風と星
…これヤバめかな?
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窓の外には、落下中の三人の姿が映っている。
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うーん……出張しちゃいますか!
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窓をすり抜け、彼女は空を歩く。
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◇
やばいやばいやばい!
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影の魔術を食らった三人は、空へと転移した。
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源斗君と真司さんと…楓君は居ないけど銃はある……てか地面無い!
どうしよどうしよどうしよ、私達飛べないよ!?
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落下を続ける悠華の目の前に、唐突に人が現れる。
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「お母さん!?」
「いやー、さすがにピンチっぽかったから助けに来ちゃった。」
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悠華は空中で静止する。
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「…皆も助けられる?」
「まかせんしゃい!」
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全員が空中で止まる。
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「……ありゃ、ごめん悠華ちゃん。ここから連れ出すのはちょっと大変かも。」
「…お願いお母さん、できるだけ急げない?まだ友達が一人残ってて。」
◆◇◆
ふふん、頼られるのも悪くないね。
空間自体の生成+それの湾曲による拡大、二つが複合されてるせいでとんでもなく複雑になってるね。
まあこの程度なら…
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空が歪み始める。
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「この人は…?」
「しっ、お母さん集中してるから。」
…湾曲を逆転させて、生成された空間を解体して……
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上が黒く、下が灰や緑が混ざった色に分かれ始める。
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ちょっと座標もいじって……
「…調整完了!解除行くよ――」
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空が弾け、校舎の上空に飛び出す。
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空が弾ける少し前。
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◆
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楓は意識を手放した。
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影が再び靄を出す。
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「「Burst」」
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どこからか飛んできた剣が爆ぜる。
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◆◇
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爆発に乗じて蒼が楓を抱えて離れる。
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「まだ生きてるな!?」
…気絶してるか。右腕の欠損以外は大した傷は無い、となるとセーフティー発動するまで出力上げたのか。
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楓を置き、槍を手にする。
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楓が苦戦するとなると……まあ外様の仕業か。
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槍を投げつつ、影へと向かう。
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「Burst」
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槍と影が重なったタイミングで槍を起爆し、それに合わせて剣で斬りかかる。
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…通ってないな、空間系の能力か?こっちだと星系統使えないんだけど。
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そのまま校舎の壁に足を着け留まる。
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はてさて、楓の攻撃はどれぐらい効いたのか…
「【魔弾】」
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発射された魔力に対して、影は回避を選択した。
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避けた……動揺、恐れ…随分と単純だが、それなりの知性があるな。
外面と詠唱だけの張りぼてだし、次辺りで気付くだろ。
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足元を起爆して勢いをつけ、
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「天殺星」
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空間ごと影を斬りつつ、剣を残して起爆する。
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…通りは悪いが、一応空間系なら効くか。
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影が靄を吐き出し、靄は蒼の左腕を削る。
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楓の怪我はこれか。…血は出てない、触れた部位だけどっかに飛ばしてるな。
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どこからか塵が集まり、左腕が治る。
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大体攻略法は分かってきた。
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蒼が格納庫から刀を取り出す。
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「【魔弾】、」
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影が一瞬怯む。その隙に蒼は影に近寄り、
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「巻雲、天殺星」
1、2、3、
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斬った直後、刀を即座に切り返す。
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4、5、
――――
切り返す
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6、7、8、9、10、11、12、
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影が薄くなり始める。
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13、14――
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幾度と無く攻撃を食らった影は、空気に溶け、消え去ろうとしている。
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?何か来る……
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突然、上空に四つの人影が現れる。
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……皆、無事っぽいかな?
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四人の内の一人、蒼にとって顔馴染みのない人が蒼の前に降りてくる。
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「あなたは……柄海 蒼さんですね。」
「そういう貴女は……一等星の「調律者」さん…であってますよね?」
◆◇◆
…あそっか、殆どの人には通り名しか知らないんだっけ。
「そっちの方が名は通っていますが――」
「本名は、愛宕 唯と言います。」
◆◇
外見はともかく、名前聞いたのは初めてだな。悠華と苗字同じだったのか。
「まだまだ至らぬ点が多く、申し訳ないばかりです。」
「あ、いえいえそういう訳ではなく…」
…いい先生とは、世辞でも言えないもんな。




