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未定  作者: 大倉
第二章:2999
71/75

八百万もいるんだ、悪いのもいる


「追って…来なくなりましたね。」

「今の内に出るぞ。まだ走れるか?」

「はい、行けます。」







――――

二人は走り続け、神域の端へと辿り着いた。

――――


「……楓、先に出ろ。」


――――

楓が先に神域の外へ足を踏み入れる。

――――


「!星野さん――」


――――

直後神域が変化し、楓と真司が分断される。

――――


魔術…は駄目だ、星野さんを巻き込んじゃう。なら別の所から……


――――

神域は形を変え続け、楓の付近には即座に再度侵入できるような場所は無かった。

――――


……急がないと。




「…逃がしましたか。」

「ああ。なんか閉じそうだったんでな。」

「……勧誘に靡く気はありませんか?」

「無いね。俺は誰かにガッツリ従う気は無い。」

「…そうですか。」


――――

男は細長い杖を、真司は刀を、それぞれ構える。

――――


一心、明鏡止水――


「――『天殺星』!」


――――

空間毎男を切り裂…

――――


ちっ、加速前に止められたか。


「一体どういう理屈で空間へ干渉出来ているのか……」

「『天退星』!」


――――

刀を握っていない左手で男を殴る。

――――


「おおっ…」

「ちったあ効いたか?!!」


――――

血こそ出てはいないが、男には確実にダメージが入っている。

――――


「……空間切断、防御無視…細胞が幾らか吹き飛びましたね……」


…治そうとしてるな?


「『天殺――」


――――

真司が技を発動する前に、刀が宙を舞う。

――――


「……私の神権は「夢想」。未だ及びはしませんが、かの「法則」や「混沌」にも届き得る物です。」

「私に足りないのは純粋な力。…神域が力の指標だとするなら、それらはまさに最強……」


…何言ってんだ?


「吹き飛べ」


――――

真司が壁に叩き付けられる。

――――


!……くっそ、動けん…


――――

まるで重力が切り替わったかのように、真司は壁に押し付けられ続ける。

――――


「…最後通告です。私に従う気はありますか?」

「……無いね。言ったろ?人にガッツリ従う気はない。」


「残念です。」


――――

神域が更に変化し、真司を捕縛する。

――――


…血が……いい事思いついた。


――――

口の中に流れ出た血を、

――――


――『天哭星』!


――――

勢いよく吐き出した。

――――


「……先程とは違う、貫通特化ですか。」


――――

が、男はそれを躱した。

――――


「今のが最後だ、殺すならさっさとしてくれ。」


……力不足を呪うか。

















◆◇


「手を出すなら私が先だろ!」


――――

上から無数の剣が降り注ぎ、その最中で渚が男が競り合う…が、煤が男に傷を付ける。

――――


「強度…いや法則無視…!」

「分析が早いな!…一応聞く。元の世界に戻るか、私に従うか、ここで死ぬか。どれを選ぶ?」

「…私に貴女が従ってもらいます!」

「そう、か!」


――――

煤が男を両断する。

――――


「…ははっ、まさに無法!…では、私はこれで。」


――――

押し負けたのか、神域が崩れ始める。

――――


「そこの方の拘束は解きました、お連れ帰りください。」

「……お前、名前は?」

「「夢想」…ああ、これを聞いている訳では無さそうですね。」


――――

渚が真司を転移させる。

――――


「…では、エドガーとお呼びください。」

「そんじゃ私も。…「不滅」の渚だ。」


「それでは、またお会いしましょう。「不滅」の渚様。」

「またなんて言わなくていい、今殺す。「星灯」、夜!」


――――

黒い斬撃がエドガーを襲うが、崩れた神域が一瞬渚の視界を覆い…

――――


…逃したか。


――――

神域が閉じ切ったが、既にエドガーの姿は影も形も無かった。

――――


「葉月、追えるか?」

「…無理ですね。恐らく、僅かながら神域を展開し続けていると思われます。」

「……私でも探知出来ない程度に、か。…全く、面倒なのを取り逃がしたもんだ。帰るぞ。」


――――

星が煌めいた。

――――








◆◆


「…全く、愉快な世界に来たものです。」


……ですが、この傷はかなり痛いですね。…当分は体を癒す事に専念いたしましょうか。


――――

エドガーの体には外見的な損傷こそ無いが、それは「夢想」で誤魔化しているに過ぎない。


神域が殆ど閉じ切った今、神権の力が弱まった事でエドガーはかなり弱っている。

――――


「……そこの貴方、攻撃をするなら今ではありますが…最善では無いかと。」

「…逃がしません。」


――――

楓が銃を構える。

――――


やれやれ。


「私は現在負傷しています。ですが、貴方を倒す程度の事は出来るのですよ。」


「沈まれ」


――――

楓の精神が沈み、地面にへたり込む。

――――


「一時的な物です、それでは。」

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