上から下まで
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かなり遠くから、サイレンの音が響く。
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「警報?」
「…かなり遠いし、気にしなくていいだろ。」
「危なくなったらお母さんが教えてくれるし。」
…なら、こっちに集中した方がいいか。
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五人の眼前には、霧に包まれた街が広がっている。
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「さてお四方。これ一応、一等星の仕事だから、ケガとかしないでね?」
「「了解です」」
「うぃっす」
「はーい!」
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唯が手をかざすと、街を覆っていた霧が晴れる。
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「霧には触らないこと、動く影を見たら逃げる事、私から離れないこと。」
「もし触っちゃったら隠さないですぐに言うこと。以上!」
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五人が霧の晴れた街へ入る背後では、空に罅が入っていたが、それには誰も気づか無かった。
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「……「霧に触ったらその部分が琥珀に包まれる」、なんて信じられないですね。」
「信じられなくても実際そうなるんだ、警戒しろよ。」
今は愛宕さんが霧を散らしてくれてるけど、そうでもしなきゃまともに戦えない…だから魔神なのか。
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一行は街の中心部に近く。
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◆◇◆
……いるねえ。
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同時に霧が再び立ち込め始めるが、唯は依然として霧を寄せ付けない。
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私だけでも良かったんだけど…それでも手こずるか。楓君と真司君をアタッカーに、私が防御しつつ……
!
「悠華と源斗君は止めて、楓君は攻撃、真司君は私に付いてきて。」
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数刻遅れて四人が構える間に、唯は前へと走る。
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…出た!
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霧の中からムカデの形をした魔神が飛び出す。
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…火球2、直後に悠華と真司君が動いて、その後は楓君か。
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唯が正面から来た魔神の上に乗る。
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硬いけどっ!
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背を踏み砕く事で、魔神を一瞬怯ませる。
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「【額縁】!」
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その隙を縫い爆発が二度発生、直後魔神が硬直する。
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今の内に……
「天殺星」
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刀を抜いた真司が、魔神の顔に切断面を作るが、効いていないとばかりに再生していく。
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これでよし。
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しかし、魔神が動きを止めた僅かな間に、唯が細長く曲がりくねっていた体を直線状に整えていた。
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…ここまでお膳立てされたんだ、ちゃんと決めなきゃ。
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楓の周りの霧が消えていく。
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「【魔弾】!」
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楓の指から放たれた弾丸が、魔神を一直線に貫く。
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主が消えた事で、街からは完全に霧が晴れた。
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…魔神というには、あっけないような。
「私がメタ張れるし、君の魔術は魔物に対して特攻あるからね。まあこんなもんだよ。」
「他の一等星も相性いいのとぶつかって、それでちゃんと勝っただけだからね。」
◆◇◆
近接はともかく、単純な攻撃力だけを見るなら頭抜けてるし、早い内に一等星になっちゃいそう。
「それじゃ、今日は解散。お疲れ様でした。」
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…あれ?さっき、僕何も喋ってなかった様な…?




