幕間:桜が散ったある日の事
『ビーッ!ビーッ!ビーッ!』
――――
突然、街中にサイレンが鳴り響く。
――――
『緊急事態発生、緊急事態発生。市民は指示に従い、地下へと避難してください。繰り返します――』
――――
緊急事態を知らせるアナウンスが響く。
――――
『楓君、今から部屋の隔離を解除します。その後は、私達と一緒に避難しますよ。』
「わかりました。」
…何が起こってるんだろう。
◆◇
――――
摩天楼の屋上に、人が佇んでいる。
――――
「侵入までは?」
「残り10秒程かと。」
…ま、長らくの猶予が切れただけだ。
――――
鞘に収まっている黒い刀を握り締める。
――――
「3、2、1…来ます。」
――――
空間に罅が入り、空を多数の艦船が覆いつくした。
――――
……あれ。
「神権無いね。」
「…その様ですね。」
「もしかして、スターゲイザー壊れてんじゃない?」
「……後ほど調整します。」
気張って損した。…対応、私じゃなくても良かったな。
――――
艦船に大量の魔力が集まり始める。
――――
…まあ、私が出張った以上、やる事はやろうか。
「【天の川】」
――――
…が、無数の剣が艦船に突き刺さり爆ぜた事で、溜まった魔力が暴発し、艦船が自壊していく。
――――
…あっけなー。
「生き残り居そう?」
「…生体反応無し。恐らくですが、有機生命体では無いですね。」
「へー…土鳩みたいな感じ?」
「近しいとは言えますね。土鳩は元が有機体なので、起源は違うと思いますが。」
「…そんじゃ警報解除。残骸はアルケミストに解析させといて。」
「畏まりました。」
……ま、これで終わりではないだろ。
「……原因が分かりました。」
「観測ミスの事か?」
「はい。…先程の艦船自体に神権はありませんでしたが、その由来が恐らく……」
「神権、か。どの神権か……までは分かってないか。」
「序列上位の何れか、という程度ですね。」
「……つまり、今回のは先遣隊って事で、本命はこれからか……面倒極まりないね。」




