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未定  作者: 大倉
争奪の世、三千世界
85/108

五線譜は紡がれる

9/26

――――

楓は唐突に目を覚ました。

――――


…あれ、隔離外されてる。


――――

端末が鳴る。

――――


「今すぐ出れますか?」


プトレマイオス……あー、起きろ起きろ。


「行けます。」

「承認されました、転送を開始します。」



















…あー、今日学校か。


――――

部屋の隔離が解除される。

――――




「行ってきまーす。」


――――

外は季節が進み、心無しか涼しくなっている。

――――


◇◆


「はっ――はははっ!」


呆れた力だ!流石だ……だが、出し抜いたのは此方だ。


「…嬉しそうだな、エドガー。」

「そう言う貴方に取っても、これは喜ばしい事でしょう?」




「……そりゃあ、神域において絶対的な神域の主を出し抜いたんだ。嬉しいさ。」


――――

そうした会話を交わす二人が眺めている先には、数人が座れそうな円卓が置かれている。

――――


「…次の試験は明日行います。」

「何度もやったら感づかれないか?」

「構いません。どの道、私達が渚さんに見つかるのは時間の問題でしょうし。」


「さて、状況整理と行きましょう。」







◆◇


「…もう一度確認しろ、本当に異常は無いんだな?」

「……はい。スターゲイザーからも、「私」としても、何か異常を感知していません。」


…気のせい、と割り切るのは怖いが…とはいえ予感の域を出ないし…


「……警戒レベル引き上げ。スターゲイザーの改良も急いでくれ。」

「承知しました。」




…何かがあった筈だ、私が探知出来ないとなると外様…まあ、十中八九エドガーだろうが……


……能力が不明なのが割と痛いな。正直神権の名前だけじゃ、能力の詳細が全く分からん。


もう一人に関しては一切が不明だ…が、あの影みたいな魔物がヒントになるか?




楓君の魔術の無効化、自身の生成した空間への転移……


後者はともかく、前者は異例だ。魔物である以上、体を構成する物は全て魔力だ。魔力を巻き込む性質を持つ【魔弾(フレイキューゲル)】は、そうした魔物に対して特効がある……


…私のハリボテに対しての反応的に、ある程度は効いていた可能性が高いが…それでも即殺出来ない程度には軽減出来ていた。…私でも、食らったらそこそこの致命傷になるんだがなあ。




「あーー、ーー……」


――――

頭を激しく搔く。

――――


…不確定要素が多すぎる、推察どころか妄想の域を出ん。


「葉月~、何とかできないかー?」

「…無理です。今の私は神では無いので。」

「……ま、しょうがないか。」


「…後手にしか回れないのがもどかしくはあるが……まあ、カウンター一発で沈めればいいだけだ。」


そこまで把握されてたら…ちょっと不味いか。







◇◆


「ヘエを顕現させてからざっと3分だ。」


――――

プロジェクターが、スクリーンに映像を映し出す。

――――


「…この時点までは、まだ私達の方が優勢だったんですが。」


――――

映像では、巨大な塔と炎が文字通り舞う(・・)焦土、そして空を浮かぶ人影が映し出されている。

――――


「次に6分。」


――――

塔が切り裂かれ、舞っていた炎の悉くに剣が突き刺さり、人影が何かに両断された映像に切り替わった。

――――


「…無双ゲーって、こういうのを言うんだろうな。」

「出し抜けただけ上場でしょう。…やはり、対渚さん特化の駒が欲しいですね。」

「作れるのか?」

「ええ。出来るからやるのですよ。」


――――

空の円卓に6つの椅子が並べられた。

――――


……陽動として玩具箱の中身を全て放出して、それでも尚3分……


――――

玩具箱の中には、ブリキの船、怪獣のぬいぐるみ、閉じた鏡、青いクレヨン、そして様々な形のフィギュアが詰まっている。

――――


…次の進展次第ですが、これだけあれば……勝ちの目はあるかもしれません。

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