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未定  作者: 大倉
争奪の世、三千世界
83/108

上から下まで

――――

かなり遠くから、サイレンの音が響く。

――――


「警報?」

「…かなり遠いし、気にしなくていいだろ。」

「危なくなったらお母さんが教えてくれるし。」


…なら、こっちに集中した方がいいか。


――――

五人の眼前には、霧に包まれた街が広がっている。

――――


「さてお四方。これ一応、一等星()の仕事だから、ケガとかしないでね?」

「「了解です」」

「うぃっす」

「はーい!」


――――

唯が手をかざすと、街を覆っていた霧が晴れる。

――――


「霧には触らないこと、動く影を見たら逃げる事、私から離れないこと。」

「もし触っちゃったら隠さないですぐに言うこと。以上!」


――――

五人が霧の晴れた街へ入る背後では、空に(ひび)が入っていたが、それには誰も気づか無かった。

――――




「……「霧に触ったらその部分が琥珀に包まれる」、なんて信じられないですね。」

「信じられなくても実際そうなるんだ、警戒しろよ。」


今は愛宕さんが霧を散らしてくれてるけど、そうでもしなきゃまともに戦えない…だから魔神なのか。


――――

一行は街の中心部に近く。

――――

◆◇◆

……いるねえ。


――――

同時に霧が再び立ち込め始めるが、唯は依然として霧を寄せ付けない。

――――


私だけでも良かったんだけど…それでも手こずるか。楓君と真司君をアタッカーに、私が防御しつつ……





「悠華と源斗君は止めて、楓君は攻撃、真司君は私に付いてきて。」


――――

数刻遅れて四人が構える間に、唯は前へと走る。

――――


…出た!


――――

霧の中からムカデの形をした魔神が飛び出す。

――――


…火球2、直後に悠華と真司君が動いて、その後は楓君か。


――――

唯が正面から来た魔神の上に乗る。

――――


硬いけどっ!


――――

背を踏み砕く事で、魔神を一瞬怯ませる。

――――


「【額縁(Photo)】!」


――――

その隙を縫い爆発が二度発生、直後魔神が硬直する。

――――


今の内に……


「天殺星」


――――

刀を抜いた真司が、魔神の顔に切断面を作るが、効いていないとばかりに再生していく。

――――


これでよし。


――――

しかし、魔神が動きを止めた僅かな間に、唯が細長く曲がりくねっていた体を直線状に整えていた。

――――

…ここまでお膳立てされたんだ、ちゃんと決めなきゃ。


――――

楓の周りの霧が消えていく。

――――


「【魔弾(フレイキューゲル)】!」


――――

楓の指から放たれた弾丸が、魔神を一直線に貫く。

――――









――――

主が消えた事で、街からは完全に霧が晴れた。

――――


…魔神というには、あっけないような。


「私がメタ張れるし、君の魔術は魔物に対して特攻あるからね。まあこんなもんだよ。」

「他の一等星(人たち)も相性いいのとぶつかって、それでちゃんと勝っただけだからね。」


◆◇◆


近接はともかく、単純な攻撃力だけを見るなら頭抜けてるし、早い内に一等星になっちゃいそう。


「それじゃ、今日は解散。お疲れ様でした。」













…あれ?さっき、僕何も喋ってなかった様な…?

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