争奪の始まり
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渚は、無限に広がる草原に立っている。
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ここは……
「やあ、不滅。」
「…法則か。何の用だ?」
「フェーズが変わった事のお知らせをしようと思ってね。」
「……そりゃ、親切なもんだ。」
…体は動く。
「現在、世界の総数は三千を超えた。これからは、神と神の争奪がデフォルトだ。」
「私の世界はもう他の神と戦ったぞ。」
「これからは世界間を超えるのがより簡単になるんだ。それ以前でも超えられる神は超えられるさ。」
「で?どうして私を呼んだ?」
前みたいに魂だけって訳じゃない、やろうと思えば…
「お知らせの為だけだよ。」
「なら、今お前を殺してもいいんだろ?」
「出来るならね。」
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渚が煤を抜く。
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「【天の川】!」
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無数の剣が法則を囲む。
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「僕の力に頼り続けるなら、君は僕に勝てない…よ……」
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剣が法則に刺さる少し手前で、空中に静止する。
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「…そっか、君の世界の魔力は現実の力なんだっけ。」
「「星灯」」
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渚が黒い装束を展開する。同時に、静止していた剣が爆ぜる。
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「夜」
「法則無視!全能が作った疑似神権の力か!」
夜の直撃でも仕留められない、追撃を……
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黒い斬撃は法則へと向かい…
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「神権反転・「無法」」
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空で止まり、搔き消された。
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反転!直後の今なら「法則」が使えないはず……
「動かないで。」
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渚の体が硬直する。
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動けない…
「「法則」はこの世界の基礎。僕が定めた法則は僕含め全てが従うんだ。例外はあるけど。」
「逆に「無法」は一方的に押し付ける。極論君達の重力とかを億倍とかにして、僕だけ無法で逃れる…なんて事もできるよ。」
「あ、今君を縛ってるのは僕が君をここに呼んだからだね。君が自分の力でここに来れば、これは気にしなくていい。」
……まだ届かないか。
「向かってくる度胸はいいね。それじゃあ、また。」
「次は自力で来てね。」
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渚が目を覚ます。
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…完敗か。…というか、久々に寝て見る夢…?がこれか。
「葉月ー、天使の力ってお前が作った疑似神権なのか?」
「はい。疑似神権「光」と反転「闇」の二つを作り、持たせていました。」
「なら私も闇使えるのか?」
「いえ。渚様の天使の力には制限を付けているので、現在渚様が行使できる力以外は使えません。」
「へー」
煤は…闇吸ったからか。
「法則と戦って来たよ。これからもっと忙しくなるそうだ。」
「…承知しました、警戒レベルを上げます。」




