ルールと変化
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翌日早朝
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「まず、スターゲイザーの観測精度を上げろ。出来れば二分は欲しい。」
「…善処します。」
「で装甲についてだ。」
「渚様に必要でしょうか?」
「今の所はある程度セーブしてても勝ててるが、また惑星クラスの奴が出てきた場合は全力を出したい。そうなると、今度は神域が持たないだろ?」
「今考えてるのは、不滅の力をほぼ全部神域に回して、ある程度の攻撃なら傷つかない+速攻で治るレベルにする。」
「そうなると、渚様自身の耐久が不安ではないですか?」
「だから検討中だ。もう一つ考えてるのは――」
「――どちらにしても、直ぐには無理ですね。」
「追々でいいさ。今すぐ決戦って訳でも無いし。」
後は…愛宕さん達に振り分ける仕事の内容か。
…力量の差を考慮して、相応の仕事を振り分け……いや、私がやる事でも無いか?
「楓君達を四等星に格上げ。仕事の振り分けは頼む。」
「了解しました。」
「やあケリオス。調子はどうかな?」
「…常日頃が穏やか故、暖かな心で過ごせておる。」
「それは何より。…幾つか聞きたい事があってね。」
「世界間移動の方法が知りたい。」
「…世界に穴を開け、虹の空に突入する。」
「世界に穴を開ける、というのは具体的に?」
「…文字通り、としか言えぬな。」
……星系統で代用出来るかな。
「こういう感じか?」
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渚は手を伸ばし、門を開く。
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「違う。世界に穴を開けるには、もっと速度が必要だ。」
「……開ける、というより突き抜ける感じか?」
「…そうだな、それが近しい表現だろう。口下手で済まない。」
…来るときの罅割れはこれの所為か?
「大体分かった、ありがとう。」
「葉月、FUへの要望追加。最高速度を引き上げて欲しい。上限は限界まで。」
「……了解しましたが、施工期間は更に延びますよ。」
「極力早めに頼む。」
……???
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突然、渚の頭の中に妙な感覚が走る。
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あー、あー、聞こえてるかな?
「法則か?」
これは無差別な物だから返答は出来ないよ。
今回はルールの追加をしようと思ってね。争奪が始まった以上、君達の衝突は増えていくだろう。
僕はそれをおもしろおかしく見物させて貰ってるんだけど……皆手の内を隠しすぎで面白くない。
という訳で、手札を見せる事によるバフを追加するよ。活用するもよし、敢えて活用しないのもよし。
ちなみに、このルールは神権を持たない人達にも適用されるからね。そこは平等じゃないと、でしょ?
「葉月、聞こえてたか?」
「はい。恐らく、神権を持つ者全ては確認したかと。」
「上昇率の確認する、試験場開けれるか?」
「了解しました。」
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渚は広く白い部屋に入った。
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「とりあえずデフォルトの出力から。」
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渚の右手が消え去るが、数秒後に塵が集まるようにして元通りになる。
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「…約3秒、次行くぞ。」
「私の神権「不滅」は、対象の状態を一つの枠として定義し、その枠を保ち続ける能力だ。」
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再び同じ事が起こる。
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「……変わったか?」
『はい。3.06秒から2.74秒に短縮されました。』
…微妙な数字だが、ギリギリ誤差だと馬鹿に出来ない範疇か?
「次行くぞ。」
「通常の出力であれば、枠に収まっている物に変化は起きない。だが、出力を下げるにつれ最大単位が下がる。」
「枠自体は変わらないが、本来崩れない中身が崩れるようになる。そして、その崩れた中身を戻すのも「不滅」の範疇に含まれる。」
「私の場合は今の状態が枠だが、中身は私を構成する分子が最大単位だ。その為損傷はするし、回復の際塵が集まる様にして治る。」
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右腕が消え去る。
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……お?
「ちょっと早くなったか?」
「…2.74秒から2.23秒に短縮されました。」
他のもこんな感じなら、割と馬鹿にならなさそうだな。
「情報統制はしなくていいが……影響ありそうなのは南宮か。ちょっと話してくる。」
「よー南宮、悪い知らせを伝えに来た。」
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げんなりした表情で、青年が顔を向ける。
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「…いい知らせから聞きたいんですけど。」
「悪い知らせだけだ。手札を見せる…つまりは、自分の能力の開示をする事によるバフ…が世界の仕様になった。」
「……まあ、俺はバカなんで、話されても理解できないから問題ないですよ。」
フリだろうに。
「ま、ただの忠告だ。他の奴に話してもいいが、出所が私なのは黙っといてくれ。」
「へーい。…あそうだ、律さん出てきたんでしたっけ?」
「ああ。今後は表で動いてくれるそうだ。」
「…じゃ、今度挨拶にでも行きますわ。」
「よし、やれ。」
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再び渚の右腕が消える。
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「…戻ったな。」
「はい。凡そ五分程が持続時間でしょうか。」
「……いや違うな、法則のやる事だぞ?…大方、個々人が思う状況終了までは持続させるさ。」
…私でも活用方法は思いつく、他の奴だってそうだろう。出力が下がってる「不滅」ですら目に見えて効果があった、能力毎の上昇幅に差があるなら……
「……後で情報纏めといてくれ。」
「了解しました。」




