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未定  作者: 大倉
第二章:2999
70/75

八百万もいるんだ、良い奴もいる

「【魔弾(フレイキューゲル)】!」


――――

銃を介して、弾丸が放たれる。

――――


「凄まじい。…手加減していては、私も無傷では済まなさそうです。」

「そのまま手加減して欲しいんだがね!」


――――

真司が落ちていたレンガを拾い、

――――


「『天退星』!」


――――

男に向かって投げた。

――――


「……おや、お気に入りのステッキだったのですが。」

「もう少し効いて欲しかったんだがね!」

「…ですが分かりましたよ。貴方のその技、空間に作用していますね。」

「ちっ」


――――

真司が楓にだけ聞こえる様な大きさの舌打ちをした。

――――


「最初を抑えればそこまで脅威では無い…のは、恐らく斬撃だけですね。先程のレンガは、元から空間を無視して飛んで来てました。」


――――

男が二人に近づく。

――――


「【魔弾(フレイキューゲル)】!」


――――

が、楓の攻撃を避けた為再度距離が離れる。

――――


「そちらの攻撃は……中々特異ですね。私でも未だ、解析しきれない。」


……さっきこの人は「夢想」と言った。でも、名前から"解析"は連想出来ない。…つまり、まだ僕達を舐めている、または手加減をしている。


「直に食らえば解析できるんじゃないですか!?【魔弾(フレイキューゲル)】!!」


――――

真に受けたのか、男は弾丸の直撃を受けた。

――――


「ナイスだ楓!そこ降りるぞ。」


――――

二人が廊下から飛び降り、反対側の数階層下の廊下へと飛び移った。

――――




「……成程、魔力の消滅…否、集約……成程成程…」







「ハイネス!」


濡らして、


「ハイシス!」


固める!


――――

男?は凍り付いた…が、即座に氷を砕き、再び奏楽へと向かい始めた。

――――


「……逃げるばかりか?」

「私とあなたじゃ釣り合わないって言ってんでしょ!」

「そうか。」


――――

結界を解除しつつ校舎の上へ飛んだ奏楽だが、男?が即座に追いつく。

――――


「ネクト!」


――――

男の振りかざした腕を、奏楽が間一髪で弾く。

――――


っ…腕逝った!


――――

更に距離を取りつつ、弾いた際に骨が砕けた腕を治す。

――――


あー転移使えたらな!どうして星系統だけ使えないんだか!


「イグニス!」


――――

火球や槍が飛んでいくが、男?の体に傷は付かない。

――――


……武器とか作れるのはありがたいけどさ!


「メイレム!」


私の練度じゃ先生程の物は出せないんだよね!


――――

奏楽が剣を構え、男?と競り合う。

――――


純粋な膂力で負けてるよねやっぱ!


――――

剣が折れるが、奏楽は攻撃が届く前に距離を取る。

――――


「…逃げ足の速い事だ。」

「そりゃね!」


……私から真面に攻撃が通らない以上、逃げるのが一番か?!


「見逃してくれたりしないかな!」

「…構わない。戦う意思が無いのであれば、殺す事はしない。」


………え、いいんだ。


「先刻の貴様には戦う意思があった、だから戦士として相手したが……なるほど、ここはそういう世界では無いのだな。」


――――

男が胡坐をかいて座った。

――――


「この神域も、閉じてしまうとしよう。」


――――

赤黒く染まった街が、元の色を取り戻していく。

――――


…悪い人じゃ、なさそう?


――――

男は沈黙して、動きを止めた。

――――


………取り合えず、プトレマイオスに連絡だけ。








◆◇


「あはは。」


――――

極彩色になった都市のあちこちから飛び出た棘が、渚に刺さる。

――――


うーん厄介。言葉も碌に通じなさそうだし、さっさと殺すか。


「夜」


――――

棘を振り払いつつ飛ばした黒い斬撃が女?に直撃する。

――――


「あれ。」

「悪いが、狂気だけで勝てる程私は弱くないぞ。」


――――

直後零距離へ転移した渚に、女?頭から足まで切り刻まれ…

――――


…よし、神域が消え始めた。


「葉月、状況は?」

「…「狂乱」の反応は消え、「災害」は動きを止めています。「夢想」は…不明です。」

「不明?」

「神域がかなり特殊で、私やスターゲイザーでも観測できていません。」

「成程ね。…じゃ、まずは「災害」の方から対処しようか。」




「どうもー。」

「貴様か、ここの主は。」


…さっきまで誰かと戦ってたみたいだけど、もう戦意は無さそうかな?


「戦う気は無いみたいだね。話が通じて助かるよ。」

「この世界と、俺の世界では礼儀が違うという事に気づいただけだ。」


「さて、君の道は三つある。元の世界に戻るか、私に従うか、私に殺されるか。どれを選ぶ?」

「……私の居場所は既に無い。」

「ほう?」

「私が居た世界は、惑星によって砕かれた。」


惑星……


「だからここに来た。俺の世界の仇を取ってくれた事……大方意図した物では無いだろうが、礼を言おうと思ってな。」

「それと…俺と戦った人に、後で詫びを入れたい。」

「了解、それは確定事項にしとくよ。」


「……じゃ、私に従うって事でいいのかな?」

「…それは保証できない。貴様が善だと、俺は思えない。」

「随分と辛辣だね。」


「……私、というかこの世界は常に人手不足なんだ。私しか対処ができない相手とかざらだからね。」

「だから、君みたいに協力的かつ神権を持っている人は逃したくないんだが……」

「…いいだろう。貴様には付かんが、戦いはしよう。」

「よし、それじゃこれ着けて。」


――――

渚がチョーカーを差し出す。

――――


「神権を持ってる人は、それ以外の人に対して常時威圧状態なんだ。心当たりあるでしょ?」

「……」

「で、それはGPS兼そういった威圧を介する魔力操作を緩くする効果を持ってる。」

「君のそれは取り外し自由にしとくから、持ち歩きだけしといてね。」


…次行くか。


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