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未定  作者: 大倉
第二章:2999
63/74

この世界では偶によくある、一般的な事件とその被害者の話

「…で、どれだ!」


――――

二人は猿の群れを追い、気づけば山の中へと足を踏み入れていた。

――――


「わかりません!」


……数が数だし、暗すぎて判別が…


「……撃てるか?」

「まだ制御出来ないので、他の猿も巻き込みますよ?」

「ここで魔物を逃すぐらいなら構わん、撃て。」


――――

楓が拳銃を構えると同時に、銃身に魔法陣が展開される。

――――


「――【魔弾(フレイキューゲル)】!」


――――

詠唱と同時に、山を抉る程の広範囲に衝撃が走る。

――――


「やっぱり制御が…」

「いーや、十分だ。」


――――

抉れた際に生じた土煙の中から、一体の猿が出てくる。

――――


……顔が、「構えろ。」


――――

真司が刀を抜く。それを、人の顔をした猿が見つめる。

――――

……魔獣じゃない、魔物か。


――――

真司と猿が競り合う。

――――


…すいません、気づけなくて。


――――

爪を弾いた直後、真司に向けて猿が火を吐き出した。

――――


基礎…じゃない、固有魔術。…元の人の魔術を奪ってる?


「…一心、明鏡止水。」


――――

炎が眼前に迫る中、真司が刀を振り上げる。

――――


「――『天殺星』」


――――

眼前の炎ごと、猿を両断する。

――――

…刀の射程じゃない……


「……楓、来い。」


――――

二人は猿に近寄る。

――――


頭が…無い?


「…多分、自分の頭を挿げ替える事で、その頭の持ち主の能力を使える…とか、そういうのだったんだろう。」

「………」

「こいつの気配に気づけなかったのは俺の落ち度だ、お前は何も背負わなくていい。」

「…はい。」




――――

週が明け、再び学校が始まった。

――――


「おはよー!…あれ、元気ないね。」

「まあね。…ちょっと色々あったから。」

「……何か吐き出したいなら聞く。そうじゃないなら、当分はあまり触れないようにする。」

「…ありがとう。」


…心配かけちゃった。




――――

数日後、楓は真司に呼ばれた。

――――


「よ。…元気か?」

「…まあ、何とか。…それで、ここは……」


――――

あの日二人が入った飲食店は、閉店してしまっている。

――――


「…被害者の人が店主で、もう作れる人が居なくなったから店じまいしたらしい。」

「……美味しかったですね、拉麺。」

「な。」


「……まあ、なんだ。それを忘れるなよ。」

「…はい。」










「…で、どうする?」

「どうする…と言うと?」

「いや、これからも俺と動くか?って話だ。」

「勿論です。……僕の手の届く範囲は小さいですが、それでもやれるだけやるつもりです。」


「その為に、僕は魔専に来たので。」

「殊勝な心掛けはいいが…あんまり背負いすぎるなよ?」

「…ありがたいことに、僕は結構恵まれてるので。多分、大丈夫です。」

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