に湧き出す。

――――


うーんキリ無いなあ、私はいいけど悠華と楓君が持つかどうか……


「二人ともまだ行ける?」

「まだ行けます!」「…行けるよ!」


――――

唯が魔物を二人から反らし、再び楓が弾丸を放つ。

――――


……結界の辺りはあの砲台が何とかしてるし、炎の魔神も南宮君が何とかしてる。となると私達が塔を何とかするべき…なのかな?


プトレマイオスからも連絡無いし……こっちの動きに文句はないって解釈取ろうかな。


「…悠華、」

「まだ大丈夫。…本当に大丈夫。」


楓君は自分の魔力使わないんだっけ。でも、悠華は魔力使ってるし…


「大丈夫にしてもちょっと休んで、まだ温存してて欲しいな。」

「……わかった。」


――――

悠華が一歩下がる。

――――


「【魔弾(フレイキューゲル)】!」


――――

魔物が消え去る。

――――











……全然進まない。


――――

魔物の量は増え続け、楓が魔術を発動しても進まなくなり始めた。

――――


「…唯さん。この量の魔物、どれだけ止められますか?」

「私だけなら…20秒、悠華が協力してくれるなら良くて30秒。悠華、行ける?」

「回復したから行けるよ!」

「じゃあ3分は行けるかな。やろうか?」

「お願いします。」


――――

一行が足を止める。

――――


「止めて!」

「【額縁(Photo)】!」


――――

魔物の群れが一瞬止まる。

――――

◆◇◆

空間調律、


――――

一行を取り巻く様に空間が渦を巻き、都市部へ向かっていた魔物も含む全ての魔物が集まり始める。

――――

「ふんっ!」


――――

唯が集まってきた魔物を空間ごと振り回す。

――――


「楓君ごめんもうあんま持たないかも!」

「…ちょっとだけ下がってください!」


――――

唯が一瞬魔物を止めた隙に、二人は楓の後ろに下がる。

――――


………


――――

楓の右手と足元に魔法陣が展開される。

――――


…………


――――

唯が振り回していた魔物が消え始める。

――――


………………!


――――

楓が指を構える。

――――


「――【魔弾(フレイキューゲル)】」










◆◇


……強いな、


――――

渚は別の空間で魔神と競り合っていた。

――――


煤が効かない、とはいえ煤を引っ込めるとこっちがやられるか。


おまけに格納庫も断絶されてるな。どうしたもんか……




……?…!


――――

渚が空を踏み上方向へと跳躍した直後、魔神ごと空間が削れる。

――――


…楓君の魔術か?好都合!


――――

割れた箇所から、元の世界へと転移した。

――――




……こりゃ凄い。


――――

超広範囲が削れ、大半の魔物が消え去ったが、塔は未だ姿を変えていない。

――――


塔の方は楓君対策してるのかな?


「夜!」


――――

塔へと斬撃が飛ぶが、突如出現したエドガーがそれを弾く。

――――



――――

それを見て転移した渚が殴り掛かるが、上に引かれる様にしてエドガーが消える。

――――


転移……だと思うけど、ちょっと変だな。


「【星海を越えて(アストラルブリンク)】」


――――

渚は塔へと手を伸ばすが、塔の内部へは転移出来なかった。

――――


…弾かれた……この手の結界張れるのか。


『渚さん。入るのであれば、どうぞ玄関からいらしてください。』


――――

塔に入口が生成される。

――――


「罠とかあるか?」

『御座いませんよ。』


何かしら企んではいそうだが……乗ってみるか。

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