クレッシェンド
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「…では、始めましょう。」
◆◇
…!
「蒸気旗艦の出現…いえ、これは……」
「最大レベルの警報出せ。…完全介入を開始する。」
――――
屋外に転移する。
――――
……魔物の大群、蒸気旗艦、二面鏡、水塗…『』。
「悪い。」
「お構いなく。既に主要都市部には結界を展開。60%の避難が完了しました。」
「遅い、急がせろ。」
「承知しております。」
「「星灯」――」
――――
三重に輪を展開しつつ、白い装束を纏った渚は、深く、深く息を吸う。
――――
「――【天の川】!!」
――――
空が地平の果てまで白く染まり、そこから飛び出した無数の剣が豪雨の様に降り注ぐ。
――――
まずは『』から、
――――
星が煌めき、炎が燃え盛っている都市へと飛んだ。
――――
だ…じゃない、面倒な物大怪j…じゃなくて。
――――
都市の中心部で大暴れしている『』に、無数の剣が突き刺さる。
――――
「大怪獣!!!じゃないBurst!」
――――
突き刺さった剣が爆ぜる。
――――
お前にはこっちの方が効くだろ!!!
「【魔弾】!!」
――――
光線の様な攻撃が着弾すると同時に『』が光り輝き、跡形も無く爆散する。
――――
次、
――――
星が煌めき、所謂スチームパンクな船が浮かぶ海上へと転移した。
――――
「侵食の進行度は?」
「未だ海からは出ていませんが、数分後には地上に侵食するかと。」
――――
海中やそこに生息する魔獣や植物等が、蒸気で動く機械になっている。
――――
流石に切り替えるか。
――――
渚が煤を抜くと同時に白い装束が消え、
――――
「「星灯」」
――――
黒い装束が展開される。
――――
「夜」
――――
黒い斬撃が船を両断する。
――――
「…反応消失。侵食が戻り始めました。」
「……水塗と二面鏡は放置、次行くぞ。」
――――
星が煌めき、渚は焦土と化した大地へと転移した。
――――
塔、列を成して踊る炎…いや、本体は浮いてる魔神か……塔の中にも幾つか反応があるが…
「夜」
――――
黒い斬撃が塔へ飛ぶ。…が、
――――
「【00】」
――――
塔の前に出てきた人型の魔神が、斬撃を弾く。
――――
弾かれた!?…あの魔神か?
「……同じタイプか。」
「ご明察。」
――――
渚の近くにエドガーが現れる。
――――
ギィンッ!
「……危なっかしいですね。」
――――
エドガーの持つ杖が、渚の煤と鍔迫り合いになる。
――――
ちっ、
――――
互いに距離を取り直す。
――――
「…何故競り合えるのか、ご説明いたしましょうか?」
「法則無視だろ?私の煤と同じ。」
――――
煤は大抵の物を断ち斬る事が出来る。だがそれは、法則無視…つまり、法則が定めた物体の強度を無視する事が出来る、というのがタネである。
その為、同じく法則無視を持つ物と競り合った場合、互いに相殺する為"何でも断つ刀"ではなくただの"刀"になる。
――――
…さっきの魔神が発動した魔術…技?…大方こいつはそれを利用しているんだろう、獲物自体に大した効果は無さそうだし。
「ツァイン、タヴレーフ。渚さんの足止めを頼みますよ。」
――――
エドガーが呼ぶと同時に、人型の魔神が一体、渚に向かって飛んできた。
――――
……さっき夜をかき消したのはこいつか。
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魔神の手には、刀が握られている。
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てか、なんか私と似てないか?
「――【第四世界】」
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塔から渚へと声が響き…
――――
「それでは、どうぞお楽しみ下さい――」
――――
渚と魔神の空間が遠ざり、景色が薄れる。
――――
空間系、葉月とも途絶……
意思…は無さそうか?ならまあ、加減の必要は無いだろ。
――――
二人は幾度となく衝突し、火花を散らす。
――――
…やっぱ煤で戦うのは難しいな、どうにも!…制御が効き辛い。
向こうも同じ…とするには、私よりも小回りが利いてるっぽいし、私のとは過程が違いそうだ。
夜はラス1、撃った後装束を切り替える暇はあるのか、そもそも夜でこの空間を突破出来るのか。
――――
魔神を弾いて距離を取り、渚は手を伸ばす。
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「【星海を越えて】」
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星が煌めいた……が、元の空間へは戻れなかった。
――――
まあ転移で距離は取れた。……何試すにしても面倒だし、さっさと片づけるか。
「【拡大】、【巻雲】」
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空を踏み、魔神へと飛び出す。
――――
「っ……」
――――
速度こそあったが、その単純な軌道は魔神に読まれ、渚の胴は腰辺りで両断され、金色の血が噴き出る。
――――
「…なんてな、」
――――
煤が魔神の体に刺さる。
――――
「夜!!」
――――
魔神の内側から黒い炎が噴き出る。
――――
…久々に捨て身したな。仮にも神を名乗る以上、あんまり被弾する姿を見られないようにしてたんだが……まあ、仕方ない。
――――
魔神は抗う様子を見せていたが、数秒後には燃え尽き、消滅した。
――――
……薄々気づいてたが【天の川】が使えなくなってるな、格納庫にもアクセス出来なくなってるのか。
妙に薄いが一応外は見える……とは言え、何か出来る事あるかな……
――――
既に髪にしか残っていない黒い装束を解除し、新たに白い装束を展開し直す。
――――
煤は……効果無し、流石に対策してきてるか。
今出来る事から考えようか。
1.煤を振る。効果無しだから論外。
2.星系統魔術。転移と格納庫は無理だった。
3.光系統魔術。まだ試してない。
4.神権反転。…空間に作用するか分からないし、外に出たとしても反動が怖い。
試すなら光系統か。
――――
六本の剣を生成する。
――――
さて、広さはどんな物なのか……
――――
上下前後左右の六方向へ剣を飛ばす。
――――
……どっかで止まったりしてないな。広さに制限はない感じか?…複数人居れば、もう少しちゃんと検証出来……魔神、殺さないで無力化ぐらいに止めとけば良かったかな。
…物量で空間を不安定にするのは無しだな。単純に時間が掛かるし、ここまで広げても不安定にならない辺り許容量は相当な物だ。
とーなると、星系統に賭けるか?……いや、もう一個あるな。
――――
深く息を吸う。
――――
「――神域侵食・不滅」
――――
渚を中心として、神域が押し合う事無く展開されていく。
――――
ビンゴ!やっぱ空だったか。
――――
神域に浸食されても、空間はその様相を変えない。
――――
……成程、空間的に奥へ飛ばされた感じか。…ここでも一応法則が機能してる辺り、まだまだ及ばなさそうだ。本当に。
「【星海を越えて】」
大怪獣!!!:大怪獣!!!(特撮の怪獣みたいな奴 認識すると思考が塗り潰される)
蒸気旗艦:周囲の環境をスチームパンクに変えていく。人も例外ではないが、渚は神権でそれを無効化出来る




